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『晴れた日には・・・』

日々の雑感を綴ります。

母のこと・・・・(山側の部屋)

2019年10月17日 | 介護
施設の母の部屋は、

朝日の当たる山側にあります。



入所するとき、担当の方が

「山側の部屋しか空いていなくてすみません。」とおっしゃいましたが、

見慣れない風景のダム湖側の部屋より、

母の部屋から見えていた風景に似ている山側の方が

母が落ち着くだろうと思ったのでした。



春、桜の時期に

姉と二人で車いすを押して、ダム湖畔を散歩しましたが、

そういう環境の中に施設があることを、

母はすっかり忘れています。(認知症なのであたりまえですが・・・。)



昨日母に会いに行くと、

母はベッドで休んでいましたが、

私が行くと、起きて車いすに移り

窓からの風景を眺めながら、

一緒にお茶を飲みました



「あのうち、誰の家か知ってる?」

と、突然母が聞きました。

気持ちよく陽が当たるそのお宅の蔵の壁際には

たくさんの薪が積まれています。

この地方は、薪ストーブのあるお宅が多いので

夏の間、せっせと薪を積み上げたのでしょう。

また、庭には、何かの花が咲いているのも見えます。



「ううん、知らない。おばあちゃん知ってるの?」

「『ツカモト』だに。あの薪、おばあさんが毎日積んでたのよ。

 よく働くおばあさんだよねえ。えらいよねえ。」




ここに来たときは、

前回からの二週間分の出来事を話をするのですが

その話の中に、「隣組の『ツカモト』のおばあさんが亡くなった。」話もありました。

いつも庭をきれいにしているおばあさんで、

98歳のそのおばあさんを介護されながら

息子さんも同じように、庭周りをきれいにされ

また、薪をきれいに積み上げてあります。

その『ツカモト』がインプットされたものと思われました。



母に話を合わせながら、

「そうだよねえ。でもおばあちゃんだって

 畑仕事やお裁縫をして、よく働いたじゃん。」

「そうだねえ。もう、ごしたくてそんな風には出来んわね。」

「十分働いたもんで、もうゆっくりしらし。」

「そうだねえ。ここはいいに。みんなが訪ねてきてくれるし、

 話し相手になってくれるし・・・ありがたいねえ。」



周りの方に感謝し、穏やかに暮らす母に

安心して帰ってきました。