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講談社 314ページ 1600円+税
私 里崎優には美少年の天才ピアニストの友人 永峰修人 がいた。修人はピアニストとしては致命的な右手中指を無くすという事故に遭っていたが、その彼がコンサートでシューマンを弾いたという情報を得る。そこから、時は高校生に戻り、私と修人との高校生活や修人から時折受ける音楽の講義の話に遡る。そして卒業式の夜に高校のプールで女子高生の殺人が発生。私はそれを目撃する。
この本はクラシック音楽と推理小説が極めて高い次元で融合した名作です。はい、紛れもない名作。
純然たる推理小説を期待した読者には、小説の半ばにてようやく事件が発生するというペース配分がバランスを欠いた作品として認識されるでしょう。しかしながら、クラシック音楽を愛するものにとってはシューマンを中心として繰り広げられる「音楽」の逸話、その解釈など、飽きるところが全くありません。
そして、ラストの20ページで、どんでん返し、さらにその上を行くどんでん返し。満足できる推理小説の「やられた」という爽快感が2倍あります。
これは数十年後も名作として扱われる推理小説です。間違い無しのお薦めです。
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