缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

缶詰のある風景『二つのこころのある川』続編

2007-12-03 12:42:51 | 連載もの 缶詰のある風景

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 コーヒーの沸くあいだに、ニックは杏の小さな缶詰を開けた。彼は缶詰を開けるのが好きだった。ブリキのコップに、シロップごと、中身をすべて開けた。火の上のコーヒーを見守りながら、彼は杏のシロップを飲んだ。最初はこぼさぬように注意深くシロップをすすり、そのあとは黙想にふけりながら杏を口に入れたのだ。杏は、生のものよりも味が良かった。
アーネスト・ヘミングウェイ『二つのこころのある川』訳/はやと

 この『缶詰のある風景』シリーズでありますが、どうもこの、ヘミングウェイからの出典が多いようであります。
 それは筆者がヘミングウェイを好きだからでもあるし、またキャンピングで缶詰を開けるシーンがよく登場するからでもあります。
 さて、このシーン。
 我が缶詰さんが、実にいい脇役を演じているとは思いませんか。
 夜のしじまに、焚き火のかたわらで開ける缶詰は、意外にもこんなシラップ漬けのフルーツ缶が合うんです。
 晩秋の書斎で、孤影悄然とサンマ缶をつつくのも捨てがたい魅力だけれど、何といっても缶詰さんの活躍する場所はキャンプなんであります。
 丸太や草の上にポンと置かれたその姿からは、缶詰たちの喜びの声が聞こえてくるようです。




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 なーんて書いておいて、本日も室内なんであります。
 ニックのようにわくわくしながら開けてみると、なんとも愛らしい杏ちゃんがずらりとこっちを見上げております。




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 こやつを、ぽちゃりぽちゃりと牛乳に投入。
 あっ、牛乳があとのほうが良かったですな。





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 ついでにヨーグルトも投入。
 中身が少なくなって、汁が多くなったところを使うとモアベターであります。





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 そしてマシーンで高速かき混ぜの儀。
 最近、我が家にはこのフードプロセッサーみたいのが登場したんであります。
 いろんなことが短時間にできて、ともかく便利。





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 かくのごとし。
 屋内で杏缶を食べても芸がないので、スムージーというやつを作成したんであります。
 おそらく、ニックの時代にはこんなものはなかったでありましょう。
 では、失敬して一口。
 やっ。意外と甘みが感じられない。
 シラップを追加してから再び高速かき混ぜの儀。今度はうまくいきました。
 杏のかほりと、ヘビーシラップの甘み。そこにヨーグルトの酸味と牛乳のコクが加わって、なかなか美味い飲み物であります。
 あらためて、缶詰から杏を拾い上げて口中へ。
 ニックのいう「生のものよりも味が良かった」という表現は、少し分かるような気もする。
 しかし、やはりこいつはキャンプで食べた方が美味いようであります。次回はぜひとも、風に吹かれながらシラップをすするんであります。




 固形量:240g
 内容総量:420g
 原材料名:あんず、砂糖、塩化カルシウム
 原産国:南アフリカ(S&W)