あつしが行く!!

日本共産党前福島県議会議員・長谷部あつしが日々の活動を綴ります。

「道州制で日本の未来はひらけるか」/「究極の構造改革」/住民自治・団体自治

2010年03月22日 | 日々の活動


『道州制で日本の未来はひらけるか[増補版]』(岡田知弘著、自治体研究社)を読みました。

自治体は広ければ広いほどいい、などと住民が望んでいるわけでもなく、「究極の構造改革」と位置づけている財界が推進しようとしているところがミソです。

「歩いて暮らせる住みよいまち」を意味するヨーロッパ生まれの都市計画思想の「コンパクト・シティ」も、財界のフィルターを通すと「広大な面積の都市のなかの中心市街地に都市機能を集約するような都市再開発思想」に変わってしまうのです。

だから、空港、港湾、道路の「インフラ三点セット」を整備して外資系企業を誘致して日本経済成長を語ってはいても、農山村地域や食料・エネルギー主権の発揮、格差と貧困に苦しむ国民の生活の視点と地方自治の視点がすっぽりと抜けています。

民主党が「地域主権」と言いつつ、「全国を最終的に300程度の基礎的自治体にすることを目標」としているのは、けっきょく、「主権」のありかは、憲法上の主権者である国民・住民ではなく、あくまでも300程度に集約化された「基礎的自治体」でしかありません。

自公政権時代に強行された「平成の大合併」によってもたらされた地方の疲弊をさらに進める道に未来はありません。

住民が暮らすもっとも身近な自治体が国家と対等に補完関係をもち、大都市と小規模自治体の重層的で多様な補完・連携がとれる地方自治こそ、日本国憲法が構想する住民自治・団体自治を活かす道だと思います。