『「地球温暖化」論に騙されるな!』(丸山茂徳著、講談社)を読みました。
著者は98年、『生命と地球の歴史』(岩波新書)を書かれています。「人類をはじめとする生命は、地球上で生まれ、生きてきたわけだから、とうぜん地球の変動とは無縁でないはず」とする問題意識から、「まったく新しい地球史・生命史の考え方」を、磯崎行雄氏との共著で示した本でした。
私が知っておきたいと思っていたテーマだったので、たいへん興味深く読んだものです。
本書もその立場から、地球の気候変動の要素は①太陽の活動度、②地球磁場と宇宙線、③火山の噴火、④地球の軌道、⑤温暖化ガス、があることを論じ、「過去100年ほど地球の平均気温が上がっているのは事実」としながら、著者は「温暖化の原因は二酸化炭素ではないと確信」しており、むしろ寒冷化が始まる、と主張されています。
「先入観や既成の概念を取り払って本書を読まれて」欲しい、と著者も書いていますが、「日本の地球科学の進歩が大変遅れてしま」った原因の著者なりの見解も示され、全体として興味深いです。
「騙されるな!」のタイトルは、著者ではなく、出版社側が決めたように感じます。