「川俣正 Expand BankART」 BankArt Studio NYK

BankArt Studio NYK
「川俣正 Expand BankART」
2012/11/9~2013/1/14



BankArt Studio NYKで開催中の「川俣正 Expand BankART」へ行ってきました。

かの伝説的な都現美の「通路」ならぬ、木材を用いて、建築とも、はたまた廃墟か仮設物ともつかない、摩訶不思議な構造物をインスタレーションとして展開する川俣正。

このところパリでの活動が多いそうですが、久しぶりの首都圏での個展が、横浜・馬車道「BankArt Studio NYK」にて開催されています。



というわけでまずはエントランスから。早速、組上げられたフレームがお出迎え。「通路」の時のベニヤには仰け反ってしまった私ですが、今となってはこの素材にも奇妙な安心感が。これぞ川俣流です。



建物にはまるで鱗のように木材がこびり付き、いや貼られていますが、これは荷物を載せるための木製の荷役台、通称パレットと呼ばれるものです。

なお展示は言うまでもなくワークインプログレス。何も会期当初から全て出来上がっているわけではありません。会期中にも組み立て作業は進行、12月頃におおよそ「完成」しました。



さて内部へ。こちらはパレットの洞窟。



重厚感のあるBankARTの空間にもよるのか、何やら鬱蒼とした深い森の中へ入ったような印象を与えられます。



また別のスペースでは一転してガラスの窓枠が天井付近をうねるように広がります。



この窓枠はバンクアート近くの解体中の団地のものだとか。ガラスによって屈折する照明、下から眺めているとあたかも水面の下にいるような錯覚も。



また会場ではワークインプログレスの様子を写真つきで紹介。川俣がパリと横浜を行き来しながら、スタッフの手も借り、作品を作り上げていくプロセスを知ることが出来ました。



なお世界各地での川俣のプロジェクトを紹介した映像作品も何点か登場。特に1997年にパリのサン・ルイ教会での「椅子の回廊」は強烈。必見です。


「椅子の回廊」1997.9.19-11.2 サルペトリエール病院内サン・ルイ教会 パリ

ただしこの作品しかり、館内映像の殆どはフランス語の音声で英語字幕。日本語はありません。ご注意下さい。

チケットは大人1200円でしたが、記名制で会期中何度でも利用可能です。私が出向いたのも既に会期末。もう間もなく終了してしまいますが、初めから追っかけていれば、より楽しめたような気もしました。



ちなみに3冊のカタログの付くチケットは2500円です。(全3巻配本。カタログ定価は3000円。)こちらの方がお得です。



BankARTの空間と格闘した川俣の軌跡。同時に彼の過去の業績も知ることも出来ます。意外とあっさりした内容ではありましたが、節目の展示と言えるのではないでしょうか。



会期が当初より1日延長されています。(1/14まで。)また明日からのラスト3日間は開館時間も長くなりました。(10:00~19:00)

「アートレス―マイノリティとしての現代美術/川俣正/フィルムアート」

1月14日までの開催です。

「川俣正 Expand BankART」 BankArt Studio NYK
会期:2012年11月09日 ~ 2013年01月14日
休館:1月1日。
時間:11:30~19:00 *1/12~1/14は10:00~19:00。
料金:一般1200円 、大学生600円、高校生以下65歳以上無料。
 *カタログ付観覧料:一般2500円、学生2200円。カタログ全3巻配本:11/9、11/23、1/13
住所:横浜市中区海岸通3-9
交通:横浜みなとみらい線馬車道駅6出口(赤レンガ倉庫口)より徒歩5分。
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