「荻野僚介:腕が当たったから窓を開けた」 スプラウト・キュレーション

スプラウト・キュレーション
「荻野僚介:腕が当たったから窓を開けた」
6/2-6/30



スプラウト・キュレーションで開催中の荻野僚介個展、「腕が当たったから窓を開けた」へ行ってきました。

いわゆる抽象表現がらも、時に具象的なモチーフを取り込み、平面上において様々な「かたち」を作る荻野遼介。

既にキャリアも長く、各方面にて次々と作品を発表している荻野ですが、私自身は2011年の所沢ビエンナーレの体育館壇上でのそれを拝見して以来、どこか引かれるものを感じていました。

今回は同ギャラリーでは約1年ぶりとなる個展です。荻野が昨年より取り組み始めたと言うドリッピングの4点の絵画を含む、約10点強の作品が展示されていました。

と言うわけでまずは注目のドリッピングです。黄緑やピンク、またグレーに染まる平面の上、青や黄色などがそれこそ斑点状に連なっていますが、言わばドロッピング絵画に有りがちな運動性、つまり動きは少なく、どこか地面へ静かに滴り落ちる雨粒のような雰囲気をたたえています。

一方、白地に斜線を何本も配した2点の平面はそれこそ雨の筋の軌跡です。またそれでいて何本も連なる線を見ていると、不思議と何らかの幾何学的な立体が浮かび上がってくるような錯覚を覚えてなりません。

その点、同じように何本かの線を今度は横へ延ばして重ねた一枚では、やはり何らかの構造物、三次元の物質、ようは「かたち」が飛び出してくるような気配を感じてなりませんでした。

奥のスペースの一枚、ルーズリーフをモチーフにした作品も荻野ならではのウィットに富んだ作品と言えるのかもしれません。

身近な事物に潜む線と面による抽象的図形、そうしたものを器用に取り出しているように思えました。

6月22日に作家を囲んでのトークイベントが行われるそうです。

トークイベント「荻野僚介の絵を語り尽くす夕べ」

日時:6月22日(金)19時~
料金:無料、申し込み不要
出演:菊地敦己、小林晴夫、眞島竜男、荻野遼介

6月30日まで開催されています。

「荻野僚介:腕が当たったから窓を開けた」 スプラウト・キュレーション
会期:6月2日(土)~6月30日(土)
休廊:日・月・祝
時間:12:00~19:00
住所:江東区清澄1-3-2 6階
交通:東京メトロ半蔵門線・都営大江戸線清澄白河駅A3出口より徒歩7分
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