「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.2 俵萌子」 ギャラリーαM

ギャラリーαM
「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.2 俵萌子」
5/26-6/23



ギャラリーαMで開催中の「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.2 俵萌子」へ行ってきました。

キュレーターに東近美の保坂健二朗氏を迎え、ペインターを前面に押し出した本年度のαMの連続シリーズ展、「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう。」。

第二弾を飾るのは、1978年に生まれ、2001年に大阪教育大学教養学科(芸術専攻)を卒業後、主に大阪のギャラリーで展示を重ねてきた俵萌子です。


左:「プレイルーム」 2012年 油彩・キャンバス
右:「untitled 11-07」 2011年 油彩・キャンバス


さて会場、ともかく目に入るのは、いずれも大きな平面上へぶちまけられ、また時に稲妻のように上下へ走る、どこか変幻自在な激しき絵具の筆致、またその暗鬱な色遣いです。


「untitled 12-04」 2012年 油彩・キャンバス

縦方向への志向も強いのか、グレーや深い緑の奥からは白いストロークが、それこそ煙か蒸気がわき上がるようにのびています。


「untitled 12-04」(部分) 2012年 油彩・キャンバス

しかしながら他方では画面の奥に静謐な青い平面なども広がり、必ずしも激しさ一辺倒ではないことが分かります。せめぎあう色面、形は、意外なほどに三次元的でした。

当然の如く表現としてはあくまでも抽象ですが、時に空や雲、また炎に稲妻、そして海、さらには翻って迸る神経や生命の律動など、実に多様な自然や心象風景などを想起させてくるのも面白いところかもしれません。

そうした意味で全体をぼかしながらもその奥にあるイメージを朧げに取り出そうとするリヒター、また一方で鮮烈な色と筆致で風景を描くドイツ表現主義のノルデなども思い出しました。


「untitled 12-04」(部分) 2012年 油彩・キャンバス

それにしても作品に近づいて見ると、平面を切り裂くようなタッチもあるせいか、から恐ろしいまでの凄みも感じるのではないでしょうか。

αМ2012絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.2俵萌子x保坂健二朗トーク


開けてくるようでむしろ閉ざされた景色、その先にはどこか破滅的とでも言えるようなグツグツした情念が潜んでいるように思えてなりませんでした。

6月23日まで開催されています。

「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.2 俵萌子」 ギャラリーαM@gallery_alpham
会期:5月26日(土)~6月23日(土)
休廊:日・月・祝。
時間:11:00~19:00
住所:千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビルB1F
交通:都営新宿線馬喰横山駅A1出口より徒歩2分、JR総武快速線馬喰町駅西口2番出口より徒歩2分、日比谷線小伝馬町駅2、4番出口より徒歩6分。
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