都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ガレとドーム展」 日本橋高島屋
日本橋高島屋8階ホール
「ガレとドーム展 美しき至高のガラスたち」
8/31〜9/12
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/03/e795ae42f320b3feae1a6506e71b044f.jpg)
日本橋高島屋で開催されていた「ガレとドーム展」を見てきました。
フランスを代表するアール・ヌーヴォーの工芸家、エミール・ガレ。色に眩しく、形に華やかなガラス器が一堂に会しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/b8/40f3c4f4a1ed8f509e5618d537747f1f.jpg)
エミール・ガレ「ドラジュワール」 1880年頃
冒頭は「ドラジュワール」。お菓子を入れる器です。糖衣菓子ことドラジュは主に婚礼や出産などの慶事で配られます。ガラス面を覆う蔦の紋様は繊細です。赤い装飾もちりばめられていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/ba/d12e1197ece298cdcb87e2b8e08431c7.jpg)
エミール・ガレ「海の神々文花器」 1884年頃
「海の神々文花器」も美しい。比較的シンプルな器です。一部は緑色を帯びています。女神でしょうか。波間で身をくねらせては手を振り上げています。
ガレはヨーロッパの伝統的な表現に立脚しながら、東洋などの異国趣味も積極的に取り入れました。うち特に知られるのがジャポニスムです。初期では日本の版画の図柄などを直接転用。その後は日本と西洋の美術の融合を目指し、独自の形態を生み出していきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/6e/ab131f87751a8fa66012f71eb2d7f167.jpg)
エミール・ガレ「飛蝗文双耳花器」 1870〜1880年代
「飛蝗文双耳花器」はどうでしょうか。花器の前面にいるのがバッタです。かなり大きい。まるで実際に飛び移っているかのようです。取手の部分は蛇と化しています。緑や赤の装飾も美しい。七宝を模しています。
ジャポニスム自体はパリ万博以来のムーブメントでしたが、ガレは当時、ガラス工場を経営していたナンシーへやってきた日本人の画家を通し、日本美術に強い親しみを寄せていたそうです。また特に蜉蝣が日本を象徴するモチーフとして受け止められていました。もちろんガレの花器にも蜉蝣が数多く登場します。文学にも造詣の深かったガレのことです。寿命の短い蜉蝣に儚さをも見出し、作品に落とし込んでいたのかもしれません。
中盤以降はドーム兄弟の作品が続きます。その数は30点です。ガレは70点。全体で100点超の展示です。デパートが会場とはいえ、思いの外にボリュームがあります。しかも国内の個人のコレクターの作品ばかりです。初公開のものも少なくありません。
「もっと知りたいエミール・ガレ/鈴木潔/東京美術」
構成はほぼ時系列です。ガレの初期作からジャポニスム、さらに晩期を経て、ドーム兄弟へと至ります。さらにガレ没後、工房作についての言及もあります。ガレの作風の変遷も辿ることができました。
[ガレとドーム展 巡回予定]
横浜高島屋:2016年9月14日(水)〜26日(月)
京都高島屋:2017年1月6日(金)〜16日(月)
既に日本橋での展示は終了しましたが、首都圏近郊で見るチャンスはまだあります。巡回です。9月14日より横浜高島屋でも開催されます。見逃した方は横浜へ出かけるのも良いのではないでしょうか。
「ガレとドーム展 美しき至高のガラスたち」 日本橋高島屋8階ホール
会期:8月31日(水)〜9月12日(月)
休館:会期中無休。
時間:10:30~19:30
*入場は閉場の30分前まで。最終日は18時閉場。
料金:一般800円、大学・高校生600円、中学生以下無料。
住所:中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋8階
交通:東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅B1出口直結。都営浅草線日本橋駅から徒歩5分。JR東京駅八重洲北口から徒歩5分。
「ガレとドーム展 美しき至高のガラスたち」
8/31〜9/12
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/03/e795ae42f320b3feae1a6506e71b044f.jpg)
日本橋高島屋で開催されていた「ガレとドーム展」を見てきました。
フランスを代表するアール・ヌーヴォーの工芸家、エミール・ガレ。色に眩しく、形に華やかなガラス器が一堂に会しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/b8/40f3c4f4a1ed8f509e5618d537747f1f.jpg)
エミール・ガレ「ドラジュワール」 1880年頃
冒頭は「ドラジュワール」。お菓子を入れる器です。糖衣菓子ことドラジュは主に婚礼や出産などの慶事で配られます。ガラス面を覆う蔦の紋様は繊細です。赤い装飾もちりばめられていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/ba/d12e1197ece298cdcb87e2b8e08431c7.jpg)
エミール・ガレ「海の神々文花器」 1884年頃
「海の神々文花器」も美しい。比較的シンプルな器です。一部は緑色を帯びています。女神でしょうか。波間で身をくねらせては手を振り上げています。
ガレはヨーロッパの伝統的な表現に立脚しながら、東洋などの異国趣味も積極的に取り入れました。うち特に知られるのがジャポニスムです。初期では日本の版画の図柄などを直接転用。その後は日本と西洋の美術の融合を目指し、独自の形態を生み出していきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/6e/ab131f87751a8fa66012f71eb2d7f167.jpg)
エミール・ガレ「飛蝗文双耳花器」 1870〜1880年代
「飛蝗文双耳花器」はどうでしょうか。花器の前面にいるのがバッタです。かなり大きい。まるで実際に飛び移っているかのようです。取手の部分は蛇と化しています。緑や赤の装飾も美しい。七宝を模しています。
ジャポニスム自体はパリ万博以来のムーブメントでしたが、ガレは当時、ガラス工場を経営していたナンシーへやってきた日本人の画家を通し、日本美術に強い親しみを寄せていたそうです。また特に蜉蝣が日本を象徴するモチーフとして受け止められていました。もちろんガレの花器にも蜉蝣が数多く登場します。文学にも造詣の深かったガレのことです。寿命の短い蜉蝣に儚さをも見出し、作品に落とし込んでいたのかもしれません。
中盤以降はドーム兄弟の作品が続きます。その数は30点です。ガレは70点。全体で100点超の展示です。デパートが会場とはいえ、思いの外にボリュームがあります。しかも国内の個人のコレクターの作品ばかりです。初公開のものも少なくありません。
![](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51LHpCTZRtL._SL160_.jpg)
構成はほぼ時系列です。ガレの初期作からジャポニスム、さらに晩期を経て、ドーム兄弟へと至ります。さらにガレ没後、工房作についての言及もあります。ガレの作風の変遷も辿ることができました。
[ガレとドーム展 巡回予定]
横浜高島屋:2016年9月14日(水)〜26日(月)
京都高島屋:2017年1月6日(金)〜16日(月)
既に日本橋での展示は終了しましたが、首都圏近郊で見るチャンスはまだあります。巡回です。9月14日より横浜高島屋でも開催されます。見逃した方は横浜へ出かけるのも良いのではないでしょうか。
「ガレとドーム展 美しき至高のガラスたち」 日本橋高島屋8階ホール
会期:8月31日(水)〜9月12日(月)
休館:会期中無休。
時間:10:30~19:30
*入場は閉場の30分前まで。最終日は18時閉場。
料金:一般800円、大学・高校生600円、中学生以下無料。
住所:中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋8階
交通:東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅B1出口直結。都営浅草線日本橋駅から徒歩5分。JR東京駅八重洲北口から徒歩5分。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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さすが、はろるどさん、デパートの展覧会も見逃しませんね!
高島屋さんは、去年はピカソやったというしー今年ですか?、昨昨年でしたか?ウィーン象徴派やったというしーなんか何時の話か分からなくなってます、笑。見逃せませんね〜。
東京駅から実はすぐですし、私も、ガレとドームは参りましたが、サントリーのガレの記憶も新しいところ、こちらは個人蔵ということでーサントリーにも、ダルビッシュのお父さんの個人蔵作品が出てましたがー滅多にみられないということで、ゆっくりと。
横浜訪ねるのもいいですよね〜。
そごうでは、エッシャーやってるますし、ネットの話しだと、西武そごうの優待カードを、そごうミレニアムカードに横浜そごうで替える、作ると、毎月のご利用明細に、美術館招待券がくっついてくるということで、この前私も西武のクラブオンを、そごうミレニアムカードに変えましたが、噂の真偽は来月確かめると、笑。
こんばんは。
デパート、ともかく会期が短いので見逃しがちですが、
松屋と高島屋は良い企画が多いので、何とか通えればと思っています。
ガレも色々と展覧会が続きますが、今回は初見の作品ばかりで楽しめました。
横浜そごうも面白い企画が多いですね。追っていきたいです。