N響定期 「ガーシュイン:ピアノ協奏曲」 プレヴィン

NHK交響楽団 第1685回定期公演 Aプログラム2日目

武満徹 「グリーン」
ガーシュウィン ピアノ協奏曲 ヘ調
プロコフィエフ 交響曲第5番変ロ長調 作品100

管弦楽 NHK交響楽団
指揮/ピアノ アンドレ・プレヴィン

2010/11/14 15:00~ NHKホール



既に3回の録音があるアンドレ・プレヴィンが、ガーシュインの「ピアノ協奏曲」を弾き振りで披露します。N響第1685回定期公演を聴いてきました。

冒頭の武満からして色彩感に溢れたプレヴィン・サウンドが全開です。武満自身が「ドビュッシーの模写」とも呼んだ同曲の繊細なオーケストレーションも彼の手にかかると一層際立ちます。この日のN響の弦は二人のソロコンマス、堀と篠崎が同時にステージにのるという豪華なものでしたが、透明感のある響きで巧みにプレヴィンをサポートしていました。

弾き振りのガーシュインは実に軽快です。プレヴィンのピアノはさすがに力強さこそ皆無でしたが、実に流麗で全くの躊躇いも淀みもありません。また息のあったアンサンブルを聴かせるオーケストラも好調で、第1楽章の華やかなリズム、そして第2楽章のとろけるように甘美なメロディーには思わず目頭が熱くなってしまうほどでした。

ガーシュインのいう「アメリカの生活から溢れ出る熱く若々しい精神」を望むのは難しかったかもしれませんが、例えばジャズなどを連想させるアメリカの響きを感じたのは私だけではなかったかもしれません。

さて休憩を挟んでのプロコフィエフこそ、よく言われる「完成度の高い演奏」ではなかったでしょうか。実のところ私自身、曲に殆ど馴染みがなく、最後まで集中力を持って聴き通せなかったのは事実でしたが、それでも変幻自在なスケルツォ、また翳りがありながらも甘いアダージョ、そして華々しいフィナーレと、曲の聴き所を十分に堪能することが出来ました。

ちなみにこの曲と一曲目の武満は来年3月、アメリカで行われるN響のツアーの演目だそうですが、この日の出来ならきっと成功をおさめるのではないでしょうか。木管や金管同士の響きのバランス、そして何よりも弦の絶妙なニュアンスにも感心させられました。全てにおいて見通しの良い演奏です。

なお今回のAプロのガーシュイン(1日目)は、12月5日のN響アワーで録画放送があるそうです。そちらでも再度楽しみたいと思います。
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