「関口正浩:仮面」 児玉画廊東京

児玉画廊東京
「関口正浩:仮面」
7/7-8/11



児玉画廊東京で開催中の関口正浩個展、「仮面」へいってきました。

明るいオレンジやグリーンなどの色彩と幾何学的なモチーフ。

遠目から眺める限りおいては一見、シンプルな色と形によって出来た抽象画に思えるかもしれません。

しかしながら鮮やかな色に引かれて近づいてみるとこれまた意外、初めの印象とは異なる世界が開かれていることが分かりました。

ずばり絵画は単純に平面ではなく、奥行き、言わば垂直性を伴っています。

ようは平面上において塗り分けられていると思った色の面は、実のところ何層かに積み上がった絵具の膜によって作り出されていたのです。

例えばグレーと水色の面がせめぎ合っているとしましょう。

通常の絵画であるならば、そこは筆を変え、また絵具を変えるなどして同一の支持体の上に塗るわけですが、関口の作品はそれぞれの絵具が異なる平面、言い換えればさも地層を描くかのように上下別の面になっています。

それぞれに積み上がった絵具の膜は時に折り紙のように曲げられ、また剥がされ、一方で逆に合わせ貼られることで、様々な形を描いていきます。

ざっくりと入れられた切れ目、またその下から覗き込む色の形、さらには捻られた膜による歪みなどが、一つのパネルの中に複層的に現れているではありませんか。

正面から開ける色と形によるリズミカルな動きに、膜の上下の断面から生じる緊張感が加わりました。

また断面は絵具の膜を固定するのではなく、磁石によって留める、ようはあくまでも抑えられているのみに過ぎません。

描くというよりも切り貼りして出来上がる形の面白さ、膜だからこそ浮き上がる絵具の物質感もまた魅力的です。

関口正浩「仮面」インスタレーションビュー@児玉画廊東京

実のところ今回初めて見知った作家でしたが、思いの他に惹かれました。

なお児玉画廊では新作の主に小品がメイン(20点ほど)ですが、オペラシティアートギャラリーの「projectN」で開催中の個展では、もっと大きなサイズの作品が展示されているそうです。



「projectN 49 関口正浩」@東京オペラシティアートギャラリー 4/13-9/2

そちらも是非、伺いたいです。

8月11日まで開催されています。

「関口正浩 仮面」 児玉画廊東京
会期:7月7日(土)~8月11日(土)
休廊:日・月・祝
時間:11:00~19:00
住所:港区白金3-1-15 白金アートコンプレックス1階
交通:東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅3番出口より徒歩10分。東京メトロ日比谷線広尾駅1番出口より徒歩15分。
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