都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「草間彌生 展」 高橋コレクション日比谷
高橋コレクション日比谷(千代田区有楽町1-1-2 日比谷三井ビルディング1階)
「高橋コレクション日比谷オープン記念 - 草間彌生 展 - 」
4/25-7/26
日比谷へと移転リニューアルした高橋コレクションのオープニングを飾ります。会期初日、高橋コレクションではじまった草間彌生の回顧展へ行ってきました。
まずは展示に触れる前に高橋コレクション日比谷からご紹介します。
同コレクションの入居した日比谷三井ビル。晴海通り方向から見た姿です。ちょうど日比谷映画館街の真ん中に位置します。
同ビル一階。草間展に合わせ、赤の水玉模様に彩られているのが高橋コレクションです。
展示室入口。
内部。壁面は白、床面はやや光沢のあるグレーが基本です。スペースは神楽坂時代はもちろん、白金にあった時よりも広くなっていました。
さて展示には、オーナー、高橋龍太郎氏がコレクションし続けた草間の作品が登場します。水彩からコラージュ、または立体オブジェと、最初期の50年代より2008年までの作品、約20点で構成されていました。
やはり目立つのは「マカロニガール」(1999)をメインとした「シルバールーム」ではないでしょうか。彫像の表面にはドットの代わりなのか、確かにマカロニ型の素材が一面に張り巡らされていました。
こちらは金網を用いた二点、「ジュリエット・グレコ」(1970)と「シャロン・テイト」(1970)です。女性の肖像はドットに浸食されるばかりか、外側を金網で覆うことで、さらに二重の穴、ようはドットのイメージが合わせ重なっていました。
水彩、エッチングなどの小品も並びます。
(上記三点はクリックで拡大します。)
ところで、現代アートの言わばトレンドを作る高橋コレクションのオープニングが何故、大御所、草間の回顧展なのかが少し疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。これはそもそも、高橋氏のコレクションをはじめる切っ掛けが、草間の油彩画であったからなのだそうです。原点に立ち返ってということなのかもしれません。
なお新たな高橋コレクションには、併設のミュージアムショップとして「ナディッフ日比谷」が入っています。かなり小規模なショップです。恵比寿やMOTのナディッフを想像すると肩すかしを喰らうかもしれませんが、書籍、グッズなど、一揃えは販売されていました。
なお日比谷へ移転後、これまでと大きく変わった点が一つあります。それは入場料金が設定されたことです。本展は300円ですが、受付の方によると、今後も基本的には有料展示を続けていく予定とのことでした。ここは率直に残念なところではありますが、規模、そして何よりも立地を鑑みれば致し方ないのかもしれません。
計20点とはいえ、草間をこれだけまとめて見られる機会などそう滅多にありません。言わば同コレクションの底力を知るにも相応しい展覧会ではないでしょうか。
次回展以降は若手作家を取り上げていくそうです。例えば藤田桃子展のようなあっと驚く企画に期待したいと思います。
銀座界隈にお出かけの際には是非お立ち寄り下さい。超ロングランの展覧会です。7月26日まで開催されています。
*写真の撮影は許可をいただいています。
「高橋コレクション日比谷オープン記念 - 草間彌生 展 - 」
4/25-7/26
日比谷へと移転リニューアルした高橋コレクションのオープニングを飾ります。会期初日、高橋コレクションではじまった草間彌生の回顧展へ行ってきました。
まずは展示に触れる前に高橋コレクション日比谷からご紹介します。
同コレクションの入居した日比谷三井ビル。晴海通り方向から見た姿です。ちょうど日比谷映画館街の真ん中に位置します。
同ビル一階。草間展に合わせ、赤の水玉模様に彩られているのが高橋コレクションです。
展示室入口。
内部。壁面は白、床面はやや光沢のあるグレーが基本です。スペースは神楽坂時代はもちろん、白金にあった時よりも広くなっていました。
さて展示には、オーナー、高橋龍太郎氏がコレクションし続けた草間の作品が登場します。水彩からコラージュ、または立体オブジェと、最初期の50年代より2008年までの作品、約20点で構成されていました。
やはり目立つのは「マカロニガール」(1999)をメインとした「シルバールーム」ではないでしょうか。彫像の表面にはドットの代わりなのか、確かにマカロニ型の素材が一面に張り巡らされていました。
こちらは金網を用いた二点、「ジュリエット・グレコ」(1970)と「シャロン・テイト」(1970)です。女性の肖像はドットに浸食されるばかりか、外側を金網で覆うことで、さらに二重の穴、ようはドットのイメージが合わせ重なっていました。
水彩、エッチングなどの小品も並びます。
(上記三点はクリックで拡大します。)
ところで、現代アートの言わばトレンドを作る高橋コレクションのオープニングが何故、大御所、草間の回顧展なのかが少し疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。これはそもそも、高橋氏のコレクションをはじめる切っ掛けが、草間の油彩画であったからなのだそうです。原点に立ち返ってということなのかもしれません。
なお新たな高橋コレクションには、併設のミュージアムショップとして「ナディッフ日比谷」が入っています。かなり小規模なショップです。恵比寿やMOTのナディッフを想像すると肩すかしを喰らうかもしれませんが、書籍、グッズなど、一揃えは販売されていました。
なお日比谷へ移転後、これまでと大きく変わった点が一つあります。それは入場料金が設定されたことです。本展は300円ですが、受付の方によると、今後も基本的には有料展示を続けていく予定とのことでした。ここは率直に残念なところではありますが、規模、そして何よりも立地を鑑みれば致し方ないのかもしれません。
計20点とはいえ、草間をこれだけまとめて見られる機会などそう滅多にありません。言わば同コレクションの底力を知るにも相応しい展覧会ではないでしょうか。
次回展以降は若手作家を取り上げていくそうです。例えば藤田桃子展のようなあっと驚く企画に期待したいと思います。
銀座界隈にお出かけの際には是非お立ち寄り下さい。超ロングランの展覧会です。7月26日まで開催されています。
*写真の撮影は許可をいただいています。
コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )
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入場料の設定は妥当だと思うのですが、若手作家さんの展示になったときに払ってまで観るかというと迷います。
これからのギャラリーの在り方にも関わりますね。
>若手作家さんの展示になったときに払ってまで観るかというと迷います。
同感です。一応、今のところまだ本決まりではないそうですが…。
難しいところですね。
>ギャラリーの在り方
いわゆる画廊ベースで所蔵品を公開するのに有料としたのは初めてではないでしょうか。
仰る通り、今後の画廊の在り方を問う一つの試みとなりそうです。
鈴木理策を検索してたらたどり着きましたw
高橋コレクション日比谷の展示
OPENしたてのホヤホヤの時に観ました~
もしかして写真撮っておられました?
日比谷から銀座に行こうと思って
偶然通りがかったら今日からOPENということでビックリだったのですが
入場料かかろうがやっぱり良いです!草間作品は・・・
ギャラリーだとキャプションが着いてないからぱっとみ作品名と年代がわからないのつらいですね~
初日でのお出かけでいらっしゃったのですね!ものすごい雨でした。
>写真を撮って
ひょっとすると同じ時間におられたのでしょうか。
確か私が行ったのは3時過ぎだったかと思います。黒のジャケットを着て写真を色々と撮らせていただきました。
>入場料かかろうがやっぱり良いです!草間作品は・・
そもそもこれだけの草間作品を見られて300円は安いですね。
入場料の設定はともかくも、今回の展示はとても楽しめました。
マカロニガールのマカロニが妙にリアルで楽しかったです。
>キャプションが着いてないからぱっとみ作品名と年代がわからない
そうですよね。
見取り図を参照しながらうろうろ歩き回ってしまいました。
ほんとすごい雨でしたね。
時間3時でしたか!
でわ違う方だ・・・。
OPEN11:00に入ったんでw
ほんとホヤホヤ。
三脚立てて撮影されてる方がいらっしゃったものですから~
見取り図あったんですね・・・
気づきませんでした。
>三脚立てて撮影されてる方
三脚まではあいにく準備しておりませんで…。
いつも手取りの拙い写真ばかりです。
オープンということでどこかの雑誌やらWEBの方が撮られていたのかもしれませんね。
>見取り図
受付でいただけました。
ひょっとするとオープン時はまだ準備されていなかったのではないでしょうか。
私のお気に入りは、「マカロニガール」マカロニを使った作品なんて思いもよらなかったです。
上野で開催中の「ネオテニー・ジャパン」も気になって仕方ありません(^o^)
>立地条件良すぎ
同感です。都心の超一等地でしたね。路面に面しているのもまたポイント高いなと思いました。
>マカロニ
よく見るとマカロニがそれこそうじゃうじゃとくっついていましたね。
びっくりしました。
>「ネオテニー・ジャパン」も気になって
素晴らしいそうです!近日中に行きたいと思います!