第31回乃木神社管絃祭 「蘭陵王一具」 10/13

乃木神社第31回管絃祭

曲:蘭陵王一具

演奏 乃木雅楽会/雅楽同友会

2005/10/13 18:00 乃木神社

乃木坂の乃木神社にて、無料(!)で行われた雅楽の催しです。管絃と舞楽を合わせて約二時間ほど、神前にて雅楽がたっぷりと披露される企画ですが、私の時間の都合で開始時間に大幅に遅刻してしまい、最後の「蘭陵王」だけを鑑賞することとなりました。

「蘭陵王」は、舞楽の中で、左方一人舞(舞台の左手より登場し、一人で舞いを披露する。)としては、最も有名な作品とのことです。また、一般的にこの曲は、一具として全曲演奏されることよりも、省略形の「陵王」のみの披露となることが多いそうですが、この日は一具として全て演奏されました。大変に貴重な機会です。

「蘭陵王」は、古の中国の北斉の蘭陵王が、周の大軍を打ち破り、その勇を轟かせたという故事にのっとって作られた舞楽です。厳めしい竜の仮面を付けて、足を高らかに挙げてはおろし、舞台を所狭しと右へ左へ力強く舞う蘭陵王。端正な雅楽の調べに包まれて、ゆったりとしながらも勇壮に舞うその姿は、夢か幻か、今眼前に、古の蘭陵王が復活したと思わせるほどの凄みです。舞いは、薄暗い夜の社殿の張りつめた空気を、丁寧にかき分けては切り裂きます。蘭陵王の幻を呼び覚ます厳かな儀式。緊張感なしに見ることは出来ません。

雅楽を屋外で聴いたのは今回が初めてでしたが、笙や笛の音が、社殿に反響し過ぎることなく、場の空気と混ざり合いながら、辺りの木々の茂みへ、一抹の余韻を残しながら消えていきます。また、時折聞こえる虫の鳴き声や、風に靡く木々の微かなざわめきは、雅楽の音へスッと入り込むかのようにして、その場をさらに盛り立てます。さすがに東京都心部ということで、車やバイクなど、いわゆる雑音も聞こえて来ましたが、不思議とあまり気になることはありません。あくまでも、社殿には厳かな舞いと、自然と戯れる雅楽の美しい響きだけがありました。実に趣きがあります。

毎年開催されていた催しとのことで、来年もまた予定されるとのことです。次回は前半部分から、しっかりと鑑賞したいと思います。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
あれで・・・ (Tak管理人)
2005-10-18 23:07:41
無料は、、、流石神社!!

お寺だと5000円くらいお金取られそうです。



久々に蘭陵王をしかも間近で観て

かなり興奮しました。

帰宅しても中々寝付けませんでした。

 
 
 
Re.あれで・・・ (はろるど)
2005-10-20 00:02:02
Takさん、コメントありがとうございます。



>お寺だと5000円くらいお金取られそうです。



!!

確かにそうですね…。



それにしても蘭陵王は見事でした。



>帰宅しても中々寝付けませんでした。



翌日大丈夫でしたか。

やはり寝不足気味だったかと…。
 
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