都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「深澤直人がデザインする生活の周囲展」 パナソニック汐留ミュージアム
パナソニック汐留ミュージアム
「AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展」
7/8~10/1

パナソニック汐留ミュージアムで開催中の「AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展」を見てきました。
1956年に山梨に生まれた深澤直人は、多摩美術大学を卒業後、アメリカのデザインコンサルタント会社であるIDEOに入社。2003年にはNaoto Fukasawa Designを設立し、自らのデザインする様々な製品を世に送り続けてきました。
プロダクトデザイナー深澤直人による国内美術館の初個展です。これまで深澤がデザインしてきた約90点の製品が勢ぞろい。居住空間に見立てた展示室に、イスや家電などを配置することで、「深澤の思考を立体化」(解説より)する試みがなされていました。
よって細かなパーティションに分かれているのが特徴です。キッチン、リビング、さらにバスルームなどを模した空間が、廊下を経て繋がっていました。

まずは椅子が目立ちます。グランデパピリオは、深澤が語るに「発泡ウレタンの巨大な彫刻」だそうです。背中にはジッパーがあり、それがトルソーのような趣きを引き出すとも述べています。2009年にB&B ITALIAから発表されました。

ベントグラスベンチはルーブル美術館に置かれているそうです。これぞ深澤デザイン、実にシンプルです。しばらく眺めていると、思わず座りたくなってしまいますが、ここではいずれも作品です。残念ながら、座ることも、触れることも叶いませんでした。

マルニ木工のMALTAのダイニングテーブルの長さは3200ミリにも及びます。オークの無垢材で、極めて端正な佇まいを見せていました。かなりの大テーブルです。誰と集い、どのようなシーンで利用し、何を載せるのかを想像するのも楽しいかもしれません。

面白いのはB&B ITALIAのシェルフでした。真ん中の仕切り板に注目です。少し斜めになっています。本を立てかける以外の用途が思いつきませんが、お気に入りの展覧会のカタログなどを差し込むのも良さそうです。遊び心も感じられました。

曲面の美しさに見惚れたのがBoffiのバスタブでした。解説に「グラデーションがきれい」とありましたが、確かに淡く重なる影の姿も魅惑的です。お湯を張るとまた違った姿に見えるのでしょうか。

懐かしい製品に出会いました。それがauの携帯電話、「INFOBAR」と「neon」です。私もこのneonの水色のバージョンを実際に使っていたことがあります。四角形の角ばったデザインではありますが、不思議と手に馴染みました。今から10年前の製品です。深澤は「INFOBAR」からスマートフォンに繋がったとも語っています。

無印良品との仕事も重要かもしれません。電気ケトルやコーヒーメーカー、それに壁掛け式CDプレイヤーなどが展示されていました。

パナソニックのアラウーノも深澤デザインでした。ちなみにアラウーノは同ミュージアム内のトイレにも設置されています。改めて利用してみるのも良いかもしれません。

それにしても空間は実にスタイリッシュ。まるでショウルームにでも迷い込んだかのようです。また意図してのことか、生活に関わる道具、製品が並んでいるものの、使う人の気配がまるで感じられないのも興味深いところでした。

反面、家電から住宅設備など、多様な製品を網羅しているにも関わらず、空間には統一感があり、清潔感もあります。深澤デザインに一度に接する良い機会と言えそうです。

「ものは環境に溶けている。そのものの登場によって周りの空気や雰囲気が変わる。その空気や雰囲気を作るためにものをデザインしているんだ。ものは周りと対なんだ。」(アンビエント) 深澤直人
展示室内の撮影が出来ます。10月1日まで開催されています。
「AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展」 パナソニック汐留ミュージアム
会期:7月8日(土)~10月1日(日)
休館:毎週水曜日。但し5月3日は開館。
時間:10:00~18:00 *入場は17時半まで。
料金:一般1000円、大学生700円、中・高校生500円、小学生以下無料。
*65歳以上900円、20名以上の団体は各100円引。
*ホームページ割引あり
住所:港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
交通:JR線新橋駅銀座口より徒歩5分、東京メトロ銀座線新橋駅2番出口より徒歩3分、都営浅草線新橋駅改札より徒歩3分、都営大江戸線汐留駅3・4番出口より徒歩1分
「AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展」
7/8~10/1

パナソニック汐留ミュージアムで開催中の「AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展」を見てきました。
1956年に山梨に生まれた深澤直人は、多摩美術大学を卒業後、アメリカのデザインコンサルタント会社であるIDEOに入社。2003年にはNaoto Fukasawa Designを設立し、自らのデザインする様々な製品を世に送り続けてきました。
プロダクトデザイナー深澤直人による国内美術館の初個展です。これまで深澤がデザインしてきた約90点の製品が勢ぞろい。居住空間に見立てた展示室に、イスや家電などを配置することで、「深澤の思考を立体化」(解説より)する試みがなされていました。
よって細かなパーティションに分かれているのが特徴です。キッチン、リビング、さらにバスルームなどを模した空間が、廊下を経て繋がっていました。

まずは椅子が目立ちます。グランデパピリオは、深澤が語るに「発泡ウレタンの巨大な彫刻」だそうです。背中にはジッパーがあり、それがトルソーのような趣きを引き出すとも述べています。2009年にB&B ITALIAから発表されました。

ベントグラスベンチはルーブル美術館に置かれているそうです。これぞ深澤デザイン、実にシンプルです。しばらく眺めていると、思わず座りたくなってしまいますが、ここではいずれも作品です。残念ながら、座ることも、触れることも叶いませんでした。

マルニ木工のMALTAのダイニングテーブルの長さは3200ミリにも及びます。オークの無垢材で、極めて端正な佇まいを見せていました。かなりの大テーブルです。誰と集い、どのようなシーンで利用し、何を載せるのかを想像するのも楽しいかもしれません。

面白いのはB&B ITALIAのシェルフでした。真ん中の仕切り板に注目です。少し斜めになっています。本を立てかける以外の用途が思いつきませんが、お気に入りの展覧会のカタログなどを差し込むのも良さそうです。遊び心も感じられました。

曲面の美しさに見惚れたのがBoffiのバスタブでした。解説に「グラデーションがきれい」とありましたが、確かに淡く重なる影の姿も魅惑的です。お湯を張るとまた違った姿に見えるのでしょうか。

懐かしい製品に出会いました。それがauの携帯電話、「INFOBAR」と「neon」です。私もこのneonの水色のバージョンを実際に使っていたことがあります。四角形の角ばったデザインではありますが、不思議と手に馴染みました。今から10年前の製品です。深澤は「INFOBAR」からスマートフォンに繋がったとも語っています。

無印良品との仕事も重要かもしれません。電気ケトルやコーヒーメーカー、それに壁掛け式CDプレイヤーなどが展示されていました。

パナソニックのアラウーノも深澤デザインでした。ちなみにアラウーノは同ミュージアム内のトイレにも設置されています。改めて利用してみるのも良いかもしれません。

それにしても空間は実にスタイリッシュ。まるでショウルームにでも迷い込んだかのようです。また意図してのことか、生活に関わる道具、製品が並んでいるものの、使う人の気配がまるで感じられないのも興味深いところでした。

反面、家電から住宅設備など、多様な製品を網羅しているにも関わらず、空間には統一感があり、清潔感もあります。深澤デザインに一度に接する良い機会と言えそうです。

「ものは環境に溶けている。そのものの登場によって周りの空気や雰囲気が変わる。その空気や雰囲気を作るためにものをデザインしているんだ。ものは周りと対なんだ。」(アンビエント) 深澤直人
【開催中】INFOBARから無印良品まで、深澤直人の国内初個展に歴代デザインが集結https://t.co/3gCNfScGlF#深澤直人 pic.twitter.com/bkR0832E6S
— Fashionsnap.com (@fashionsnap) 2017年7月17日
展示室内の撮影が出来ます。10月1日まで開催されています。
「AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展」 パナソニック汐留ミュージアム
会期:7月8日(土)~10月1日(日)
休館:毎週水曜日。但し5月3日は開館。
時間:10:00~18:00 *入場は17時半まで。
料金:一般1000円、大学生700円、中・高校生500円、小学生以下無料。
*65歳以上900円、20名以上の団体は各100円引。
*ホームページ割引あり
住所:港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
交通:JR線新橋駅銀座口より徒歩5分、東京メトロ銀座線新橋駅2番出口より徒歩3分、都営浅草線新橋駅改札より徒歩3分、都営大江戸線汐留駅3・4番出口より徒歩1分
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )