都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ルーヴルNo.9~漫画、9番目の芸術」 森アーツセンターギャラリー
森アーツセンターギャラリー
「ルーヴルNo.9~漫画、9番目の芸術」
7/22〜9/25
森アーツセンターギャラリーで開催中の「ルーヴルNo.9~漫画、9番目の芸術」を見てきました。
フランスの誇る美の殿堂のルーヴル美術館。同館ではかねてよりフランス語文化圏の「バンド・デシネ(BD)」と呼ばれる漫画文化を元にしたプロジェクトを展開してきました。
その名も「ルーヴル美術館BDプロジェクト」です。ルーヴルの魅力を伝えるため、フランス内外の漫画家に同館をテーマとした作品の制作を依頼しました。漫画家は16名。もちろん日本人作家も含まれます。
冒頭はガイダンス映像です。ムッシュNo.9なる人物がルーヴルの概要や歴史を語ります。そこを抜けるとルーブル・バンド・デシネの世界。「偉大なるルーヴル美術館」のコーナーです。かの名作、「サモトラケのニケ」の原寸大レプリカも登場。周囲に無数の漫画の飛び交うインスタレーションが設置されています。
ここでは谷口ジローやクリスティアン・デュリユーらがルーヴルのコレクションを題材にした漫画を制作。もちろん舞台はルーヴル館内です。例えばデュリユーは「魔法」において貸切の美術館を設定。政治家の引退パーティーを素材にした物語を描いています。
続くのは「ようこそ、異次元の世界へ」でした。先の「偉大なる」がルーヴルの表とすれば、「異次元」は裏と言えるかもしれません。
エンキ・ビラルの「ルーヴルの亡霊たち」が圧巻でした。亡霊はルーヴルの至る所に取り憑きます。グレコやレオナルドの名品も例外ではありません。霊はそれこそ魑魅魍魎。怪奇的でかつ独創的な話が進みます。原画に凄みもありました。ぐっと引き込まれます。
荒木飛呂彦も作品を発表しています。タイトルは「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」です。ジョジョでお馴染みの岸辺。彼自身の設定も漫画家です。アパートに下宿し、間借り人の女性と出会い、親しみを覚えていく。そこから物語が始まります。しかしひょんなことから彼女は姿を消してしまいました。10年後、彼女の語った一枚の絵を思い出します。それを探すべくルーヴルへと赴く。2010年の作品です。実際に荒木がルーブルに取材して描きました。
ラストは「時空を超えて」です。手書きのほか、デジタルも登場。五十嵐大介、寺田克也、ヤマザキマリ、坂本眞一らの作品が、時に映像やパネルを用いて紹介されています。
何かと漫画に疎い私ではありますが、いずれの作品にも簡単なあらすじが付いていました。話の内容を追うのにさほど不自由しません。
ちなみにルーヴルNo.9のNo.9とは、同国でバンド・デシネが9番目の芸術に位置付けられていることに由来します。ほかは建築、彫刻、絵画、音楽、文学(詩)、演劇、映画、メディア芸術です。バンド・デシネは20世紀後半、特に60〜70年代にかけて定着しました。90年代以降は研究書や専門誌も発行されているそうです。
何かと人気の漫画ではありますが、場内は思いの外に空いていました。同じく森ビル内のジブリ展は1時間を超える待機列が発生していましたが、ルーヴルNo.9に関しては混雑とはほぼ無縁です。スムーズに見られました。
原画類の撮影は一切出来ません。一部パネルのみOKでした。
[ルーヴルNo.9~漫画、9番目の芸術 巡回スケジュール]
大阪:グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボ 2016年12月1日(木)〜2017年1月29日(日)
福岡:会場未定 2017年4~5月開催予定
名古屋:松坂屋美術館 2017年7月15日(土)〜9月3日(日)
9月25日までの開催です。なお東京展終了後、大阪、福岡、名古屋の各会場へと巡回します。
「ルーヴルNo.9~漫画、9番目の芸術」(@no9manga) 森アーツセンターギャラリー
会期:7月22日(金)〜9月25日(日)
休館:会期中無休
時間:10:00~20:00
*入館は閉館時間の30分前まで。
料金:一般1800(1500)円、高校・大学生1200(1000)円、小学・中学生600(400)円。未就学児は無料。
*( )内は15名以上の団体料金
住所:港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
交通:東京メトロ日比谷線六本木駅1C出口徒歩5分(コンコースにて直結)。都営地下鉄大江戸線六本木駅3出口徒歩7分。
「ルーヴルNo.9~漫画、9番目の芸術」
7/22〜9/25
森アーツセンターギャラリーで開催中の「ルーヴルNo.9~漫画、9番目の芸術」を見てきました。
フランスの誇る美の殿堂のルーヴル美術館。同館ではかねてよりフランス語文化圏の「バンド・デシネ(BD)」と呼ばれる漫画文化を元にしたプロジェクトを展開してきました。
その名も「ルーヴル美術館BDプロジェクト」です。ルーヴルの魅力を伝えるため、フランス内外の漫画家に同館をテーマとした作品の制作を依頼しました。漫画家は16名。もちろん日本人作家も含まれます。
冒頭はガイダンス映像です。ムッシュNo.9なる人物がルーヴルの概要や歴史を語ります。そこを抜けるとルーブル・バンド・デシネの世界。「偉大なるルーヴル美術館」のコーナーです。かの名作、「サモトラケのニケ」の原寸大レプリカも登場。周囲に無数の漫画の飛び交うインスタレーションが設置されています。
ここでは谷口ジローやクリスティアン・デュリユーらがルーヴルのコレクションを題材にした漫画を制作。もちろん舞台はルーヴル館内です。例えばデュリユーは「魔法」において貸切の美術館を設定。政治家の引退パーティーを素材にした物語を描いています。
続くのは「ようこそ、異次元の世界へ」でした。先の「偉大なる」がルーヴルの表とすれば、「異次元」は裏と言えるかもしれません。
エンキ・ビラルの「ルーヴルの亡霊たち」が圧巻でした。亡霊はルーヴルの至る所に取り憑きます。グレコやレオナルドの名品も例外ではありません。霊はそれこそ魑魅魍魎。怪奇的でかつ独創的な話が進みます。原画に凄みもありました。ぐっと引き込まれます。
荒木飛呂彦も作品を発表しています。タイトルは「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」です。ジョジョでお馴染みの岸辺。彼自身の設定も漫画家です。アパートに下宿し、間借り人の女性と出会い、親しみを覚えていく。そこから物語が始まります。しかしひょんなことから彼女は姿を消してしまいました。10年後、彼女の語った一枚の絵を思い出します。それを探すべくルーヴルへと赴く。2010年の作品です。実際に荒木がルーブルに取材して描きました。
ラストは「時空を超えて」です。手書きのほか、デジタルも登場。五十嵐大介、寺田克也、ヤマザキマリ、坂本眞一らの作品が、時に映像やパネルを用いて紹介されています。
何かと漫画に疎い私ではありますが、いずれの作品にも簡単なあらすじが付いていました。話の内容を追うのにさほど不自由しません。
ちなみにルーヴルNo.9のNo.9とは、同国でバンド・デシネが9番目の芸術に位置付けられていることに由来します。ほかは建築、彫刻、絵画、音楽、文学(詩)、演劇、映画、メディア芸術です。バンド・デシネは20世紀後半、特に60〜70年代にかけて定着しました。90年代以降は研究書や専門誌も発行されているそうです。
何かと人気の漫画ではありますが、場内は思いの外に空いていました。同じく森ビル内のジブリ展は1時間を超える待機列が発生していましたが、ルーヴルNo.9に関しては混雑とはほぼ無縁です。スムーズに見られました。
原画類の撮影は一切出来ません。一部パネルのみOKでした。
[ルーヴルNo.9~漫画、9番目の芸術 巡回スケジュール]
大阪:グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボ 2016年12月1日(木)〜2017年1月29日(日)
福岡:会場未定 2017年4~5月開催予定
名古屋:松坂屋美術館 2017年7月15日(土)〜9月3日(日)
9月25日までの開催です。なお東京展終了後、大阪、福岡、名古屋の各会場へと巡回します。
「ルーヴルNo.9~漫画、9番目の芸術」(@no9manga) 森アーツセンターギャラリー
会期:7月22日(金)〜9月25日(日)
休館:会期中無休
時間:10:00~20:00
*入館は閉館時間の30分前まで。
料金:一般1800(1500)円、高校・大学生1200(1000)円、小学・中学生600(400)円。未就学児は無料。
*( )内は15名以上の団体料金
住所:港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
交通:東京メトロ日比谷線六本木駅1C出口徒歩5分(コンコースにて直結)。都営地下鉄大江戸線六本木駅3出口徒歩7分。
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