都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「洛中洛外図屏風(舟木本)」(本館7室/VRシアター/リーフレット) 東京国立博物館
東京国立博物館(台東区上野公園13-9)
「洛中洛外図屏風(舟木本)」(本館7室/VRシアター/リーフレット)
作品展示:1/13~2/21、VRシアター:1/2~3/28
東京国立博物館の平常展で公開された「洛中洛外図屏風(舟木本)」(重文)を見てきました。
作品自体は過去に何度も展示されたことがありますが、この壮麗な屏風を存分に楽しむのは今が最もチャンスかもしれません。「洛中洛外図屏風」そのものはもとより、ミュージアムシアターで上映中の「今めぐる、いにしえの京都」、さらにはあわせて発売されたリーフレットが、さながら三点セットと化して作品の理解を深めてくれました。
1.「洛中洛外図屏風(舟木本)」(本館第7室 - 屏風と襖 - 安土桃山・江戸) 1/13~2/21

作品は本館の屏風室で展示中です。右に方広寺大仏殿、左に二条城の対峙する、17世紀初頭、おそらくは大坂の陣で豊臣家が滅びる前の京都の姿が描かれています。なお作者については諸説あるものの、かの岩佐又兵衛ということで認知されているようです。

上杉本でも同様ですが、やはり洛中洛外図と言えば、例えば祭りや名所などを捉えた情景と、細密極まりない人物描写から目が離せません。

いわゆる「異国人」が歩いている姿も描かれています。物珍しそうに見物する人々が連なっていました。

京都の夏を彩る祇園祭のシーンももちろん登場しています。

例の豊臣家滅亡の切っ掛けともなったと言われる。「国家安康・君臣豊楽」の鐘も描かれています。ちょうど鐘をつくシーンなのでしょうか。一人の男が威勢良く振りかぶっていました。
2.「今めぐる、いにしえの京都」(資料館・TNM&TOPPANミュージアムシアター) 1/2~3/28(期間中毎週金・土・日・祝日。当日予約制。上映スケジュール詳細。)

肉眼では判別しにくい舟木本の細部までを見事に再現したのが、ミュージアムシアターで上映中の「今めぐる、いにしえの京都」です。クリアな映像と明快な色彩、そして簡素ながらも美しい演出は、まるで屏風の中へ自分自身が入って旅しているかのような錯覚を引き起こします。目玉のバーチャルリアリティの効果は控えめですが、洛中洛外図の魅力を堪能出来るのは言うまでもありません。
なお現在、「リクエストシステム」として、事前に6つのシナリオから見たいものを選ぶことが出来ます。シナリオ一覧、またリクエストの結果などはミュージアムシアターのWEBサイトをご参照下さい。なお現状で人気なのは「今日の名所今昔」のようです。
3.「洛中洛外図屏風(舟木本)」リーフレット

洛中洛外図の世界を自宅で味わうのにこの上ない屏風型リーフレットが誕生しました。それが同館ミュージアムショップで発売されている「洛中洛外図屏風(舟木本)」リーフレットです。

ともかくもまずサイズに驚かされます。早速、自宅で開いてみましたが、一番右に置いたハガキと見比べていただければ、その大きさがお分かりいただけるでしょうか。実物大の4分の1、横90センチ、縦40センチの巨大な紙面上には、それこそVRシアターでも見たようなクリアな画質による屏風の光景が余すことなく写し出されていました。

もちろんこうして見るだけでも十分に満足し得るものですが、このリーフレットが『凄い』のは、裏面に単なる土産物の飾りの領域を越えた解説が詳細に記されていることです。ちなみに価格は超お値打ちの840円でした。にわかには信じられません。
最初にも触れましたが、「洛中洛外図屏風(舟木本)」を実物、デジタル、そしてリーフレットの三点で楽しめる滅多にないチャンスです。是非ともお見逃しなきようご注意下さい。
「洛中洛外図屏風(舟木本)」(本館7室/VRシアター/リーフレット)
作品展示:1/13~2/21、VRシアター:1/2~3/28
東京国立博物館の平常展で公開された「洛中洛外図屏風(舟木本)」(重文)を見てきました。
作品自体は過去に何度も展示されたことがありますが、この壮麗な屏風を存分に楽しむのは今が最もチャンスかもしれません。「洛中洛外図屏風」そのものはもとより、ミュージアムシアターで上映中の「今めぐる、いにしえの京都」、さらにはあわせて発売されたリーフレットが、さながら三点セットと化して作品の理解を深めてくれました。
1.「洛中洛外図屏風(舟木本)」(本館第7室 - 屏風と襖 - 安土桃山・江戸) 1/13~2/21

作品は本館の屏風室で展示中です。右に方広寺大仏殿、左に二条城の対峙する、17世紀初頭、おそらくは大坂の陣で豊臣家が滅びる前の京都の姿が描かれています。なお作者については諸説あるものの、かの岩佐又兵衛ということで認知されているようです。

上杉本でも同様ですが、やはり洛中洛外図と言えば、例えば祭りや名所などを捉えた情景と、細密極まりない人物描写から目が離せません。

いわゆる「異国人」が歩いている姿も描かれています。物珍しそうに見物する人々が連なっていました。

京都の夏を彩る祇園祭のシーンももちろん登場しています。

例の豊臣家滅亡の切っ掛けともなったと言われる。「国家安康・君臣豊楽」の鐘も描かれています。ちょうど鐘をつくシーンなのでしょうか。一人の男が威勢良く振りかぶっていました。
2.「今めぐる、いにしえの京都」(資料館・TNM&TOPPANミュージアムシアター) 1/2~3/28(期間中毎週金・土・日・祝日。当日予約制。上映スケジュール詳細。)

肉眼では判別しにくい舟木本の細部までを見事に再現したのが、ミュージアムシアターで上映中の「今めぐる、いにしえの京都」です。クリアな映像と明快な色彩、そして簡素ながらも美しい演出は、まるで屏風の中へ自分自身が入って旅しているかのような錯覚を引き起こします。目玉のバーチャルリアリティの効果は控えめですが、洛中洛外図の魅力を堪能出来るのは言うまでもありません。
なお現在、「リクエストシステム」として、事前に6つのシナリオから見たいものを選ぶことが出来ます。シナリオ一覧、またリクエストの結果などはミュージアムシアターのWEBサイトをご参照下さい。なお現状で人気なのは「今日の名所今昔」のようです。
3.「洛中洛外図屏風(舟木本)」リーフレット

洛中洛外図の世界を自宅で味わうのにこの上ない屏風型リーフレットが誕生しました。それが同館ミュージアムショップで発売されている「洛中洛外図屏風(舟木本)」リーフレットです。

ともかくもまずサイズに驚かされます。早速、自宅で開いてみましたが、一番右に置いたハガキと見比べていただければ、その大きさがお分かりいただけるでしょうか。実物大の4分の1、横90センチ、縦40センチの巨大な紙面上には、それこそVRシアターでも見たようなクリアな画質による屏風の光景が余すことなく写し出されていました。

もちろんこうして見るだけでも十分に満足し得るものですが、このリーフレットが『凄い』のは、裏面に単なる土産物の飾りの領域を越えた解説が詳細に記されていることです。ちなみに価格は超お値打ちの840円でした。にわかには信じられません。
最初にも触れましたが、「洛中洛外図屏風(舟木本)」を実物、デジタル、そしてリーフレットの三点で楽しめる滅多にないチャンスです。是非ともお見逃しなきようご注意下さい。
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