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「清方の正月 羽子板展」 鎌倉市鏑木清方記念美術館

鎌倉市鏑木清方記念美術館神奈川県鎌倉市雪ノ下1-5-25
「清方の正月 羽子板展」
2009/12/22-2010/1/24



鎌倉市鏑木清方記念美術館で開催中の「清方の正月 羽子板展」へ行ってきました。



手狭なスペースながらも毎度テーマを変え、良質のコレクションにて入館者を楽しませる同美術館ですが、今回はタイトルの如く正月に因み、清方に取材した数々の羽子板作がいくつか登場しています。中でも核となるのが、ちょうどサントリー美術館の回顧展で原画が出品されている、「明治風俗十二ヶ月」に他なりません。一月から十二月まで、清方が春章に模して描いた風俗画の連作シリーズを、今度は押絵師の永井周山が若干構成に手を加えた上で羽子板に写しかえました。既にサントリー美術館へ行かれた方は、その記憶を頼りに、原画と羽子板の相違点を楽しまれては如何でしょうか。六月の「金魚屋」など、登場人物の立ち位置などを比較するのもまた一興でした。



もちろん羽子板の他にも、挿絵画家としてもキャリアを築いた清方ならではの雑誌口絵、また木版なども展示されています。中でも秀逸なのは、「講談雑誌口絵」の「初夢」でした。やや笑みもこぼれた表情をした和装の女性が一人、髪に手をやって佇む様子は、まさに夢二の世界をも連想させる大正ロマンの世界に他なりません。他、松や梅などを描いた風呂敷など、正月気分を盛り上げる作品も数点紹介されていました。

私として嬉しかったのは伊東深水の見慣れない羽子板が展示されていたことです。こちらも楽しめました。



八幡宮への参拝とあわせてのお出かけも良いかもしれません。私の経験から言えば、清方美術館は鎌倉界隈の混雑とはあまり関係することなく、比較的静かに作品と接することが出来ます。

今月24日までの開催です。
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