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日替わり表明

2024-09-01 00:01:05 | 政治

台風10号はながっちりというか動きの鈍い嵐だった。九州から四国へ移動するのに数日かかった。その間、暴風と豪雨で被害を出した。それどころか、台風の中心から遠く離れた関東圏で線状降水帯を作り出し、大雨を降らせた。この嵐で新幹線は止まり、飛行機も飛べなくなり、連絡船も出航を中止した。自民党総裁選挙に出馬するとみられている議員が次々と正式な出馬表明の予定を先延ばしした。有権者が台風で難儀している最中に総裁選ではしゃいでいると思われるのを避けたのだろう。もっとも立憲民主党の野田佳彦氏は台風が鹿児島に上陸した8月29日に立憲民主党代表選挙に出馬すると表明している。政局の台風の目のゲンかつぎか、野党の身軽さのゆえだろうか。

自民党の茂木敏充氏は新聞報道によるとは9月4日に総裁選立候補を正式表明する予定。小泉進次郎氏も当初の予定を先に延ばし9月に入ってからの出馬表明。9月上旬は下馬評にあがった議員たちが日替わりで出馬表明をすることになる。

8月31日付朝日新聞の「首相動静」によると、岸田首相は30日東京のホテル・オークラの日本料理店で、自民党副総裁の麻生太郎氏、幹事長の茂木敏充氏、林芳正官房長官と昼食を共にした。林芳正氏も9月に入ると出馬表明をする。官邸に帰ると石破茂氏、河野太郎氏と面談した。

ところで、31日の朝日新聞の別の記事によると、河野太郎氏は30日に麻生派の事務所で同派の議員に支持を訴えたが、集まったのは河野氏を入れて13人だった(麻生派には54議員が所属)。

下馬評に名前が出ている11人の議院のうち、何が脱落し、何印が正式立候補にたどり着けるか、興味深いレースになる。

また、立憲民主党では現在の代表である泉健太氏が所定の推薦人を集めきれていないのではないか、とにおわせる報道も出ている。

9月が始まる。風に任せて、流れに任せて、日本の政治が漂流するかもしれないシーズンが始まる。

(2024.8.31 花崎泰雄)

 

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