邦画はほとんどチェックしないのですが、アカデミー賞外国語映画賞を受賞したこともあり、何だか見たい気分になって今日見に行ってきました。現在公開中。
チェロ奏者だった主人公は楽団の解散で故郷に帰ることになり、新しい職に就く。それは今までまったく知らなかった「納棺師」と言う仕事。
仕事をするうちに様々な人間を知り、やがて主人公は自分自身の人生と向き合うことになる。
すごく暗くて重々しいのではと思っていましたが、笑える場面や皮肉っぽいところも上手に混ぜてあり、全体あまり重くならず良かったと思います。
東北の四季の移り変わりのきれいな景色をしっかり見せてくれ、日本の情緒がこの映画の素晴らしい背景となっています。
また、主人公の住む家や上司の部屋は、古い木造で多くの植物があり、温かみを感じさせます。
死に顔を見ていて、これまでのこと、最近のことなどいろいろ思い浮かんで来て感情が高ぶる家族や親戚の姿を見ていると、こちらもつい感情移入してしまい、思わず涙が・・
誰にでも死は訪れます。亡くなった人に対してお化粧をし着物を整え、きれいにして旅立ちの準備をする納棺師のお仕事は、とても大切であり素晴らしいと思いました。
死の世界への旅立ちはやはり多くの人、特に家族に見守っていてほしいとつくづく思いました。家族や友人に送られてきれいに安らかに旅立って行きたい・・
その人の遺したもの。それは何よりもその人と繋がっていた人たちとの関係ではないでしょうか。
「夢(主人公にとってチェロ奏者として成功すること)と思っていたものは夢ではなかった」
厳しい現実に直面しそれでも生きていく・・勇気も与えてくれる映画です。
ただちょっと都合よく事件が起きすぎかな、とは思いましたが、主演の本木くんの素朴さや純粋さ、また上司の山崎努さんのキャラクターがすごく良かったです。
もうハリウッドリメイクの話あり?同じような職業はアメリカにもあるらしいけど、この情緒はアメリカ映画じゃ出ませんよ~
公式HP→http://www.okuribito.jp/