映画時々お酒

心と体に栄養を♪

消えた天使/The Flock

2008-10-13 15:19:00 | 映画
リチャード・ギア(『Shall we dance?』)&クレア・デインズ(『ロミオ&ジュリエット』)共演でこの重苦しさ~?・・と思ったら、監督が『インファナル・アフェア』(スコセッシ監督がリメイクした)のアンドリュー・ラウだった!

2分に1人女性または児童が性的暴行を受けていると言うアメリカ。性犯罪者監察官バベッジは、彼らを憎み仕事にのめりこむあまりその行動は度を越えていた。
クビになることが決定しその後任者候補として若い女性が赴任してくる。
彼と共に彼女も深い闇を覗かなければならなくなり・・

何だか『羊たちの沈黙』を思い出してしまった・・あそこまでグロくはないんですけど・・
追う方と追われる方、観察する側とされる側、何故か互いに気持ちがだんだんシンクロしてしまうと言うか・・実は外観も似てくると言う事実。

作品中の「怪物を退治していると自分自身が怪物になっている」「深淵を覗き込むと深淵もこちらを見ている」と言う言葉がこの作品の言いたいことをはっきり表しています。
加害者と被害者は本当にその通り?正義をふりかざし一生懸命やっていて、実は光の部分ではなく影の部分に立っていませんか?
どんなに深い闇の部分を見せられても、人間として光の部分にいて欲しい、そう言っていると思います。

ギアはやさしい容姿なので、そういう役が多かったし今回はチャレンジングな役で演技頑張ってます。もう少しクセのある顔の役者さんがやったほうが、とも思いますが、それじゃあ説得力ありすぎるとも思えるし。
またデインズの方は、久々にとても良い役に巡りあったと言えます。常軌を逸したギアに振り回されて、とても人間らしい反応をする。

続編が作れそうだけど・・ないよね^^;題材的には面白いけど、やっぱりキャストが地味・・

一本の道路だけが地平線まで走る、だだっぴろくて何もない大地が広がる風景の中にぽつんと家が・・これではどれほどの犯罪が発見されないままでいるのか・・恐ろしい限りです。

原題は「群れ」の意味ですが、ここでは「登録された性犯罪者たち」のこと。

公式HPがないようなので、一番詳しい解説ページを(ネタばれ可能性あるのでご注意!)。→http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=8154