映画時々お酒

心と体に栄養を♪

チョコレート

2004-03-14 21:45:00 | 映画
ハル・ベリーがアカデミー主演女優賞を受賞した作品。原題は「Monster's Ball」-怪物たちの舞踏会。死刑執行の前に人々が踊ること。なかなか意味の深いタイトルです。邦題の「チョコレート」も。

親子3代で看守を務める家族がいる。ナイーブな息子ソニー(ヒース・レッジャー)を叱咤し続ける厳しい父ハンク(ビリー・ボブ・ソーントン)。引退して体が不自由ではあるが、露骨な人種差別をし、気持ちが弱い人間を馬鹿にする冷たく非情な祖父(ピーター・ボイル)。息子は仕事と家族の冷たさに絶えられず自殺する。それまで厳しい祖父の手前か、厳しい態度を取ってきたハンクは、その後だんだんと変わって行き、偶然知り合った黒人女性(ハル・ベリー)に、溺れるようにやさしく尽くしていく・・

死刑、人種、老人、家族と問題が多いこの作品。BGMもほとんどなく、終始緊張した雰囲気が漂います。祖父、父、息子の関係が強烈で、それぞれの男性の演技にどきどきしてしまいました。冷たい人間性の祖父(=自分の父親)にこれまで逆らえなかったと思われるハンクが、彼女に父がひどいことをしたと知ると、あっさり父を捨てる(老人ホームに追いやる)のです。
これほど変身する男をビリー・ボブが見事に演じています。もちろんハルの緊張した演技も見ものです。