孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

祝!!新総統誕生!

2016年01月20日 | 日記
昨年暮れ、ある評論家が、「1月中旬の台湾総統選挙のため、中国当局は選挙前1ヶ月は台湾への渡航を制限するようです。

これは民主的な選挙を見させないためで、一時的に台北市内からは中国人観光客がいなくなりそうです。ホテルもディスカウントするでしょうから、みなさん、台湾旅行のチャンスですよ。」

こう言っていたのをそのまま真に受けて、飛行機とホテルを予約したのだった。昨年5月に、楽しみだった故宮博物院での宝物鑑賞を、カラスの群れのような支那人観光客で台無しにされた私は、支那人のいない台北・・・と聞かされただけで、舞い上がってしまった。

15日の朝8時半、開場とほぼ同時に故宮博物院に入ったときは、確かにガラガラであったがすぐにどのフロアも観光客で埋まってきた。そして、その風貌と喧しさから、彼らのほとんどが支那人観光客であることは容易に分かった。

中国当局は完全に渡航禁止にしたわけではなかったようであった。

それはさて置き、私は故宮博物院を出た後、投票日前日の台北市内を見ようと、台北駅に戻った。



総統候補者は地方遊説中のためか、市内は予想外に静かなもので、少し拍子抜けしたが、以前学生達が占拠した立法院付近に行けばまた違った状況かもしれないと思い、再び地下鉄に乗って立法院近くの駅で降りた。小雨が降り湿度の高い午後だった。

駅を出て少し歩くと、明らかに立会演説をしている声が聞えてきた。総統選挙と同時に行われている立法委員(国会議員)の候補者の演説だった。



幟をみると、自由台湾党という野党政党の候補者のようだ。すぐ近くにはこの政党の詰め所のようなテントがある。



詰め所に近づいてテーブルに並んでいるパンフレットなどを眺めていると、中にいた関係者らしき若者が話しかけてきた。「すみません。私は日本人で、台湾語は分かりません・・・。」と英語で言うと、エッ?!と驚いたと思ったら、奥の方に行って一人の高齢の男性を連れてきた。

「日本から来たんですか?」流暢な日本語で話してきたので、「はい、台湾が好きで今回で3回目になります。明日の総統選挙に興味があって昨日着いたんです。」と言うと、「私も先週東京から来たんですよ。」東京で何か仕事をやっているようだった。

自由台湾党は台湾の独立建国を党是とする昨年立党したばかりのミニ政党のようだ。今回の立法委員選挙には6人が立候補しているという。

テーブルに並べられたステッカーや鉢巻をみると、反国民党・台湾民族独立・住民自決建国などという言葉が並んでいるので、その政策は容易に理解できた。

党のシンボルマークが印刷されたクリアファイルに、党のステッカーや候補者のパンフレットなどをポンポン入れて、どうぞ持って行ってください、と渡された。

元々、私は、「Taiwan is NOT chinese Taipei!」とか、「Taiwan is Taiwan 」というようなことが書かれたステッカーとかT-シャツはありませんか?と話しかけたので、それと似たようなものをくれたのだと思う。

お礼を言ってテントを立ち去ると、若者が追いかけてきて、「これもあげるよ。」と小さな旗を手渡してくれた。それは緑色の台湾島を中央に印刷した、中華民国ではない「台湾」の国旗であった。まさに、欲しかった国旗だったので、これは嬉しかった。

「台湾、加油(ジャーュ)!!」と若者に言うと、若者はニコニコして手を振っていた。

地下鉄に向って歩いていると、その自由台湾党らしき選挙カーの一群が通りかかったので、カメラで撮ってみた。Youtube にアップロードしたので、よかったらご覧あれ。
URL はこちら↓

https://www.youtube.com/watch?v=3icjVJjx7oA

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16日は投票日だった。そしてその夜の9時頃には結果が出ていた。

私は最終日の17日の朝、早起きしてコンビニに行き新聞を何紙か買った。それを抱えて近くのマクドナルドに入り、選挙結果を確認した。



地元紙を2紙、英字新聞を2紙買ったが、もちろん中国語は理解できない。出来ないが、漢字を眺めれば何となく意味は分かるものだ。

結果は、民進党の蔡英文氏の圧勝だった。得票数は689万票。与党国民党の朱立倫氏の得票数は381万票。台湾で最初の Madam President の誕生だった。

最も関心のあった立法委員の結果は、民進党68議席、国民党35議席。何と民進党が過半数(56%)の議席を確保した。



Taipei Times の記事が面白かった。曰く、、、。

開票結果を見て、国民党主席でもある朱立倫氏は、支援者を前に「申し訳ない。」と謝罪した。続いて、「国民党主席、総統候補者として責任を痛感しているし、私は皆さんの期待を裏切ってしまいました。私は直ちに国民党主席を辞任いたします。私は選挙結果に敬意を表し、蔡新総統と民進党には今後ここの民衆をより幸福に、明るい未来に導いてくれることを期待するものです。云々・・・」

その都度、支持者からは「辞めないで」などと涙声が叫ばれたそうだ。記事は続けて、
『しかし、中にはこんなことを呟く高齢の支持者もいた・・。』 とあった。そのs高齢の支持者曰く・・・。

「いい加減、喋るのを止めないか。負けたくせに、よくもあれだけベラベラ喋れるものだ・・・。」


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