孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

ちょっと、引いちゃいました・・・

2018年09月05日 | 社会観察
行方不明の男児を発見した78歳の老人の一報を耳にしたとき、私はこの老人が事件に絡んでいるのではないかと、直感でそう思った。

発見した男児を捜索隊に引き渡せばいいものを、それをしなかったからだ。

マスコミがチヤホヤ英雄視して、大騒ぎしていた時も、私の疑心はなかなか晴れなかった。



男児を発見したあとで、男児の祖父だったかが、家に招いた時などは老人はそれを固辞して、自分はそういう好意は絶対に受けない主義であると、テレビカメラが向けられている状況で、明言していた。

私は、それを観て、老人の慈善行為は決して見返りを求めない、そういう好意とはかけ離れた、縁のないものなのだろう、とかろうじて理解でき、広い世の中にはこういう奇人がいるんだなあ、と自分を納得させたのだった。

ただ、それでもあの快挙の後に、執拗なマスコミのインタビューにニコニコしながら受答えしたり、普段の無償の慈善行為の撮影を嫌がりもせずに、彼らのやりたいように撮影させていた点は、やはり老人の主義から距離を置いた出来事のような気がしていた。

そして、ついに老人は社会的な形での評価を笑顔で受け入れたのだった。地元の新聞記事から抜粋する。 

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大分県日出町は3日、山口県周防大島町で行方不明となった藤本理稀(よしき)ちゃんを発見した日出町民の尾畠春夫さん(78)に「功労者表彰」を贈った。尾畠さんには今後、大分県が「県功労者表彰」、以前住んでいた同県別府市が感謝状を贈る予定。

 同町役場での表彰式に、尾畠さんはTシャツに長ズボン、リュックサックというボランティア時の格好で出席。本田博文町長から「行動力や謙虚さは町民に勇気と誇りを与えた」と感謝状を手渡された後、笑顔で「受賞で必要以上に頑張ろうとせず、普段通りのボランティアを続ける」と語った。

 尾畠さんは8月15日に理稀ちゃんを発見した後、19日から約10日間、西日本豪雨の被災地、広島県呉市で土砂撤去などに当たった。今月10日から再び同市で活動するという。

=2018/09/04付 西日本新聞朝刊=

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褒められて喜ぶ

人間誰しも、褒められれば悪い気はしないものである。見返りなど求めず、本人の好きでやっていることは、他人の賞賛など縁もないことだ、と豪語したところで、衆目の中感謝状をうやうやしくもらえるなら、これは正直に戴こうか。

感謝状を与える側も、これで老人がこれまで以上でなくとも、無償の慈善活動に励んでくれるのなら、シメシメ結構なことでなのだろう。

それにしても、リスペクトする方に傾きかけた私の気持ちも、一転どん引きしちゃいましたよ、ご老人。 悪しからず・・・。