孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

早世の風刺画家、「石田徹也展」に

2018年09月09日 | 社会観察
昨日背中の方から聞こえてきたテレビのローカルニュースで、隣町の郷土博物館で焼津市出身の風刺画家の展示を開催中であることを伝えていた。

少し気になったので、振り返ってテレビを観ると、以前一度どこかで目にした事がある、飛行機の作品の展示を映していた。



その作品が一体何を意味しているのか、今も昔もよく分らなかったが、日曜日の午後ははケンタッキーフライドチキンを買いに行く予定だったので、少し足を延ばして、藤枝市郷土博物館に行くことにした。

ネットで開館時間や入館料をチェックしたら、入館料300円で、写真撮影OKとわかったので、デジカメ持参で出向いたのだった。藤枝市にある蓮花寺池公園に隣接している郷土博物館は、今回が確か二度目であったが、前回は何を見たかは記憶に無かった。

  ~翔けぬけた10年のキセキ~??

名前の通り、蓮がたくさん生息しているかなり大きな池であり、季節によっては桜や藤棚を観に多くの人が集まる地元では有名な市民の憩いの場となっている。

  蓮の華もチラホラと・・


  {夢を描いた青年」か・・・


この展示が始ってから、すでに5週間経過しているので、来場者はパラパラとしかいなかった。お陰でのんびりと観て廻れたのがよかった。

  中年の来場者が多かった

パンフレットによると、石田の作品は、「現代に生きる若者たちの苦悩や葛藤、現代社会の矛盾や不条理を、時にユーモラスに、ときに風刺的に浮き彫りに・・」しているのだそうだ。

さらに、彼の作品は、「鑑賞者に強烈なインパクトを与え、共感や波紋を巻き起こす・・」という。以下が、彼の作品の一部である。

  新生児誕生??

  燃料補給みたいな食事光景?? 

  オウム貝とオウム真理教??

入口で作品集を販売していたが、とんでもない定価の本ばかりで、私のような素人が興味本位で買えるようなものではなかった。作品を鑑賞したければ、ネット検索で誰でも
簡単に観る事ができる。

途中、廊下には入館者の感想を書いて、貼り付けることができる場所があり、シール上の小さなメモ用紙とペンが置かれていた。

  賞賛・共感の嵐がならぶ

ざっと、書き込まれた感想をみると、「面白かった」「発想がすばらしい」「すごい感性だ」「なぜか共感できる」などなど・・・。

批判的な書き込みなど一つも見当たらず、ほぼ100%の入館者は充分満足している様子が伺えた。

こういう時、私は決まってつむじ曲がりを発揮する。実際、ひとつひとつ作品をジックリ観て、彼の残した作品ノートなどを読んだのだが、少しも「面白い」と感じなかったし、彼の感性や発想がすばらしいとは思わなかった。

一言で言うと、「なんだコリャ?」という印象でしかなかったのだ。

従って、私はその通りを言葉にして、ペタリと壁に貼り付けてきたのだった。

パンフレットに書かれていた、「夢を描いた青年・・」がどういう部分を述べているのか、私にはいくら考えても理解できずに、帰路に着いたのだった。

家に着いてから、ネット検索で彼の経歴をみると、「武蔵野美術大学を卒業してから約10年後に踏切事故で他界した・・」とある。「事故」とあるが、それは自殺ではなかったか・・と推察しているサイトもいくつか見受けられた。

そう推察させ得るに足る、凡人には奇妙奇天烈な印象を植え付ける人格の持ち主ではなかっただろうか?それが、作品を観た私の偽らざる心象であった。