孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

ホッとする、商店街のある街

2017年08月15日 | 社会観察
毎週、月曜日夜のBS放送の『吉田類の酒場放浪記』は、私が唯一毎週楽しみにしているテレビ番組だ。番組は毎回、吉田類が駅前で自己紹介と場所の説明をするところから始る。

東京の下町が多くて、駅前は改装されて近代的になっていくのだが、少し歩くと昭和風の居酒屋があって、そんなところに入って、猫舌の吉田類が好き勝手に飲んだり食べたりするという、恐らく台本など存在しない妙な番組である。

吉田類が訪れる下町の駅周辺には、商店街があるところが多い。

今から20年ほど前になるだろうか、アメリカからの圧力で、いわゆる「大店法」が施行され、郊外に大型ショッピングセンターが次々に出来て、駅前の個人商店は営業を続けられなくなっていった。

吉田類の番組を見始めた頃だったと思うが、私は仕事で三重県四日市にいた事がある。当然アパートでの自炊生活になるので、商店街での買い物や、居酒屋での晩酌などを楽しみにしていたのだが、実際に移り住んでみると、その夢はぶち壊されたのだった。

四日市は旧ジャスコグループ、今のイオングループのお膝元である。

国道沿いには、大規模なイオンショッピングモールや系列のマックスバリューという大型スーパーマーケットがあり、どちらかで買い物をする意外選択肢がないといった感じだった。

それでもどこかに小規模でもいいから、地元商店街があるんじゃないかと思って捜したのだが、見当たらなかった。

『四日市市民はつべこべ言わずに、イオンで買い物すればいい』という、無言の圧力のようなものを感じさせる街の雰囲気に、新参者の私は猛烈に反抗し、多少時間がかかっても町外れにある、地元の小規模スーパーに出向いて買い物をしたものだった。

 大阪の商店街

台湾旅行に行く人は、あちこちに存在する「夜市」に出かけることだろう。屋台が並んでいて、様々なローカルフードを味わえるだけでなく、人ごみに混じって、みて歩くだけでも楽しいものだ。

アレと似た感覚が味わえるのが、日本の商店街なのだ。

安売りで人を呼び込むのではない。街全体が醸しだす雰囲気を売りとしているようだ。

  東京の商店街

勤め帰りのご婦人や近所の主婦たちが、今晩のお惣菜の入った袋をぶら下げて歩いている光景は、今では郷愁を感じさせるほどになってしまった。

大型ショッピングモールが出来た頃は、珍しさも手伝って、毎週のように出かけたものだが、安い安いに釣られて、要らない物まで買い込んでしまいがちになり、最近では私はなるべく行かないようにしている。

先週訪れた、母校のある北関東の街には、私が学生だった頃とほぼ同じ商店街「オリオン通り商店街」が活き活きと存在していた。

 オリオン通り

当時と同じアーケードの下に間口がそれほそ広くない商店が、立ち並んでいて、前よりも小奇麗になった感じがした。

学生の頃は、この商店街沿いにあった、「長崎ちゃんぽん・皿うどん」の店似よく通った。どちらも、静岡では味わえない食べ物だったので、よく食べたものだった。今回その店を捜したのだが、見つからなくて非常に残念であった。

私の地元の駅前も数年前に区画整理されて、道路は広くなり、見栄えは良くなったのだが、肝心の商店街は閑古鳥が鳴いている。

前の方が良かったと言って、時代を逆回転させようとしても、もうそれは無理な話である。