GSゲルマニウム原人の退屈な日々

見わたせば、気になることばかりなり・・

ブルースセッションでもどう?

絶滅危惧種

2006年05月01日 08時30分57秒 | ラーメンだよ!ラーメン
札幌ラーメンの衰退

今ではもうすっかり東京の札幌ラーメン屋というのが姿を消しつつあるのだけど。かつて東京でラーメンといえばいわゆる中華ソバか札幌ラーメンかってなくらい何処の町にいっても「熊ぼっこ」やら「どさん子」やらが林立していた。なんといっても味噌ラーメンに山のように乗せられたモヤシ、コーン、バターなどエネルギッシュで大陸的なおおらかさで個人的には好きだったのだけれど、これほどラーメン屋だらけの世の中で札幌ラーメンだけがレッドデータブック扱いになってきている。

'60年代初頭にもともと普通の醤油ラーメンだった北海道のラーメンに「味の三平」が味噌ラーメンを発明して札幌ラーメンブームが始まったというのが一般的な歴史なのだけれど、それに追い打ちをかけたのがその数年後にサンヨー食品から発売された「サッポロ一番味噌ラーメン」これが爆発的に売れ完全に東京でも札幌ラーメンは認知されたわけだ。このシリーズは今でも代わらず定番商品として残っているしファミリーマートなどでは「サッポロ一番味噌ラーメン味おむすび」まで先日売り出した。また、ちょうど同じ'60年代半ばに「札幌どさん子」が両国に一号店をオープンさせた、このチェーン店は万博までに300店近くをオープンさせ完全に定着させたのだ。

それなのになぜ本家札幌ラーメンは衰退してしまったのだろう。

一説には当時札幌ラーメンの麺を作っていた製麺所「○○製麺」が麺のみ成らずスープの素になるものまで店に卸す様になった。今では、ラーメンレポート番組でスープを作る大鍋を写すのは特別な秘密部分を覗いては当たり前なのだが、当時札幌ラーメンのレポートを放送する時、スープの製造過程を写さない事が多かったという話が残っている。どうやら、○○製麺所が顆粒や粉末のスープの素を店に卸していたので、それを写されると何処の店に行っても実は同じ味じゃないかという事になるから写させなかったとまことしやかに伝えられている。
しかも今でも売られているが北海道土産の○○ラーメンの生麺セットを買ってくれば店に行く必要がないという印象になる、これじゃぁ誰も食べに行かなくなってしまう。

そうでなくとも味噌ラーメンは特に味噌の香りが強いため味が平板に成ってしまい、それほどの店毎の工夫が生かされなかった、人気観光スポットのラーメン横町がほとんど観光客のみで地元の客が付かなかった、また店の接客態度にもかなり問題があった、などいろいろな原因はあったのかも知れない。

そんなちょうど飽きがきていた'70年代半ばからはカップヌードルに代表されるインスタントブームがあり、横浜の家系の登場、'80年代には九州系の豚骨ラーメンが登場し完全に多様化が完成してしまったわけだ。
そのとき本当に工夫をして頑張っている様な札幌ラーメン店はほとんど東京にはなかったので、ドンドン消えていってしまったのだろう。

北海道ラーメンでも工夫を凝らした新しい勢力は東京にかなり進出してきている、でも、たまに無性にあの極太の高加水麺、味噌の香り、中華鍋で大量に炒めたモヤシの熱々ラーメン「札幌ラーメン」が食べたくなる事がある。

で、さっそく食べに行っちゃいました。ちょっと、モヤシ少なめだけど。
コメント (8)
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