哲ノート

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雨夜の裏田圃 -日本講談協会八月定席-

2020-08-30 23:28:53 | 落語・浪曲・講談・演劇・芸能
八月の講談はいつもの上野広小路亭から「定席」を楽しみます。

八月定席2日目は人気の講釈師もそろっちゃって、予想通りの満員札止め(コロナ対策で入場制限)あとからの入場をお断りするくらいの、こんな状況下での盛況です。

開口一番は「真田幸村 大坂出陣」(たしか先月も)「笹野権三郎 海賊退治」「安政三組盃 太蔵お染の出会い」「お富与三郎 仕置き」「鼓が滝」「延命院 日東序開き」「五平菩薩」(松鯉先生)

中入り後「水戸黄門記 長谷川五太夫」(阿久鯉先生)ときて、トリは鯉栄先生で「雨夜の裏田圃」

 

啖呵をきるなら“天下一品”の鯉栄先生の「村井長庵 雨夜の裏田圃」は会場一体となって聴きごたえ抜群の講釈となりました。

大悪人 村井長庵の続き物の中でも有名な「雨夜の裏田圃」

小気味よく(わかりやすく)ドスの効いた村井長安と三次のやりとり、裏田圃までの坦々とした情景、短刀を脇腹に突き刺した,その瞬間の寒々とした情景

もう知っている講釈だからこそ、そういった周囲の状況や村井長庵の腹心を思いながら、キリっとした鯉栄先生の講釈を堪能しました。

亭内の観客もやはりこれを期待していたのでしょう、亭内が息もつかぬほどの緊張感がこの講釈をさらに劇的なものにしていきます。

怪談ものでもあり、人情ものでもあり、悪人列伝でもあり、定席をピリっと引き締めてのみごとな講釈に身を引き締める想いで講談を堪能した一日になりました。

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