昨晩、「映像の世紀バタフライエフェクト 奇妙な果実 怒りと悲しみのバトン」
ビリーホリディ「奇妙な果実」 アメリカで根強く続く人種差別・黒人人種差別の悲しみと怒りを歌い上げる名曲として有名である。
この曲名である「奇妙な果実」というものがなんであるか、なんのたとえでであるかを知らずに、いままでこの曲に接していました。
この番組ではこの曲が生まれたころの時代背景・思想からプロローグとして始まり、アメリカ、特に南部の黒人人種差別の実態まで踏み込んだ内容になっています。
そして頻繁に起こっていた黒人リンチ殺人事件、そしてその凄惨な現場、そのなかに木から吊り下げられた黒人の焼死体の写真も・・・(息を吞むくらい、絶句です)
こんな凄惨な写真が「奇妙な果実」の詩を生み出し、ビリーホリディが感情を殺し歌い上げる、
怒りでもなく悲しみでもなく、人の心に深く重く訴えかけるような沈痛な歌声で、そこには自分自身も含めての強い強い信念が奥底に流れているかのようでした。
「奇妙な果実」がこんな凄惨で見せしめとなった黒人死体を意味していたとは・・・この歌の意味することが今の時代でもまだまだ人々の奥底に存在しているのかもしれません。
(単一民族国家の日本・日本人には想像も考えもまったく及ばない大きな社会背景・問題なんでしょう)
番組ではこの歌の生まれた背景から、その後の公民権運動、今でも続く人種差別の実態を取り上げ、そしてビリーホリディの歩んだ道を取り上げていました。
「奇妙な果実」という作品が訴えかけるもの、そしてその時代背景を垣間見る事ができた自分の心に重く残った貴重な番組になりました。
Southern trees bear a strange fruit (南の木々は奇妙な果実を結ぶ)
Blood on the leaves and blood at the root (葉には血が、根には血が付いている)
Black bodies swinging in the southern breeze (南風に揺れる黒いからだ)
Strange fruit hanging from the poplar trees (ポプラの木からぶら下がっている奇妙な果実)