牧師雑感

聖書のことばを中心に毎日の出来事を書いています。

左脳内出血 (ケニヤ宣教中)

2005-06-29 07:52:50 | Weblog
1999年のこと。

それは突然やって来た。今まで一度も、頭が痛くなったことも、腹痛に襲われたこともない。肩こりすらも経験がないほどに健康体だった。

58歳を少し過ぎた11月上旬のことだった。
東京のホテルで夜着に着替えたときだった。

突然、右手が痺れて、身体中から力が抜けていくようだった。急いで電話をしようとしたが、右手の指がとんでもないボタンを押してしまう。
やっとのことでフロントとつながり、救急車が到着し、近くの病院に運ばれた。
深夜遅いので明日ということで、点滴を受けながら明け方を待った。

急を聞いて奈良から駆けつけた家内と息子を待ち、MRIの検査を受け、やっと脳内出血とのことで、脳内外科のある王子病院に救急車で運ばれた。
集中治療室に入れられ面会謝絶、5日間の治療が始まった。そこに身動きのできなくなっている自分を発見した。

昨日まで力強く語っていた自分とは違う自分。声も出ず身体も動かせない全く違う世界にいる自分を発見し、大声で泣き叫びたかったが声も出ない。
東京での「元気が出る聖会」も軌道に乗り、すべての働きがさらに祝福されようとしていた矢先であった。

口惜しい。悲しい。
集中治療室のベッドの上で、心は乱れていった。
生涯健康で長寿を信じていた。
いつも健康を誇っていた。
なおさら自分が情けなかった。
健康は当然だ、当たり前だと信じていた。語っていた。

しかし突然、予告もなしに、冷酷にやってきた。
天国に生けることは確信していても、こんなに早く召されるのか。
まだすることがいっぱいあるのに。
取り留めのない自問自答が延々と続く・・・。

あなたがたのあった試練はみな人の知らないようなものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。(Ⅰコリント10:13)