普段、あまり政治ニュースに無関心の家内が、「赤城大臣が辞表を出したよ」と
正午のテレビニュースを教えにきた。
今日彼女は急用ができて、オレより一足先の昼飯だったのである。
ボクが茶の間に駆けつけた時は、関連ニュースは放映していたが、肝腎の最初の字幕から見ることができなかった。
選挙が終わった時点で、辞表を出すだろう、あるいは更迭か?と思っていた矢先である。連日の「ばんそうこう」問題で赤城大臣の顔が放映されるたび、ベソをかいているように見える貧相くさい姿は、祖父宗徳氏を知っているだけに、むしろ気の毒であり、哀れであった。
早速"アサヒコム〟を開いたら"更迭”という文字が浮き上がっていた。
『最後もお騒がせ大臣、官邸ちぐはぐ 赤城農水相更迭』
赤城農水相が1日午前辞職した。「事務所費」「ばんそうこう」「領収書コピー」と、疑惑が持ち上がるたびに詳しい説明を避けて有権者をあきれさせ、参院選での自民惨敗の一因とみられてきた。「どうせなら、投票日前に辞めておけば……」。遅きに失した「更迭」に、安倍内閣の危機管理力が改めて問われそうだ。
「本人も参院選の責任をずっと感じていた。昨晩には辞任を決めていたようだった」。赤城氏の事務所関係者はそう明かした。
その赤城氏は、辞任後、首相官邸で記者にもみくちゃにされ、質問が飛び交う中で、淡々とした表情で立ち止まり質問に答えた。
今回の参院選で自民党が歴史的な惨敗を喫したことについて「敗北の一因となったのは紛れもない事実。大変、申し訳なく思っております。けじめをつけたい」。詳細な説明を拒んできた事務所費問題が、大敗の大きな要素となったことをはっきりとした口調であっさりと認めた。
また、事務所費問題が浮上してから出処進退を問われ続けてきたが、赤城氏は「いろいろなことを考えてまいりました」としたうえで、「選挙戦で多くの同志が無念の涙をのんだ。さまざまな思いの中で、この際、私は職を辞する中でけじめをつけさせていただきたい」と語った。
「更迭ですか」。記者からの質問について、一瞬の間をおき、「私から職を辞したいとお願いした。総理からも『分かりました』ということでした」と赤らんだ目で一点を見つめ、自らの判断だったことを強調した。(略)
知るべし、『松寿千年 終に是朽つ 槿花1日 自らの栄をなす』放言五首(其の五)を。
泰山不要欺毫末 泰山は毫末を欺くを要せず
顔子無心羨老彭 顔子は老彭を羨む心なし
松寿千年終是朽 松寿千年終に此れ朽つ
槿花一日自為栄 槿花一日自ら栄を為す
何須恋世常憂死 何ぞ須ゐん世を恋ひて常に死を憂ふるを
亦莫嫌身漫厭生 亦身を嫌ひ漫りに生を厭う莫かれ
生死去来都是幻 生死去来都べて此れ幻
幻人哀楽繫何情 幻人の哀楽 何の情にか繫けん
漢詩名句辞典 鎌田正 米山寅太郎 大修館書店