極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

最新無隔膜電解工学Ⅱ

2018年01月11日 | ネオコンバーテック

  

        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  水をたたえる: 弟子の徐子が孟子にたずねた。「孔子は、折りにふれて、
          『おお、水よ、水よ』と言ってこれを称賛してやまなかった。いったい、
          水の性質のどこを称賛したのでしょうか」「泉から滾々(こんこん)と
     湧き出す水は、昼も夜もけっして絶えることがない。そして、低地をひ
     たしては流れつづけ、ついには海に注ぐ。源のあるものは、すべてこの
     水のようなもの。孔子が称賛したのはこの点なのだ。水源がなければ、
     六、七月の雨期のあいだ、いくら集中的に降って、水路という水路をあ
     ふれんばかりにしても、雨がやめばまたたくまに干上がってしまう。実
     の伴わない名声は、この水源のない水と同様だ。だから君子は、このよ
     うな名声を受けることを恥とするのだ。」

   ※ 私 淑: 良きにつけ悪しきにつけ、伝統の感化力というものは五代も
     たてばおのずと消滅するのが通例だ。わたしは残念ながら、孔子に直接
     教えを受ることはできなかった。しかしわたしは、孔子の学問を受け継
     いだ人々を通じて、自分なりに向上しようと努めている。

   〈孔子の学問今・・・・・・・努めている〉この部分の原文は「私淑」。「私淑する」
   といえば、今日でも、直接には教えを受けられないが、自分なりに模範とし
   て仰ぐ意味に使われている。

      No.128

【水素エネルギー篇:最新無隔膜海水電解技術】

● 高性能電池開発事情:最新金属空気電池技術事例

昨夜の「特開2017-142884 アルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池」に引き続き、金属
空気電池の技術事例に参考にする。

❏ 特開2017-142884 アルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池   

【概要】

アルミニウム金属を活物質として含有する負極を用いた金属空気電池では、自己放電反応によるアル
ミニウム金属の減少や、放電により生成する水酸化アルミニウムが負極表面に蓄積すること等に起因
して、アルミニウム反応率が低下するという問題がある。この実情をふまえ、本件はアルミニウム反
応率が向上した金属空気電池の提供にあたり、自己放電や、放電により生成する水酸化アルミニウム
の負極表面への蓄積を抑制し、アルミニウム反応率が向上――空気極と、負極と、空気極と負極の間
に配置する電解液層と、電解液が循環する循環路とを備え、この循環路は電解液層及び電解液の収容
部を備え、負極に用いられる活物質は純度が99.5%の平板状のアルミニウム金属で、電解液層は
前記電解液で満たされ、前記電解液は1.0mol/Lの水酸化ナトリウム溶液であり、外部環境温度が
25℃、放電電流が400mAの条件で放電した場合に、電解液が0cm/sを超えて13.3cm
/s未満の流速で電解液層を流れることを特徴とすることで自己放電や、放電により生成する水酸化
アルミニウムの負極表面への蓄積を抑制―――することを提供する。【選択図】図5



● 水電解要の炭素触媒に注目!

❏ 特開2017-210638 水電解用炭素触媒及びその製造方法、及び該炭素触媒を用いた
                     水電解用触媒インキ並びに水電解装置
   

【概要】

水素製造方法の一つに水電解。とりわけ、再生可能エネルギー由来電力は、二酸化炭素の排出を伴な
わず注目され、水電解の方法としては、一般に、アルカリ水電解と固体高分子水電解――アルカリ水
電解ではアルカリ水溶液を電解質とし、固体高分子水電解ではイオン交換膜を電解質――があり。固
体高分子水電解は、アルカリ水電解と比べて電流密度を上げられ、高い効率が得られるという特長が
あり、固体高分子水電解装置構成は、固体高分子電解質膜の両側に触媒層を設け、さらにその外側に
給電体と通電板の構成が代表的である。イオン交換膜は、主として、デュポン社製Nafionなどのスル
ホ基を有するフッ素系高分子が用いまた、触媒層は電極反応の反応場となる部分であり、一般に、電
極用の触媒と固体高分子電解質との複合体からなる。

このような電極用触媒には、従来、白金やイリジウムなどの貴金属微粒子、カーボンブラックなどの
炭素担体上に貴金属微粒子を担持したもの、電解質膜表面にメッキやスパッタなどの方法で形成され
た貴金属の薄膜などが用いられているが、白金などの貴金属は、高い触媒活性(プロトン還元活性)
とその活性安定性を示すが、非常に高価であり、資源的にも限られ、コスト高要因となっている。

この課題解決に、大環状化合物をカーボンブラックなどの電子伝導性炭素担体表面に担持し、炭化さ
せた炭素触媒、大環状化合物を含まない有機高分子材料を炭化させた炭素触媒などあるが、電池性能
は、比表面積の大きさや電子伝導性が重要であるのに対し、これらの有機高分子材料を原料とした炭
素触媒は、電子伝導性が低く、比表面積が小さいといった問題があり、充分な触媒活性を有する触媒
ではない。コスト、資源量などから使用量低減が求められる貴金属触媒の代替として、高電子伝導性
及び比表面積の大きい炭素担体を含む安価な水電解用炭素触媒や炭素触媒を用いた水電解用触媒イン
キと水電解装置を下図のように提案されている。その特徴は、窒素を含有し、X線光電子分光法(X
PS)により測定した、触媒表面の全元素に対する窒素原子のモル比をNとし、触媒表面の全窒素量
に対する、XPSのN1sスペクトルのピーク分離により求めたN型窒素原子量の割合とN2型窒
素原子量の割合の合計(%)を(N1+N2)としたときの、表面末端窒素量{N×(N+N)}が
1.0~13.0であることを特徴とする水電解用炭素触媒よりて解決するものである(詳細は下図ク
リック参照)。

 Nov. 30, 2017

ここで、電極触媒だけでなく、蓄電池/電極/正極活物質粒子の重量あたりの容量を高め、高いエネ
ルギー密度を実現し電池反応の安定化を図る――例えば、二次電池の正極の活物質として、リチウム
と、マンガンなどの元素と酸素で構成されるリチウムマンガン複合酸化物を用い、還元された酸化グ
ラフェンで被覆することでこの活物質と、酸化グラフェンと、導電助剤と、バインダーで構成する活
物質層を形成し、活物質層を、アルコールに浸した後、加熱処理をすることで、酸化グラフェンが還
元された電極を作製するという「特開2017-045726  電極、及びその製造方法、蓄電池、並びに電子
機器
」株式会社半導体エネルギー研究所)のようにグラフェンを使ったエネルギー分野だけでなく半
導体、カラー表示装置分野などの電子器機材料のイノベーションが急速に進展してきており、高エネ
ルギー密度、急速充電、安全でコンパクト(高・軽・薄・小・安)な全固体型蓄電池の実用化が目前
に迫っており、「グラフェン工学時」(言い換えれば「ネオコンバーテック時代」)であることを
強調しておきたい。

● 水素モータ技術とは

ここで、海水電解方式での製造された水素/酸素は、蓄電池あるいはガス/蒸気タービン、燃料電池
だけでなく、水素モータ(あるいは水素/酸素ガス混合モーラ)つまり内燃機関(エンジン)発電技
術も触れておく。水素ガス直燃はエネルギー効率が高いが、騒音や窒素酸化物の排出などの対策をセ
ットしクリアーしなければないらない。例えば、「特開2017-122424  排気浄化装置」(株式会社デ
ンソー
) 「特表2017-538573  排気システム用の一酸化二窒素除去触媒 ビーエーエスエフ コーポレ
ーション)を参考に掲載しておく。

 ❏ 特開2010-106798 動力発生装置  

【概要】

動力発生装置は、下図のように、電力供給装置と、所定量の水を保持する貯水装置と、電力供給装置
から供給される電力により、貯水装置から供給される水を加熱して水蒸気にする加熱装置と、加熱装
置で発生した水蒸気を電気分解して水素と酸素を生成する水蒸気電解装置と、水蒸気電解装置で生成
された水素を貯留する水素タンクと、水蒸気電解装置で生成された酸素を貯留する酸素タンクと水素
タンクから供給される水素と前記酸素タンクから供給される酸素とを反応させて動力を発生させる水
素-酸素エンジンと、水素-酸素エンジンで生成された水蒸気を水蒸気電解装置に排出する水蒸気排
出通路と、水蒸気排出通路に配置され、水蒸気から排熱を回収して動力を発生させる排熱回収装置と、
の構成が特徴である。

水蒸気を水素と酸素に分解する水蒸気電解装置と、水素と酸素を燃料とする水素-酸素エンジンと
を搭載しているので、特殊な燃料や燃料電池のような複雑な装置を必要とせず、二酸化炭素や窒素酸
化物が排出されないクリーンでより安定した作動が可能な動力発生装置を提供できる。また、動力発
生装置は、排熱回収装置を備えているので、水素-酸素エンジンで発生した高温の水蒸気からさらに
動力を回収することができ、一層高効率な動力発生装置を提供される。
エネルギー効率が高く、クリ
ーンな動力発生装置をが提供できる。

動力発生装置1は、電力供給装置12と、所定量の水を保持する貯水装置13と、貯水装置13から
供給される水を加熱して水蒸気にする加熱装置14と、加熱装置14で発生した水蒸気を電気分解し
て水素と酸素を生成する水蒸気電解装置5と、水蒸気電解装置5で生成された水素を貯留する水素タ
ンク16と、水蒸気電解装置5で生成された酸素を貯留する酸素タンク17と、水素タンク16から
供給される水素と酸素タンク17から供給される酸素とを反応させて動力を発生させる水素-酸素エ
ンジン8と、水素-酸素エンジン8で生成された水蒸気を水蒸気電解装置5に排出する排出マニホー
ルドP6と、排出マニホールドP6に配置され、水蒸気から排熱を回収して動力を発生させる排熱回
収装置2と、を有する。【選択図】図1(詳細は下図クリック参照)。



【ソーラーフロート型海水電解水素製造システム】

● 再生可能エネルギーの低コスト水素生産型無隔膜電解槽

電気分解装置は、電気を使って水を酸素と水素に「分割」する。これは、クリーンエネルギーの将来
における主要なエネルギーキャリアとして役立つ貯蔵可能な化学燃料である。工業規模の水電解は、

在の電気価格では一般的に経済的でないが、このパラダイムは、再生可能エネルギーは将来的に電力
価格が非常に安くなり低くなる。太陽光や風力により過剰電力が発生した場合、部分的に無料利用で
きる。このシナリオでは、水電解の経済性は、電解槽の資本コスト支配され、電解槽の資本コストは
現在価格より大幅減額させる必要がある。この目的のためにこのレポートは、無隔膜電解槽の課題と
機会について開設する。これらのデバイスがうまく最適化され、スケールアップされれば、再生可能
エネルギーの水素製造費の破壊的低コスト化技術となるだろう。

水素は、貯蔵可能でエネルギー密度の高い燃料であり、幅広い産業および民生用アプリケーションに
有用となる1。 同様に重要なことに、太陽光発電(PV)などの再生可能な技術で発電される水電解由
来水素は、非常に低カーボンフットプリントとなる。しかしながら、水蒸気メタン改質(SMR)由来
水素より遙か衣に高価である。現在のところ、SMRより厄介な水電解の最大コストは、電解工程での
支出(opex)に依存する。2 米国の平均工業用電気代で電解水素製造の必要電力は、SMR(約1.59 $ [
kg H2] -1)でH24を製造するコストを大きく上回る。電解槽効率が100%でもこれは図1Aに示されいる
とおり、電力と電解装置の効率関数として電力運用を示す。カーボン価格がない場合、図1A(水電解
の経済学)
は、水電解米国の現在の天然ガス価格でSMRと競合する可能性がある場合、平均電力価格が
2~3kWh-1未満でなければならないことを示している。


幸いにも、太陽光発電と風力によって発電される電力のコストは引き続き減少し、これらの再生可能
資源からの非常に低コストの電力(≦3kWh-1)が遍在するまでには時間の問題である。再生可能な太
陽光および/または風の非常に高い市場浸透し、電力料金が無料になっている。 すでに、世界中の多
くの場所で、発電量と需要の不均衡のために、太陽光や風力発電所の発電電力が削減されている5
このようなシナリオは、水電解による水素製造の巨大な経済的機会を創出する。しかし、重要な注意
点がある。この低コストまたは無料電力は、太陽光発電の電力生産が最大になる日のごく部分的利用
でしかない。結果として、この再生可能なエネルギーの将来的に作動する電解槽は、容量係数(CF
が低く、寿命の間にはるかに少ないH2を生成する可能性が高い。

図1Bに示すように、電解槽の寿命を10年間一定とすると、今日の商用高分子電解質膜(PEM)電解槽
システム(1,000-1,500 $ kW-16の資本コストに基づく設備投資(設備投資)は、電解槽は風力発電
機と太陽光発電機のCFに似たCF(約20~40%)を持つ。電力フリーの限界では、図1Bの電解槽設備曲
線は、H2の価格の下限を設定し、安価な電気および低CFを特徴とする将来の電解槽資本コストの重要
性を強調する。この観察は、光電気化学セルおよびPEM電解槽を異なる構成で使用してH2を製造する
コストを分析した最近のテクノ経済分析と一致する。この研究では、グリッド接続されたPEM電解槽(
7%kWh-1で97%CF)を6.1kg-1とするH2の生産コストを推定し、同じ電解槽を太陽光発電プラント(CF
= 20.4%)は12.1 $ kg-1.3Shaner3の分析と 図1Bの曲線は重要なメッセージを示す。破壊的な電
解槽技術は、再生可能な太陽光または風力で駆動する水電解がSMRと競合水準まで資本コストを下げ
る開発を前提とする。電解槽のコストを削減する機会を理解するために、商業的に利用可能な電解槽
のタイプを簡単に見直すことは有益である。

現在、PEM電解槽とアルカリ電解槽の2つの低温電解槽技術が市場を支配する。7 市販のPEM電解槽は、
ナフィオン(Nafion)のようなプロトン伝導性固体ポリマー電解質を多孔質電極層の間に挟む「ゼロ
ギャップ」膜電極アセンブリ(MEA)設計に基づいている(図2A)。このアーキテクチャにより、高
い動作電流密度(0.6-2 A cm-2)が可能となり、純水から高純度H2が生成される。8.9.10


図2 低温電解装置技術の簡略側面図

従来のアルカリ電解槽は、液体25-35重量%KOH電解質中の0.1-0.4 A cm-2の水を分離し、ダイヤフラ
ムとして知られている微孔性仕切りを用いて2つの電極を分離した(図5B)。8 
両方のタイプの電
解槽において、膜とダイヤフラムは、電極間でのイオンの輸送を可能にすると同時に、爆発性混合物
を形成する可能性のあるH2およびO2生成物種を物理的に分離する重要な作業を行う。
PEM電解槽運転
における重要な役割にもかかわらず、膜は、かなり複雑なMEA構造の必要性、膜の汚れまたは不純
物の存在下での分解による装置の故障の危険性を含む欠点をもたらす。

膜の耐久性の問題は、装置の寿命および/または維持コストに直接影響を及ぼす他に、電解槽システ
ム内で使用される水の純度および材料に厳しい要件を課すことにより、電解槽システムの資本コスト
に影響を及ぼす。
この懸念の一部に起因して、いくつかのPEM電解槽部品は、典型的には耐腐食性で
あるが高価なチタンで作られる。
アルカリ電解槽に使用されるダイヤフラムは、高分子電解質膜より
も高価ではなく、PEM電解槽よりも簡単な装置構造で使用されるが、不純物による妨害を受けやすく
、これらの仕切りおよびバブル - 電極間に充填された液体ギャップは、典型的には、動作電流密度
を0.4Acm-2.11 
従来のPEMおよびアルカリ電解槽に代わるものとして、O2-およびH2-発生電極の間に
膜またはダイヤフラム仕切りが配置されていない電解槽構造の開発への関心が高まっている。これら
のいわゆる膜を持たない電解槽は、一般に、強制的な流体の流れ(移流)および/または浮力を利用
し、O 2およびH 2生成物を分離して対向電極に渡すことができる生成物の流れまたは浮力に起因する
分離に依存する。無電解電解槽は、使用される電極のタイプに基づいて分類することができる。

タイプⅠの装置(図2C)は、水性電解質が電極表面に平行に流れ、H2およびO2生成物を別々の下流流

出流路に運ぶフローバイ電極に基づいている。これらの装置は、層流燃料電池およびそれを前提とし
たフロ
ー電池と同様の構造を有している。それらの動作の基礎となる流体力学は、気泡の存在により
異なることが
ある。具体的には、過飽和条件下で操作されるⅠ型デバイスは、Segre-Silberberg 効果を
利用でき、流体速度勾配は、電極表面の発生気泡の集中に役立つ。流通
電極の代わりのⅡ型電解槽は、
流れる電解液が多孔質電極を通過するメッシュ形電極を使用(図2Dの挿入図)。図2Dは、新電解質が
加圧され外部室から電極間隙に流入間に、2つの円形金属メッシュ電極が対面配置構成を示す。
新鮮
な電解液が電極間隙に押し込まれると、生成H2とO2を別々の流出経路に流し発散する。 生成H2 純度
が99.83%および4Acm-2に近くの電流密度を達成。14. 
最近は、デバイス本体の一部の絶縁バッフル
により分離された斜めのメッシュ貫通形電極のⅡ型が実証さ
れた。3次元プリントで一体型にした簡
素な装置を実現、さらに、高速ビデオ解析によりクロスオーバー現象と不均一な電流密度の「その場
観察撮影」を実施する。

● 無隔膜電解電解槽

隔膜電解電解槽は、従来装置に比べ、いくつかの潜在的利点がある。第1に、膜を除去することで、
装置の複雑さ、材料コスト、アセンブリコストを低減することで、資本コスト削減機会が生まれる。
上記で言及した無隔膜電解槽のいくつかは、わずか3つの必須構成、すなわちアノード、カソード、
および装置本体から作製される。膜およびアノード/カソード触媒だけでなく、ガス拡散層、バイポ
ーラプレート、ガスケット、イオノマー、電流コレクタなどを含む単一のPEMセルとは対照的であ
る。典型的なPEMスタック中で最もコストがかかる部材を表1にリストアップする。一般に、より
少ない数の部品/より少ない種類の部品をもつデバイスは、組立て工程数の削減により低い製造コ
ストを実現する。構造材料の融通性が高い、単純なデバイス設計は、代替製造技術の使用機会を創
出する可能性、例えば、付加製造(AM)は、膜のない電解槽の迅速な試作および製造のための興
味深い機会を提供する。商用デバイスの低コスト製造にAMを使用する可能性は、関心のある特定
のデバイス設計およびAM技術のさらなる進歩に大きく貢献するだ
ろう。

膜のない電解槽の第2の利点は、長い作動寿命、不純物に対する高い耐性、および膜に害を与える極
端な動作条件に対するより大きな弾力性/耐久性をもつる装置である。隔膜を基材とする電解槽の主
な関心事は、供給水流より進入またはシステム自体内の構成要素から溶出するカチオン不純物に暴露
された場合、膜抵抗を増大することである16
。例えば、ステンレス鋼部品は、膜または電極触媒に悪
影響を及ぼす可能性があるFe3 +などの不純物が滲入しやすい16 。無隔膜電解槽は、水道水で動作す
る不純物耐性器機能であり、浄水ユニットのコストを削減し、低コスト材料をシステム構成要素に配
置する。

無隔膜電解槽の第3の利点は、電解質が十分に導電性である限り、多種多様な水性電解質で動作する
能力。この多様性は、電極間の液体電解質ギャップを直行するイオン移動が、電解質のpH及びイオン
種に対し柔軟なことである。PEM電解槽のイオン選択膜は、特定装置で使用可能な電解質の種類を大
きく制約されるが、無隔膜電解槽は、酸性、アルカリ性、中性溶液でその融通性が実証されている。
13,15,17

                                      この項つづく

 ● 世界最大の太陽熱発電

 

  

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