万章篇(ぱんしよう)篇 / 孟子
※ 誰の客になるかを見よ:万章が孟子にたずねた。「孔子は衛では灉
痘(ようそ)の客となり、斉では宦官の瘠環(せきかん)の客とな
った。こんなことを言う者がありますが、ほんとうでしょうか」
孟子は言下に否定した。
「いや、それは事実に反する。ためにする者の作り話だ。孔子が衛
で身を寄せたのは、賢者として知られる顔讎由(がんしゅう)のと
ころだ。その折、こんなことがあった。ゴマスリひとって衛君の側
近におさまった弥予瑕(びしか)、これと子路とは妻君同士が姉妹
だ。そこで弥予瑕が子路に、孔子が自分の客になれば大臣にしてや
ることもできる、と言った。
子路はさっそく孔子に伝えた。すると孔子はただひとこと、『天命
に従うのみ』と答えた。孔子は、出処進退いずれに際しても、礼と
義を踏みはずすことはなかった。官位を得るか得ないか、それを決
めるのは天命だけだ、と答えたのも、灉疸とか瘠環の客になれば、
礼義も天命もともにないがしろにすることになるからだ。
孔子は魯でも衛でも歓迎されなかった。宋では軍事長官桓魋(かん
たい)の待ち伏せにあい、あやうく殺されるところだった。このと
きは、庶民の姿に身をやつして辛うじて危機を脱したものだ。しか
し、そんな災難にあいながらも、陳に入れば、陳候周の家臣で、や
はり賢者の司城貞子(しじょうていし)のところに身を寄せた。国
内の人物を判断するには誰を客にするかを見よ、外来の人物を判断
するには誰の客になるかを見よ、とはむかしからいわれることだ。
もし、孔子が灉痘とか瘠環の客になるようなら、孔子の孔子たるゆ
えんがなくなってしまう。そんなばかなことがあるわけはない」
〈灉疸〉 灉も疸も腫物のこと。したがって腫物を洽す医者、外科
医というほどの意である。趙岐、朱子は、雲公の寵臣と
注しているが、諸説あってはっきりしない。
〈瘠環〉 瘠が姓、環が名。
〈衛君 弥子瑕〉 衛君は衛の霊公のこと。弥子瑕はその寵臣。
〈予防〉 孔子より七歳年少で、弟子の中の長老。
【サーモタイル事業篇:高出力フレキシブル熱電モジュール】
1月23日、産総研らの研究グループは、湾曲熱源に適用可能な、温度差70 ℃で87mW/cm2の高出
力フレキシブル熱電モジュールを開発。ビスマス・テルル材の発電性能を従来比1.5倍に高め、その
大量生産が可能な製造プロセスを確立、曲面などさまざまな場所への設置を容易にし、廃熱(未利用熱)
を活用した発電の用途拡大に道を拓く。
熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電モジュールを用いて、身の回りの廃熱(未利用熱)を活
用する発電が期待されているが、セラミックス基板に熱電材料を実装した従来の平面型熱電モジュール
は、基板が固くて曲がらないため、排熱源の多くを占める配管などの熱が効率よく伝わらず、モジュー
ルの熱回収効率が低いという課題があった。そこで三者は、曲面にも設置できるよう、フレキシブル基
板と、以前から電子冷却用の素子として広く利用されている熱電材料であるビスマス・テルル材を用い、
平面型に比べ熱回収効率に優れたフレキシブル熱電モジュールの開発を進めてきている。
今回、ビスマス・テルル材に遷移金属をドーピングした熱電素子を用いて、発電性能を従来の1.5倍
に向上させ、この熱電材料を極薄のフレキシブル基板に実装したフレキシブル熱電モジュールは、湾曲
した熱源に対し、温度差70 ℃で発電出力87mW/cm2と高い発電性能を示した。さらに、その材料を
以前よりも安価に大量生産できるビスマス・テルルのインゴット製造プロセスを確立した。これにより、
工場プラントの温水・ガス配管など曲面状の熱源を利用でき、廃熱を活用した発電の拡大が期待される。
近い将来、IoTが普及する際には、無線センサーがさまざまな場所に配置されると想定されており、そ
の電源として、身の回りの廃熱(未利用熱)を活用することが考えられている。熱電モジュールは、熱
エネルギーを電気エネルギーに変換できる熱電素子を複数、電気的に直列接続したもので、廃熱を電力
に変換できる。そのため、熱電モジュールは、無線センサーなどの電源や省エネ用自立電源として期待
され、さまざまな実証研究が進められている。
一方、未利用熱のうち300 ℃以下の低温域の未利用熱は膨大で、産業分野だけでも日本の年間総発電量
を上回ると言われ、その利用が求められている。例えば、温水・ガス配管などの曲面の未利用熱を熱電
変換できれば、工場プラントなどの配管の温度や圧力などを測定するセンサーの電源とできるため維持・
管理が容易となる。また、大量の廃熱から電力を回収できれば省エネにも貢献できる。しかし、従来の
平面型熱電モジュールは、セラミック基板が固くて曲がらないため、未利用熱源の多くを占める配管な
どの熱が効率よくモジュールに伝わらないことから、モジュールの熱回収効率が悪く、モジュールも高
コストという課題があった。
今回、熱電材料であるn型ビスマス・テルル材に遷移金属をドーピングすると、ゼーベック係数が増大す
ることを見いだした。これにより、熱電材料の発電量の指標となる出力因子が従来の1.5倍に向上した。
このn型ビスマス・テルル材と、p型ビスマス・テルル材のインゴットをウエハー形状にスライスし、そ
の上に電極を形成して、切断加工により、ビスマス・テルル材のチップを作製した。これらのチップをフ
レキシブル基板上に高密度に実装し、260対のpn素子からなるフレキシブル熱電モジュールを開発(上図
1参照)。さらに、緻密で均質な焼結体を量産加工できる熱間等方加圧法を用いて、遷移金属をドーピ
ングしたn型ビスマス・テルル材のインゴットを大量生産できる技術を確立した。この熱電モジュールの
外径寸法は、フレキシブル基板まで含め、約64 mm×64 mm×1 mm 重量は約9 gであった。配管などに装
着する際には、防水絶縁シートなどで熱電モジュールを封止して使用する。
産総研で開発したフレキシブル熱電モジュール評価装置(下図2(a)左)を用いて、真空中で低温側温度
30 ℃とし、高温側を100 ℃まで加熱して、最大70 ℃の温度差での発電性能を測定した。温度差
が70 ℃のときの開放起電力は約5.3V、内部直流抵抗は2.7Ω、最大発電出力は87mW/cm2 とな
った(図2(a))。さらに、曲げ半径50mmで、1000回の曲げ試験を繰り返しても、発電出力の変化は1
%以下と劣化がなく、安定な発電性能を示すことが実証できた(図2(b))。これにより、工場プラント
の温水・ガス配管などの曲面状熱源(廃熱)を活用した発電などの用途拡大が期待される。
❏ 関連特許:特開2016-207995 熱電変換モジュールとその製造方法、ならびに熱電発
電システムとその製造方法
【概要】
現代の産業社会においては、特に工場、発電所、製鉄所、自動車や、ビル、照明、船舶などを中心に、
全一次エネルギー供給量の60%以上の膨大な廃熱が地球環境に排出されており、その75%以上が
250℃以下の排水や排気と推定されている。熱電発電は、これらの無駄に捨てられる熱から電気を起
こすゆえに、地球環境の保護に極めて有用である。これらの廃熱は一般的に円筒状の排気パイプや排水
パイプ等の排熱パイプを通じて輸送されるため、これらの廃熱を熱電発電の熱源として簡便に効率よく
利用するためには、熱電変換モジュールは排熱パイプの湾曲した外表面に密着させることができるフレ
キシブルなものである必要がある。また利用する熱源の温度が低くかつ温度差が小さい故に効率が低い
ために、発電モジュールとして機能するためには内部抵抗の小さいことが必須である。したがって低抵
抗な多数の熱電素子ができるだけ小さな面積に実装され、かつ量産性の良い低コストのモジュールであ
る必要がある。さらに熱電素子にできるだけ温度差を与えるために、実装基板等の熱抵抗、パイプへの
装着の際の接触熱抵抗が小さいことが必要である。従来開示されているフレキシブルな熱電変換モジュ
ールとして特許第5228160号公報が知られている。
本件は下図のように、固定された固い冷却管を用いるこの従来の方法では、熱電変換モジュール外面の
排熱パイプの中心軸からの距離のばらつきや冷却管の湾曲の曲率半径のばらつき等によって、熱電変換
モジュールの外面と冷却管の内面との間に空隙が生じてしまい所望の冷却性能が得られず発電効率が上
がらないという課題があったものを、この熱電変換モジュールは樹脂薄膜からなる2枚のフレキシブル
基板上の実装ランドに複数の熱電素子を高密度実装し、片方のフレキシブル基板に、フレキシブル性を
持たせる為に複数スリットを設けたことを特徴としている。このことで、片方のフレキシブル基板にス
リットを設ける事で、フレキシブル基板が2枚のデバイス構造でも曲げやすくなり、排熱パイプの曲面
に追従することができる。また熱源となる排熱パイプとの装着面は、熱伝導シートにより完全に密着さ
せる事ができるため、熱電素子への熱伝導ばらつきを低減させる(参考図3)。
【符号の説明】
10:フレキシブル基板 11:熱電素子 11a:p型熱電素子 11b:n型熱電素子 13:フ
レキシブル基板 14:スリット 16:実装ランド 17:導電ペースト 18:ソルダーレジスト
19:熱伝導シート 20:排熱パイプ 21:冷却水パイプ 22:止め金具 24:熱電変換モジ
ュール 28:放熱フィン 29:熱伝導シート 30:フレキシブル熱電導基板 31:熱伝導シー
ト 32:固着バンド 33:高断熱スペーサ 34:冷却管 35:フレキシブルシート 36:継
手 38:金属シート
● IoTの電力を担うエネルギーハーベスティングの可能性と課題
このように、排熱利用と言う点では従来の「コージェネ」(CHP/熱電併給)と同じ、わたし(たち)
はエネルギータイリング事業のサーモタイル部門に位置するものである。このように「エネルギーフリ
ー社会」は目前に迫っている。昨夜のつづきではないが、「ビバ!デジタル革命」である。
Jan.25, 2018
【極小のエアロゾル粒子でも嵐を引き起こす? 】
1月26日、米国は国立環太平洋北西研究所らの研究グループは、「超微細エアロゾル粒子による実質
的対流および降水量の増強」と題された論文を発表している。 それによると、新しい研究により汚染プル
ームの極めて小さなエアロゾル粒子が、海洋や大規模な森林といった手つかずの領域の荒天に対して、
これまで考えられていたよりも大きな影響を与えていることがわかってきたという。こうした領域にお
ける水の循環は地球規模の気象パターンに大きくかかわっているので、この領域で観察された人工エア
ロゾルの影響が世界中の気候変化を引き起こす可能性もある、と著者らは述べている。アマゾンの熱帯
地方における「深い対流雲(DCC)」系は主要な降水源であり、大気の熱エネルギーや太陽放射の吸収
量を変化させる。DCCの形成は小さな水滴の発生から始まり、その際に大気中水分が人工エアロゾルな
どの空中浮遊粒子の周りで凝縮するが、エアロゾルと気候パターンとの関連はまだよくわかっておらず、
超微細エアロゾル粒子(直径50ナノメートル未満)は小さすぎて雲の形成には影響を及ぼさないと考え
られている。今回、観察とシミュレーションに基づくデータを用いて、都市の汚染物質がアマゾンの熱
帯雨林に及ぼす影響を分析したところ、超微細エアロゾル粒子の周りの凝縮によって雲の形成が促進さ
れ、周囲の空気が暖められ、最終的にDCC系の増大が示された。粒子がDCC系に入り込む前は、もとも
とエアロゾルが少ない熱帯雨林の環境は、凝縮が少なく高い水飽和状態にあったことを発見する。超微
細エアロゾルが盆地に入り込んだときに、過飽和大気がその粒子上で凝縮し、その結果として雨の生成
や、暖かい雨、過冷却雲水が増加。大気中水分の豊富なその他の熱帯地方でも同じようなエアロゾルの
影響が見られる可能性を示唆し、地球規模で重要であることを強調する。
かって、このブログで――そこで、平均粒子径が問題となる。粒子径が温暖化により微細化に変動する
ことになれば、前述した仮定のようにさらに大規模な気候変動を加速する方向に動く。海洋の変化等を
考慮すればなおのこと複雑な動きとなろう。逆に、平均粒子系が大きくなればブレーキとなり見積もり
の気象変動は小さくなるだろう。そのような対策、粒子径を大きくする大規模な手段(システム)を考
えておくことは一顧だに値するのではないだろうか。有り触れているかも知れないが森林面積を拡大す
ることでそれを助長する働きを期待できるかもしれない。今夜は「霧のいけうち」を「ルソンの壺」の
中に発見し、そんなことを考えてみた――と問題提起していることを思い出した。この研究成果はその
アンサーレポートの1つであるだろう。実に興味深い。
【トレンディドラマが面白い!キャサリンが似合うキョドコ】
久しぶりにテレビドラマに惹かれ、毎回の放送待ちになっている。今夜は毎週火曜日放映される関西テ
レビの『FINAL CUT』とTBSの『きみが心にすいみついた』の2本。これ以外にも各局とも質の良さ
を感じさせる番組となっていることに驚いている。それまではNHKの『直虎』の日曜の大河ドラマ(
同局の『精霊の守り人』も興味は惹かれているのだが、録画する程の固執はない)ぐらい。かわりに日
曜のTBSの『99.9-刑事専門弁護士- SEASONⅡ』、や木曜日の『ドクターX』にかわるテレビアサヒの
『BG~辺警護人~』も目が離せない程にある。このようにわたしにとってはワクワクする時間帯とな
ってる。ところで「ファイナルカット」の主演の亀梨さんがよく似合うめがねが欲しくなりネットサー
フで「キャサリン ハムネット KH9511」であった。毎日欠かせない必需品のめがねのこと、すぐに飛び
つかずしばらく考えることにする。そこで同タイプのレディースを『きみが心にすいみついた』の主演
の吉岡理帆が演じるキョドコに着用させたらと想像する。
●
除雪作業がつづく。今朝も雪が降る中除雪していると、河川敷の雑木林から小鳥のさえずりがきこえて
きた。不思議である。何故かセョクシュアルなさえずりに(Sexual bird chirping)に生命の力強さのよう
なものを感じ、短歌を詠ってみたが、吹雪かれながらその場で腰が砕けてしまった。