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車椅子で卓球@渡邊剛

2013年より車椅子卓球をスタート。備忘録の意もこめてここにブログを綴ります。
内容は基本パラ卓球、時々食文化。

血が騒ぐ(笑)

2025年03月04日 21時38分24秒 | 日記
トレーニングの一環から農業を営む方のお話を伺う機会を得た。

これはあくまでも自身のスポーツ活動として設けた時間の中で、トレーナーがその方の農業とスポーツ活動(主に指導者の立場)には共通するもの、学べるものがあると判断した結果から僕もその恩恵を得られたという機会だった。

その方はある意味農家としての「日本代表」レベルで活動されている方で、お話を伺っていてその「意識の高さ」に感銘を受けた。

農家としてどこを見ているのか?が明確であり、でもその見据える先は明確ではない世界でもあり、決して楽ではないその方向へ歩みを進めていこうという「大義」を持って農業という活動をされている「熱い」方。

まさにアスリート・マインドだと思ったけれど、そうした「熱い人」に接するとその熱は人に伝導するから僕も興奮を覚えるし、だからこうしてブログを綴るわけなのだ。



すごく良い時間だったし良い学びを得た。

農業とスポーツ。

一見すると全くの畑違いに思われるだろうし、そこに共通項を見出すというのは注意深く探らないと見つけられないかもしれないし、実際参加者からもそのような声は上がっていた。

でも実はそうじゃない。

何事も高い意識をもって取り組んでいれば、共通するものって意外と何にでもあると思う。

思考とか意識レベルをより高くすればそれだけ他から学べる事が多くなると思うし、そもそも「人は何からでも学ぶことが出来る」と僕は学生の頃に学んだ。



農業の「どこを見ているのか?」と先述したけれど、ずっと先の方を見据えずにただ目先の農作物だけにフォーカスして作業をしていると、翌年や5年後10年後にその種が、あるいは木が、あるいは畑が、環境がどうなっているかをマネージメント出来ないと思うし、何かしらのアクシデントや想定外の状況が生じた場合に対応出来なかったり、辿り着いた先で「こんなつもりじゃなかったのに・・・」となりかねない。



「自分は農家でありその作物を作るのが仕事、だからそのことにだけ集中する」

というスタンスで農作業に取り組む、それはある意味ストイックで職人気質と評価されるものに思える。

でも、僕が知る優れた生産者はそこに留まらない。

もっとマクロな視点で捉えていて、もっと先まで見据えている。

ビジネス(損得勘定)だけに捉われず、時間という縦軸を持つと同時に、横軸という人間社会における繋がり、それこそ「文化」のレベルでも範疇に捉えていて、結果的にそれらを立体的に捉えているのだと思う。

それは農業だけでなく料理人にせよソムリエにせよ、飲食だけでなく様々なジャンルのプロフェッショナルは皆そうじゃないかと僕は考える。

だからそれはスポーツ界にも共通するものであり、恐らくその意識で取り組んでいる人たちは自分の活動がどう利益を生むのかではなく、縦軸と横軸に対しどう広がっていくのか、どう影響を与えるのかを考えることが出来、それを主軸として活動していけるのだと思う。

それが名誉欲など自分の為であれば評価は全然変わってくるけど、人の為、社会の為という意識であれば、それは「歴史に名を遺す」ということに繋がるのではないだろうか?

なんて偉そうに(笑)



でも今回お話を聞かせていただいたその方はまさにそう思える方だったし、そもそもだけど、それだけマクロに多角的に捉えることが出来る「頭脳」を持っている方だった。

頭脳明晰、まさにそれ。

「すごいなぁ!」と思う方はまずそう思える方だし、情報量も情報処理能力もすごく高い。

そこに物事を主観だけでなく客観とそして俯瞰を含めより多角的に捉えるからこそ理系的思考だけでなく文系的思考も兼ね備え、論理的なだけでなく感情的な理解力もより高いレベルで合わせ持てるのだと思う。

だから効率的要素だけでなく感情的部分も理解した上での判断決断が出来るのだろうし、そういう人だからこそ集団を導いていけるのだと思えば、「リーダーだから人がついてくる」のではなく「人がついてくるからリーダー」なのだというリーダーシップの根幹が見て取れるというか、そんな感覚を思い知らされた。



ではその時間で僕は何を学んだ?

本来は自身のスポーツ活動の糧とする為の時間だったのに、僕の気持ちは完全に農業にフォーカスしてしまっていた(笑)

美味しい作物を作るためにどう取り組んでいるのか?

だからどういう作物が育つのか?

純粋にそこに意識がいってしまい、スポーツのことを忘れていた(笑)

そして、後日親しいパティシエとその話に触れ、イチゴ農家の話から野菜や果物の生産者の話に花が咲き1時間近く農業談義をしてしまうほどだった(笑)

でも、それくらいに刺激を受ける方だったし、ものすごく勉強になる話だった。



あくまでも僕個人の印象だけど、スポーツ活動と農業に関しては「身体づくり」と「ドーピング」が直感的に重なると思えた。

視点を変えると環境づくりやチームマネージメントとしても直接的な参考を学べるとも思えたけれど、僕の既存の知識と重ね合わせると先の方が印象深い。

すると、逆に自分がこれまで意識してきたことは農業的視点からすると正解だったなと思えたのはプラスになったし、これからもそれを頑張っていこうと胸を張れる思いだった。

ローマは一日にして成らず。

農業も、身体づくりも、スポーツ活動も、一日にして成らず。

「時間をかけずに美味しいものを作ろうとしても、時間がそれを許さない」

のと同じで、何事もパッと直ぐに出来るものではない。

僕らの身体づくりもそう。

野菜も育つのに時間がかかれば、鳥や動物、魚だって育つのに時間はかかる。

自然の流れでは直ぐにどうこう出来るものではない。

それをどうにかしようっていうのは自然の摂理に反する行為なのでは?

それは不可能?

いや、可能だとすればそれは「ドーピング」に類するものなのかもしれない。

農薬?

添加物?

それはドーピングと同じことだと思えた。

いや、それを全否定するつもりはない。

人類の今日の発展はまず食糧安定による結果だと思うから。

(逆に狩猟採集から農耕に移転し食物の安定化が進んだことで人間同士の争いが生じたという人類史の見方もあるのだけれど)

自然の流れに逆らった動きをすれば、どこかにひずみが生じるのもまた自然なこと。

強い木に育つためにはどうすればいい?

その為に何をすればいい?

強い木に育って何をする?

なぜ強い木に育ちたい?

ホント、いろいろ学ばせてもらった。

血が騒いだ(笑)

Why を考え、How も考え、しっかり行動していく。

根をしっかりはって、ブルゴーニュの水はけの良い南東向きの斜面に深く根を張るピノ・ノワールのように、静かに落ち着いた佇まいで、でも力強く腰を据えて深く構え、それこそ雨にも負けず風にも負けず、凛とし威風堂々とした姿でありたい。



ちなみに、僕はブルゴーニュのピノ・ノワールがワインの王様だと思っています(笑)

牛肉に合わせるならカベルネ・ソーヴィニョンではなく断然ピノ・ノワールです。

白はブルゴーニュのシャルドネですね。

ムルソーよりもピュリニーです(笑)

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