「リトル・ミス・サンシャイン」観てみました。

久々のいい映画でした。
アリゾナからカリフォルニアまで「リトル・ミス・サンシャイン」の大会を目指し、バラバラで負け組みの家族「フォーヴァー家」がぼろぼろのフォルクスワーゲン・ミニバスでハイウェイを走りながら一つに纏まって行くストーリーです。
やさしくマトモなお母さん、
真面目で独自の成功理論の売り込みに躍起のお父さん、
空軍パイロット志望のニーチェに傾倒し沈黙の誓いを行っている長男、
ヘロイン好きな「ぶっ飛びジジイ」で老人ホームを追い出されたお爺ちゃん、
プルースト研究第一人者のゲイで自殺未遂の伯父さん、
そしてちょっと小太りな無邪気な「オリーブ」ちゃん、
この6人(途中で5人)が様々な体験をしてゆくロードムービーです。
お父さんが諦めず「原チャリ」を飛ばして売り込みに行くシーン、
お爺ちゃんの頼みで買った「エロ本」が警察から家族を助けることとなるシーン、
アイスクリームを家族で食べるときの家族の会話シーン、
色弱が発覚し自暴自棄になっている兄がオリーブちゃんの無言の慰めにより立ち直るシーン、
お爺ちゃんが弱気になってるオリーブちゃんを元気付けるシーン、
叔父が若い頃のプルーストを引き合いに出し長男を励ますシーン、
家族全員で力を合わせギアが入らなくなった車をスタートさせるシーン等など、
いろいろ良いエピソードがありました。どのシーンも本当にこころ暖まります。
ストーリーには関係ないけどボロボロのミニバスが直線に続くハイウェイを走ってゆくシーンが何回かあるんですが、そのシーンの美しさも素晴らしかったです。
子供達には罪はないんですが美少女コンテストは見ていてジョンベネちゃんを思い出したり、北朝鮮のエリート小学生を見ている様で「やな気分」になってしまいました。
そんな状況のなかオリーブちゃんが「RICK JAMES のSUPERFREAK」をバックに亡きお爺ちゃんの振り付けでストリップダンスを踊るのは一服の清涼剤でした。
また主催者の非難の中、家族が団結しオリーブちゃんを守り踊りまくるシーンは本当に最高でした。結局賞は獲れなかったけど、家族を見事に再生させたオリーブちゃんがにまさに「リトル・ミス・サンシャイン」で有る事は見た人全員が認めるところだと思います。