フィルシー = filthy = 汚ない
この話、品のいい所はトコトンいいのですが、
悪い所はトコトン悪くなる傾向なので ―― 。
ただ、悪い場合は悪い場合なりに、
できる限り品よく描こうと努めてはおります。
まあ、上手く行った所でこういうのを 「 駄目匠の技 」 と言うらしいんですけどね。
今日アップの内容で、
一番トラウマを持ちそうなのは当の作者自身で、
1999年以来カリソンを食べる事がまたあるんだとしたら、
このページを思い出してしまうんでしょうな~。
ハリソンさん、ポットを持って来いとマー坊に言っていますが、
英語で言う所の chamber pot の事で、
それというのも、
当時は現代のようなトイレや上下水道の設備が整っていなかったからなのでした。
裕福な家庭では椅子としても使え、
謁見時に使っていた君主もいたというようなおまる ( 水洗式もありました。 ) や、
トイレ自体も ― ただし、日本でも昭和時代まであったようなボットン汲み取り式や、
川の上に設置してあって自動で流れて行く ―― タイプがありましたが、
一般ではボールとか洗面器とか壺みたいな形のに排せつをしていて、
そして…溜まったのを窓から投げ捨てていました。
荷馬車に樽を乗せたり、桶担いだりして回収に来てくれる人もいたらしいのに、
待てなかったんですね~。
花の都パリでも例外ではなく、
第5話の終盤 ( 7~10ページ ) みたいな事になって、
ここでもマー坊がハリソンさんに激怒していました。
もしよかったら、今後の参考のためにもこちらもお読みください。
投稿当時、ヒジョーに評判悪かったんですけど、
あえて復活させときます。
マー坊、とりあえず見つかったのは、
ハリソンさんが頼んだ物では無かったのですが、
髭剃り用の金盥 ( だらい ) を持って来たのでした。
ちなみにこの金盥、
ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャさんが、
前編第21章で 「 マンブリーノの兜 」 と呼んでいる型なのでした。
本来の使用法は、凹んだ所に首を突っ込んで、
剃ってもらう側が手で支えていて、
剃る方は剃った顔の毛や塗った泡を窪みに落としたりすると思われます。
でも、ドンキさんは、
床屋さんが雨避けに被っているのがキラキラと輝いているのを見て、
自分が読んだ事のある騎士道物語の中の、
シャルルマーニュ帝の甥である、
騎士オーリー様が主人公の話に出て来たマンブリーノの兜だと思い込み、
床屋さんから喝アゲしてしまうのでした。
何か作者さんよー、このテの話だと特に雄弁になってねーでか?
次回の更新は、また出来次第です。