家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

夏の暑さを楽しむ

2006年06月04日 | 家について思ったことなど
だんだん暑い日が増えてきた。

「暑い夏を涼しく過ごしたい」とは至極当たり前の要望だ。
だから、家づくりでは涼しく過ごすためのいろいろな工夫がなされる。
とにかく涼しくするのだったら、エアコンを使えばいい。そのときなんと言っても効果的なのは断熱と気密性能を上げることだろう。空調のランニングコストを抑えて効率的に避暑できる。性能がとても優れている家だとエアコンをほとんどつかわなくてもいいくらい。

ここであえて、「涼しく過ごす工夫の他に、暑さを楽しめる工夫をしてあるだろうか」ということに言及してみる。
暑いのがどんな状況下でもとにかく大嫌いという人は別にして、暑いからこそ楽しいということだってあると思う。そうでなければ、人間、海水浴などに行きはしまい。
海水浴の楽しさを考えたとき、泳ぐこと、日光を浴びることのほかに、日陰でビールを飲んだり、スイカを食べたり、かき氷を飲んだりすることもある。
このときの日陰とは、太陽の日差しをさえぎっているだけで、気密性はまったくない。そういう環境でも、人間は心地よさを感じることができるのである。
むろん、日光の下でほてった身体を回復させるという状況が心地よさを生んでいる面もあるだろう。しかし、通常時でもビールやカキ氷がうまいのは、ある程度の暑さがあるゆえだ。汗も出ないほどの室温の部屋でとるよりは確実にうまい。
暑さから完全に逃れたらこの快適さは得られない。暑さとうまく付き合うことが気持ちよさにつながることもある。
家を開放して、風を通し、ラフな格好をして、外の暑さをほどほどに避けて、昼寝をしたい。セミの鳴き声を聞きながら子供たちとスイカをほおばり、庭に向かってタネの飛ばしあいっこする楽しさだって満喫したい。私は原始人に近いほうの部類なので、暑い時期に家を締め切ったままでないと楽しくない家だと困る。そして、この季節に閉めたまま、他の季節と大差ないすごし方をするのはつまらないと思ってしまう。
むろん、開けていられないような過酷な暑さの日はけっこうある。だから、閉めたら閉めたなりの、開けたら開けたなりの快適さ・楽しさを求めた。

「夏涼しい」というキーワードだけを念頭に浮かべて計画すると、「時に暑さも楽しむ」ことのできるつくりにならなくなるのでないか、などと思っている。