寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

昔の苦学生 (思い出話)

2015年12月11日 00時18分41秒 | 寓居人の思い

 先日、2本の杖を持って道路を歩いている知人に会いま

した。その方とは町のあるボランテア団体で一緒になった

方です。お会いしたときの第一声が「お金がないので買い

物は夕方スーパで割引になるのを待って買うことにしてい

ます」と話し出した。 私はかまわず「今日は、お散歩です

か」と挨拶をした。すると彼女は続けて、「夕方になると3割

引きになるのです。とてもたすかります」と。私は言葉に詰

まって「もう一つのスーパーの方がもっと安くなりますよ」

と応じてしまいました。いくら旧知の間でものっけからお金

の話はないだろうと思いました。

 さて、昔の話ですが、私のところに出入りしていた2人の

学生(別々の大学の学生でした)のことを紹介したいと思

います。1人は男子学生で、何しろお金がないのですね。

でも向学心は人に負けないくらいあったようでした。食べる

のにも困っている様子でした。どうしようもなくなると私の

ところへぶらりと立ち寄ります。初めは気がつかなかった

のでコーヒーとその時手元にあった駄菓子をだすと全て

食べてくれました。それでこれは腹が減っているのだと気

がついて食事に連れて行ったりインスタント食品を買い

置きしておくようにしました。

 ある日、学生生協の人と話をしたときに、彼の話が出ま

した。彼は時々生協にやってくるが1回も喫茶室にはいる

ことは無かったといいます。何をしているかというと、喫茶

室でサンドウィッチを作るときにでるパンの周辺部分(み

み)を切り落とすのを待っているというのです。そのみみ

を持っていき食堂で水を飲みながら食べているというの

ですね。

 それを聞いた私は、生協の調理場へいって前に捨てて

いるのを見たことがあるお焦げをおにぎりにしてカウンター

の端にでもおいて無料で配ってほしいと頼みました。店長

は気持ちよく承知してくれました。しかも漬け物とか福神

漬けを出してくれるようになりました。お陰で夜間学生な

どもそれを食べて授業に出席するようになったそうです。

ただ食中毒には十分気をつけてくれたようでした。

 もう1人は女子学生です。彼女は千葉県千葉市で乗り換

えてしばらくいったところから日野市にある大学へ通学し

ていました。入学時に奨学金を申請して借りることが出來、

更に授業料免除の申請をしてこれも許可されました。2年

生のときに父親が病に倒れたためにアルバイト代と奨学

金で家計を守ったということでした。通学時間は約3時間

往復6時間かかるので家に帰っても勉強する時間が無い

ようでした。しかし頑張って大学院まで卒業しました。それ

で私は、彼女を海外で主に活躍している企画エンジニアリ

ング系の大手企業を紹介して運良く入社出来ました。

 その彼女が大学院卒業式が終わってしばらくして私のと

ころへきました。先週母親と2人で新宿発の列車で松本→

糸魚川→新潟→高崎→上野→秋葉原→千葉を経由して

自宅へというコースで旅行をしてきましたというのですね。

いい親孝行が出来たねと褒めました。よく聞くと周遊の間

一度も下車せずに駅弁を食べながら列車を乗り換えても

どってというのですね。

 それでも母親は非常に喜んでくれたというのですね。こう

言う形の親孝行もあることを知りました。

 2人は今どうしているのでしょうかね。幸せになってくれ

たと思いましょう。

 


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