寓居人の独言

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思い出話 シラス台地と韓国岳からの展望(20130702)

2013年07月02日 13時53分57秒 | 日記・エッセイ・コラム

 もう数十年も前になるが、仕事仲間たちと熊本から鹿児島へ行ったことがある。そのとき霧島からえびの高原へ行こうと言うことになり、バスを乗り継いで出かけた。
 数年前に卒業した教え子の一人が宮崎県庁に勤務していて、台風襲来時や長雨が降り続いた後で土砂災害が発生しやすいという話を聞いたことがあった。その原因は阿蘇山や桜島などの火山から噴出された火山灰質の地層によると言っていた。特にシラスと呼ばれる火山硝子質の地層が10~数10メートルに達するところもあるという。台地の先端はほとんど垂直に近い崖になっている。シラス台地はその成分物質がガラス質あることから降雨があっても水分を滞留することなく流出してしまう。そのために洪水を引き起こすことがあるという。
 シラスの主成分はケイ酸と酸化アルミニウムである。九州南部地域開発のためにこのシラスを工業製品化する方法を永年探った結果各種業界で利用されるようになったが大量生産につながる有効利用法は未だに発見されていないという。
 さて、韓国岳に登ったとき、近くに大浪池や硫黄岳が見え、少し遠くの方には高千穂峰や霧島山などが見える。一望すると諸処に火山の火口が見え、まるで月面のクレータ群を見るようであった。北の方、遙かに遠く阿蘇連山が見える。
 数年前に同所を訪れたとき、以前の景色とは印象がかなり変わっていることに気がついた。今回訪れたのは季節外れのときであったので人影はほとんど無く、不動池のほとりの林の中に親子連れの鹿が数頭いた。カメラを構えても逃げることはなかった。近くの小川には小さな魚が群れをなして泳いでいた。人間の時間と比べると長い時間の経過によって少しずつ変わっていく自然の変化は、人間の干渉によって速度を上げている。自然愛好者としては戸惑う次第である。