私の友人や知人たちはリタイア後の人生について実に色々な
考えを持っていてその行動も様々である。
バリバリ働いている頃から『定年後は365日ゆっくりと過ごし、時々は
好きなことをする程度で基本的には何もしないで一日中
テレビを見たりして過ごしたい・・・』 と言っていた知人。
また『定年後も心身の健康のためになるべく長く働いて常に
何かの刺激を受けるような生活をしたい・・・』と言っていた友人。
『長い間働きづめだったので定年後はできる範囲内で今まで
できなかったことをやったり趣味を見つけてみたい・・・』と言う人など
いろいろ・・・。
童謡の「船頭さん」の歌詞は
『村の渡しの船頭さんは、今年60のお爺さん・・』から始まる。
昔は60歳でお爺さんと呼ばれていたが現在の60歳はまだまだ
若い・・・という認識を持つ人が多いと思う。
定年延長や第二雇用として60歳以後も働く(働ける)環境も少しずつでは
あるが整って来つつあるのではないかと思う。
私のように定年後は全く違う職業を選ぶ者もいれば、役職や給料は
下がっても慣れた職場で経験を活かして会社に貢献する・・という人達も
多くなってきている。
私の仲良し仲間『爺さんカルテット』の4人のうち私を除く3人は定年後も
第二雇用でそのまま同じ会社に勤め、その後一人は家庭菜園を楽しむ
ために65歳で仕事を辞めた。
後の二人は65歳でリタイア後、少しゆっくりと過ごしたが、やはりじっと
していることに耐えられず現在も週に3日ほどアルバイト的に働いている。
彼らはお金が目的ではない・・・。
私は過去何度も書いてきたが定年(60歳)以後は大好きな車の運転を・・
ということで運送業に就き2年半前(当時76歳)に妻の病気のサポート
のために元気なまま仕事を辞めるまで16年間、全国を走り回ってきた。
このように大の仲良し仲間の『爺さんカルテット』は全員元気なうちは
体も気持も動かそう・・・ということで現在もそれぞれがまあまあいきいき
としているように思う。
私の住むマンションの住人の中には定年を待ってましたとばかり、
リタイア後は何もしない人も少なくないように思う。
彼らは時々はゴルフバッグを車に積み込み出かけるようだがまさに
悠々自適・・というような毎日を送っていることに満足し、自宅に閉じ
こもっていることにも苦痛などは感じていないという。
それはそれで誰も文句など言う筋合いのものではないが、私たち
(爺さんカルテット)は4人とも何か考えたり、動いたりしていることを
楽しく思っているのでやはりひとそれぞれ違うのだなあと思う日々である。
そんなある日、町内会の清掃の日に若者から私たち高齢者にちょっと
辛辣(?)な言葉が投げかけられた。
彼、曰く・・・
『あなたたち高齢者は本当に恵まれていると思う・・・あなたたちが
のんびりと余生を過ごせるのは自分たち若者が支えているからなんだ・・・』。
『他人のために働いていると思うと情けないし腹が立つ』と。
そしてさらに・・・
『自分たちがその年になる頃には年金などもらえないかもしれないのだ・・・』
『確かに長い間働いてきたのだろうが遊んで暮らしていけるのは若者の
お陰であることをわかってほしい・・・自分たちが納めたお金で暮らしているのだから』
『できることなら自分も仕事などせずにのんびりと遊んで暮らしたい・・・』
『今すぐにでもやめたいと思っている・・・しかし生活ができないから仕方がない』
『自分は60歳以後は仕事などする気は全くない・・・』とも言っていた。
私たちはあえて説教がましいことは言わなかったが、高齢者の丁寧に語りかける
言葉にその若者は『わかっているつもりだが言い過ぎたかもしれない・・』と
最後は謝るようにして帰っていった。
これは勿論すべての若者の意見ではないし一方的に批判、非難はできないが
仕事の中にやりがい、生きがいのようなものを感じていない様子に時代の
違いとはいうもののちょっと寂しく感じた。
好きな仕事に就ける人はそんなに多くはないのかもしれないが、仕事を通して
何かを感じ、多少ではあっても達成感などにたどり着くことは不可能では
ないと思う。
本当に自分のやりたいことを見つけたいのならある程度のリスクも含め
大きな決断が必要な事も多いと思う。
このブログを通して知り合えた人達の中にも勇気ある決断をされたからこそ
今がある・・・という方々もいらっしゃることを思うと若い世代にも「惰性で・・」や
「生活のために」やむなく・・・という考えは変えてほしいと思う。
高齢者はそれぞれいろんな荒波も乗り越え、苦節何年・・・という結果が
今の生活に結びついているケースも多いのではないだろうか。
自信過剰になる必要はないが、自分の仕事や人生にやりがい生きがいを
感じて歩いて来たことを密かに誇りと感じるのはその先の人生でもきっと
良い結果に繋がるのではないだろうか。
私も自分なりにいつまでも「矜持」を持てる高齢者でいたいと思っている。
感動的なコメントをありがとうございます。
「企業戦士」と言われた私たちの世代のことを
わかってくれる人達もいることがわかっただけでも
本当に嬉しい事です。
私たちも若い世代の悩みや苦しみを充分理解して
生活しないといけないと思いますが、人の心を
更に追い詰めるようなこのコロナ禍の状況では
すずさんの言葉どおり、『こんな時は美しい音楽
や絵画を鑑賞したり、植物に癒されたり』という
のが一番だと思います。
こんな状況下でも人の命を救うために献身的に
働いている人達がいることにすべての人は
感謝しなければ・・・と思います。
その一方で環境や弱みにつけ込んで悪事を働く
輩も後を絶たない・・・
善悪の行動は一人一人の心の中から生まれるもの
ですからこんな時こそ心静かに向き合えるすず
さんの言葉のように音楽、絵画、自然の力を
借りるのは良いことではないでしょうか。
私の祖父母世代は戦争に借り出されて青春無し!
その後は24時間戦えますか?の時代。
その次の世代も同じく...
仕事を通じて社会貢献してこられた方々だからこそ~
お疲れ様でした!とは露ほども感じないというか、相手の立場で物事を考える想像力が欠けているというか。
残念!
更に残念なことは仕事に生きがいを感じられないほどに、非正規雇用も増え、人間関係もギクシャクしていること…
ここは自分も分かります。
コロナ禍で益々...ということもあるかもしれませんね…
こんな時は美しい音楽や絵画を鑑賞したり、植物に癒されたり。
その若者には、そのような余裕もないとしたら、更に気の毒で…
明日はよい日となりますように。