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知だらけ050:文章教室の添削

2018-07-30 | 新・知だらけの学習塾
知だらけ050:文章教室の添削
――第4講義:書く
「感性を磨く文章教室」受講生の例文(昨日掲載)を添削したいと思います。

例文A:美しい那珂川の堤を可愛い初恋の人と手をつないで歩いた日の大きな夕焼けが忘れられ無い。(宮)

例文A添削
1. 一文が長過ぎます。一文とは分頭から句点(。)までのことです。→塾生への質問:あなたは例文をいくつに分割できましたか? もし分割していなかったら、チャレンジしてみてください。
2. ありきたりの形容詞(美しい、可愛い、大きななど)を多用しないでください。
3. 「無い」は間違いではありませんが、「ない」とするべきです。
4. 初恋の人と手をつないで、那珂川の堤を歩いた。水面には真っ赤な夕日が映っていた。彼女の頬も赤く染まっていた――こんな感じで、文書を短くつなぐ訓練が必要です。

例文B:私の住むマンションのベランダには、一つだけ鉢植えが置いてあります。大きさはラーメンどんぶりくらいだ。(広)

例文B添削
1. 文末の「です・ます」調と「だ・である」調が混在しています。どちらかに統一させてください。
2. 鉢の大きさを別の一文で説明するのは、いいたいことを散逸させています。ベランダには手のひらに乗るくらいの鉢植えが、などと書く方がすっきりとします。たとえがラーメンどんぶりでは、鉢植えがかわいそうです。
3. 鉢植えはどんな動機で手に入れたのか、などを知りたいですね。
4. こんな流れで、文章を再構築してみてください。――ベランダには、手のひらに乗るくらいの鉢植えがあります。妻の誕生祝いに、買いました。毎朝水をやりながら、直接いえない「いつもありがとう」という言葉を、心のなかでつぶやいています。

例文C:私は本屋へ行くが、目的は本を購入するというよりは寧ろ時間潰しのためです。時々パラパラと本をめくりますが、買うことは殆ど無い。(杉)

例文C添削
1. ひらがな表記すべき箇所がたくさんあります。新聞などを読んで、どう書かれているのかを調べてください。(寧ろ、潰し、殆ど、無いなど)
2. 「購入」という漢字も、「買う」と置き換えて考えてみてください。どちらが自然ですか。
3. 「…が、」を多用しないでください。これを使うと、説明しなければならなくなります。それゆえ「目的は」などと書かざるをえなくなるのです。
4. 「パラパラ」は、オノマトペという擬音です。川はサラサラ流れる。星はキラキラまたたく。ありきたりの表現は、避けたいものです。
5. 書店にはよく行きます。もっぱら時間つぶしのためです。書店にはもうしわけありませんが、良い本があったら買っています。――こんな具合に、書いてもらうと「もっぱら」が生きてきます。
山本藤光2017.12.13

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