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著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

110:経験

2020-04-04 | 新・知だらけの学習塾
110:経験
――第9講義:人間力
人間力のある人には意欲がある
意欲のある人には夢がある
夢のある人には目標がある
目標のある人には努力がある
努力のある人には失敗がある
失敗のある人には反省がある
反省のある人には経験がある
経験のある人には智恵がある

ある営業チームの会議を、覗いてみます。営業リーダーは先月、月間販売目標を達成したAさんとBさんを賞賛しています。Aさんはほぼ計画通りの、100%達成でした。Bさんは半分以上がラッキーパンチが当たっての、100%でした。

私はこの評価に、疑問を抱きました。もちろん営業ですから、月間目標の100%クリアは重要なことです。しかし営業リーダーは、AさんとBさんを同列で評価してはならないのです。計画通りに仕事をしたAさんは、そのプロセスが「経験知」となります。しかしラッキーパンチのBさんには、経験知はほとんどありません。

「経験」は、思惑通りに成し遂げたところからしか生まれません。高い志を持ち、ちょっと工夫を加えて、挑戦したものが初めて「経験」となるのです。

「営業活動のブラックボックス」については、「知だらけ107:努力」の項で説明済みです。「経験知」を高めるのは、成果の量ではありません。むしろ悪戦苦闘している「プロセス」への取り組み姿勢によるものなのです。「知だらけ104:反省」に記した通り、活動の質の検証なくして、経験知は高まらないのです。

「経験」には、「修行」というニュアンスが含まれています。修行は修業とは違います。前者は基本から学び、永遠に磨き続ける行ないのことです。後者は一定の業を収めることで、卒業があります。私が「経験」に加味したかったのは、あくまでも「修行」の方です。

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