山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

126cut:Rファミリーの出陣式

2018-07-24 | ビリーの挑戦第2部・伝説のSSTプロジェクトに挑む
126cut:Rファミリーの出陣式
――Scene18:帰ってきたビリーの挑戦
影野小枝 標茶の藤花温泉ホテルです。ここはモール温泉といって、お湯が黒いんですよ。そっと話し声に耳を澄ませてみます。
漆原 懐かしいな、ここで合宿をしたんだったな。
河野 さっき石川くんから聞きましたが、漆原さんはこの温泉でばらばらだったみんなを1つにしたんですね。
石川 漆原さんは、ピカピカの1年生でしたね。全国ビリのチームをトップに押し上げた、聖地がここだったんですよ。
新谷 いいお湯だね。入ったときはヌルヌルしているけど、出るとさっぱりしている。不思議なお湯だ。
河野 2人ともいなくなっちゃったんで、寂しいですよ。
漆原 合併が告げられた日、社長は衛星テレビでどういったか、覚えているかい?
新谷 チャンスだ、を繰り返した。何がチャンスだと情けなくなってしまったよ。


知だらけ044:併読のすすめ

2018-07-24 | 新・知だらけの学習塾
知だらけ044:併読のすすめ
――第3講義:読む
塾長は正しい読書として、遅読と併読を推奨しています。併読は異なるジャンルの本を、少しずつ読み進める方法です。塾長の場合は、小説、エッセイ、伝記、定期購読雑誌、哲学か心理学、日本の古典などのジャンルを併読しています。いってみれば、毎日フルコース料理を味わう感覚です。

この方法を採用してから、本の中身を深く考える習慣が身につきました。1冊読んだら、赤線や書きこんだ箇所を吟味します。そしてじっくりと考え抜きます。
2冊目の本を開く前には、昨日読んだ記憶をよみがえらせます。思い出さなければ、同じ箇所を再読することになります。

しかし併読を続けるうちに、自然と再読する必要がなくなります。それよりもその後の展開を、推理する楽しさが身につきます。脳内にはスイッチがあり、オンオフを繰り返すたびに活性化されるようです。

質を測る069:会議の役割分担

2018-07-24 | 営業の「質を測るものさし」あります
質を測る069:会議の役割分担
――第6章:会議道・面談道
 月1回全員が顔をそろえる会議は、「チーム力強化の場」と認識してください。そのために会議運営責任者である営業リーダーは、つぎのことを意識していなければなりません。
・個人の優れた知を組織知にかえること。
・良質な共通言語を醸成すること。
・営業担当者のモチベーションを高めること。
・みんなで、明日への糧を「共創」すること
それらをプログラムや会議場で演出するのが、営業リーダーの大切な役割となります。そのための最善の策が、営業担当者参画型の会議運営ということになります。

◎チーム会議の役割分担
 営業担当者参画型の会議は、役割を分担することが基本です。参画型会議には、およそつぎのような役割があります。
1.総合司会(プログラムの進行のすべてをにないます)
2.書記(議事録作成,板書の担当)
3.プロマネ(重点製品の業績進捗管理、製品勉強会運営)
4.ディスカッション議長(グループ討論の議長)
5.タイムキーパー(プログラム進行の時間管理)
6.風紀係(清潔な会議場の管理)

 もちろん営業リーダーは、必要に応じてどれかの役割をになうことになります。腕を組んで、会議の外にいるだけになるのは、さけなければなりません。
 ある会議で業績が低迷していることに立腹し、プロマネ(役割分担された営業担当者)を責任追及している営業リーダーがいました。これでは営業担当者はたまりません。チーム業績の責任は営業リーダーにあります。


あなたは?:めんどうかい121

2018-07-24 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
あなたは?:めんどうかい121
――第8章:人間系ナレッジマネジメント
・あなたのマネジメントは、「人間系」でしょうか。それとも「管理系」ですか。考えてみましょう。

・「教える」から「育てる」へのシフト。容易なことではありません。誰をどう育てるのか、考えてみましょう。

・「命令する」「提出させる」の世界を、「考えさせる」「聞き取る」に変えた営業リーダーは、チーム内の風通しがよくなったと語ってくれました。なぜ風通しがよくなるのか、考えてみましょう。

◎同行ものがたり

 夏の函館。免停中の部下と歩いて同行した。函館は坂道が多く、汗だくの同行となった。部下は何度も「すみません」を連発した。
 
「アイスでも食うか?」
「はい」
 部下はうれしそうに笑った。アイスをかじりながら、病院へと向かった。

町おこし186:郷土のために

2018-07-24 | 小説「町おこしの賦」
町おこし186:郷土のために
――『町おこしの賦』第6部:雪が溶けたら21
 恭二の日常は、にわかに忙しくなっていた。観光協会会長として、現在六カ所に分散している温泉ホテルと旅館を、一カ所に集約させなければならない。
移設には、多額な資金が必要になる。どこも簡単には、首を縦に振ってはくれない。町の信用金庫支店長を説得して、資金融資の段取りはつけた。それでも藤野温泉ホテル・アネックス以外は、承諾してくれない。
 恭二はあと一軒が賛同してくれれば、雪崩現象が起こると踏んでいた。恭二はウォーキング・ラリーの宿泊客を受け入れてくれた、セントラル温泉と満月家ホテルに集中することにした。

標茶町温泉郷のオープンは、二年半後の九月一日と決められていた。したがって、恭二は今年の夏までには、ホテル移設の承諾を得なければならなかった。
同時にホテルを取り巻くように形成される、土産物店の入居者も決めなければならない。居酒屋むらさきと佐川民芸店は、いち早く賛同してくれている。

「温泉客をどう迎えるのか。その青写真が見えない。あまりにもリスクが大き過ぎる」
 これがセントラル温泉の社長・万代徹の、懸念であった。恭二は北村広報課長とともに、何度も万代のもとに足を運んだ。事態が進展しないまま、時は空しく流れた。

 恭二は最後の賭けのつもりで、先日北村から聞いた話を万代にぶつけた。
「実は東京の大手ホテルチェーンが、名乗りを上げてきています。私としてはできるだけ、よそ者の参入は防ぎたいと思っています。生まれ育った故郷の再建は、地元の私たちが担わなければなりません。万代社長、どうかリスクを取ってください。もちろんお客さんのことは、私たちが全力をあげてやり抜く覚悟でいます」
 恭二は深々と頭を下げた。

空気が動いたような気がした。顔を上げた恭二に、万代は大きくうなずいてみせた。
「乗ったよ。標茶町の再建の話に。生まれ育った郷土のために、尻ごみをしているわけにはいかない」
 万代の手を取り、恭二は思わず宙を仰ぐ。
「万代社長、ありがとうございます」


妙に知180724:蚊がいなくなった

2018-07-24 | 妙に知(明日)の日記
妙に知180724:蚊がいなくなった
▼庭に出ても、今年はほとんど蚊にくわれません。そういえば毎年出掛けるタイで、蚊にくわれた経験はありません。ひょっとして猛暑のなかでは、蚊は活動できないのではなかろうか。調べてみると、やはり30度超になると蚊は動かないようです。科学的な根拠のないデータですが、私の直感はアタリだった。▼井伏鱒二『太宰治』(中公文庫)が出ました。太宰の師ともいわれる井伏ならではの太宰像が鮮明に描かれています。
山本藤光2018.07.24