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山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

ひねもす

2019-01-08 | 知育タンスの引き出し
ひねもす
なにもすることがなく、ひねもす家でゴロゴロしていた。こんなことをいったらキザな奴だといわれてしまいます。でも私は「ひねもす」という語感が好きです。春の海ひねもすのたりのたりかな。これは蕪村の句で、兵庫県の須磨の浦を詠んだものです。「ひねもす」と入力すると「終日」と変換されます。谷沢永一『教養が試される341語・知らない日本語』(幻冬舎文庫)で「ひねもす」を学びました。
山本藤光2018.10.16

とんちんかん

2019-01-08 | 知育タンスの引き出し
とんちんかん
「ちんぷんかん」の語源を調べていて、似たような語の「とんちんかん」に行きあたりました。調べてみました。こちらには明確な語源がありました。「とんちんかん」は頓珍漢という漢字があてられています。

――鍛冶屋(かじや)で、師匠の打つ槌(つち)の音に合わせて入れる弟子の槌の音は、交互に打つので「トンチンカン」とずれて響く。このそろわない音から出たことば。(日本語語源辞典)

「ちんぷんかん」と違って、「とんちんかん」には明瞭な由来があったのです。
山本藤光2019.01.08

092:営業活動は量よりも質・起業する(5)

2019-01-07 | 知育タンスの引き出し
092:営業活動は量よりも質・起業する(5)
――第8講義:起業する
順調に走っていた私の肩を叩いたのは、新参の本部長でした。営業部の評価を「量」でおこなう。日報をマークシート方式に改める。突然上司として降臨してきたその人の施策のすべてに、反対しつづけました。

必然、肩叩きに遭遇することになります。サラリーマンですから、上司運が悪ければこういうことになります。窓際の席に追いやられ、仕事を奪われた私は、退職後にそなえて「営業リーダー道」に関する執筆をはじめました。同行道、会議道、面談道、日常道と書き進めながら、私のなきあとの営業組織を観察していました。

窓際での1年間。私は理想的なリーダー像とあってはならないリーダーのギャップを追及していました。そんなとき、支店長会議で革命的なできごとが起こりました。マークシートに改悪された日報で、訪問件数が低いとなじられた支店長が決起しました。

――量ではない。大切なのは営業活動の質です。

たちまち賛同の嵐が巻き上がり、私を窓際に追いやった上司は炎上してしまいました。私が執筆中の文章のタイトルを「質を測るものさしあります」と決めたのは、この瞬間からでした。本書はすでにエルゼビア・ジャパンから出版されています。

その後、伝説の「SSTプロジェクト」事務局長として、名人芸移植プロジェクトを経験することになります。きちんとした同行指導により、1年間で24%も業績を引き上げたプロジェクトです。雑誌「プレジデント」をはじめ、数多くのメディアで取り上げられましたので、読んだ方がいるかもしれません。(明日につづく)

ちんぷんかん

2019-01-07 | 知育タンスの引き出し
ちんぷんかん
「ちんぷんかん」は、何のことやらわからないときに用いられます。「ちんぷんかん」を漢字変換しようとしてもできません。珍粉漢、陳奮漢などは当て字で、正式な漢字は定まっていないようです。また語源についても諸説があり、これが本物という記述もありません。

――長崎の人が紅毛人の語がわからないことから言い始めたともいう。(広辞苑)
――もと儒者の用いた漢語をひやかした語とも、外国人の言葉の口まねからともいう。(GOO辞書)
これらも語源はあやふやです。
山本藤光2019.01.07

2019-01-06 | 知育タンスの引き出し

「薊」。クロスワードパズルにあった問題です・説明には。キク科の多年草植物とありました。どうしても読むことができません。くさかんむりの下に魚がある、不思議な感じです。わかりますか。クロスワードなので他の問いを解いているうちに、「〇ざ〇」と正解にせまりました。それでもわかりません。したがって当てずっぽうで、辞書をひいてみました。「あざみ」がでてきました。
山本藤光2019.01.06

おそまきながら

2019-01-05 | 知育タンスの引き出し
おそまきながら
おそまきながらテニスをはじめました。この「おそまき」は、あなたの予想通りの語源だと思います。こんなわかりやすい言葉に出くわすとほっとします。「知育タンスの引き出し」は、知っていそうで知らない言葉を収納する専用タンスです。「おそまき」は、「遅蒔き」の種子から生まれた言葉です。
山本藤光2019.01.05

探検と探険

2019-01-04 | 知育タンスの引き出し
探検と探険
私の書評を読んだ友人から、メールがありました。干刈あがた『ウホッホ探険隊』は、「探検」と書くべきだろう。彼は出版社のOBであり、日本語にうるさい。気になって、指摘された著書を見ました。「探険」となっていました。
2つの漢字はどう違うのでしょうか。「探険」は危険をともなう調査。「探検」は単なる調査のようです。共同通信社『記者ハンドブック』にもあたってみました。
「探検」に統一する、と記されていました。友人の指摘は正しいものだったのです。南極大陸探検隊ですら、「探検」と表記されていました。『ウホッホ探険隊』は、極めて危険なものだったのです。
山本藤光2018.01.08初稿、2019.01.04改稿

敷居が高い

2019-01-03 | 知育タンスの引き出し
敷居が高い
「あの店は敷居が高くて入りにくい」は、時々耳にする用語です。『ことばの選び方大全』では、これが最も間違って用いられている用語とありました。本来は不義理をして訪問しにくい状態の言葉だとのことです。でも今では、この表現は市民権を得ています。

私は大学を出てMR(製薬会社営業)になりました。「あの病院は敷居が高い」といつもいっていました。とっつきにくいことを間違って、「敷居が高い」といっていたのですね。
山本藤光2018.09.04

かったるい

2019-01-03 | 知育タンスの引き出し
かったるい
大学生になって北海道から上京したとき、「こわい」といって笑われました。ひどく疲れた状態を北海道では「こわい」といっていました。東京の人はそれを「かったるい」といっていました。「かったるい」の語源を紹介した文章があります。

――「かいなだるい」が転じた言葉で、「かいな」は腕のこと。力仕事などをした後、腕が何となくだるいことが、もともとの「かったるい」だったのだ。(『すぐに使える言葉の雑学』PHP)

高校時代の同窓会に行って坂道を上がったとき、地元に残った仲間たちは一斉に「こわい、こわい」といっていました。何か怖ろしいものを見たのかな、と一瞬錯覚したほどです。
山本藤光2019.01.03

小1の国語教科書

2019-01-02 | 知育タンスの引き出し
小1の国語教科書
小学1年生の国語教科書について、触れた文章がありました。あなたは最初に接した国語教科書を、覚えているでしょうか。私は「さくら さいた」だったと記憶しています。違うかもしれませんが。

丸谷才一『思考のレッスン』(文春文庫)に、おもしろい記載があります。本書は山本藤光の「文庫で読む500+α」では、「知・教養・古典」ジャンルの第2位として評価しています。本当に勉強になる本なので、ぜひ読んでいただきたいと思います。
丸谷才一はジェームス・ジョイス『ユリシリーズ』の翻訳で有名ですが、古典を言語空間の中心にすえた稀有な作家です。

さて本題ですが、引用してみます。「たとえば、小学校一年の国語の教科書で最初に出てくる文章にこんなものがあります」との前文がついて、教科書が紹介されている。
――はるの はな/あおい あおい/はるの そら/うたえ うたえ/はるの うた
(教育出版『国語一 上』)
――みんな/あつまれ/もりの なか/あおい うみ/みつけた/なみの おと/きこえた/みんな/はしれ」
(光村図書『国語一 上』)

 これら2つが採択率で1位と2位とのことです。丸谷才一の驚きの言葉を紹介しましょう。
――言うべきことが何もない人たちが、言うべきことが何もなくて書いた文章がこれなんです。だから「チープな」日本語になるのは当たり前なんです。(丸谷才一『思考のレッスン』文春文庫P267より)

なるほど、ひどい。こんな「チープな」文章で、小学一年生にどうなってもらいたいのだろう。これが教育のスタート場面だとすると、寒気がします。「いま」の小学一年生の国語教科書の、最初のページはどうなっているのでしょうか?
山本藤光2018.01.20初出、2019.01.02改稿