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著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

みんなが見守っている:めんどうかい136

2018-08-08 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
みんなが見守っている:めんどうかい136
――第10章:発展する同行
 営業リーダーが、「集中同行」を宣言します。この時点で、チームには緊張感が走っています。眠れる獅子が眼を覚ました、という感じになるわけです。チームが変わります。メンバーには、希望に満ちた予感が広がります。
 
 上司は「選択と集中」といった。自分は対象外だけど、チームのためには最善の方法だろう。そう納得してくれます。チームのベクトルが、営業リーダーの同行パワーに向けられる世界が具現化します。

◎ショートストーリー

 営業担当者が2人、午後7時のオフィスにいます。営業リーダーが「同行宣言」をしてから1ヶ月になろうとしています。2人は、半期の同行対象者にはなっていません。Aは営業リーダーより年上の平均的な営業担当者。Bは最も業績の悪い営業担当者です。2人の会話から、営業リーダーの「同行宣言」の意味を考えてみましょう。

A「リーダーは、がんばっているな。いつもならオフィスにいるのに、最近は帰りが遅い」
B「自分は同行してもらえないけれど、リーダーの『選択と集中』という意味は理解できます。残念ながら、いまの自分では、教える価値がないのでしょう」
A「教えるのではない、育てるのだとリーダーはいっていた。おまえが育つには、時期尚早。そんなことで、おまえは外れたのだろう」
B「でも、寂しいですね。何か見放された感じになります」
A「力はないけれど、おれが見守ってやるよ。オフィス中心だったリーダーが、現場で汗を流すと宣言した。これは尊重してあげなければならない」
B「やりますよ。リーダーが身体を張ってやりはじめたのですから、自分も1人でやりとげます」
A「すごいチームに変身する予感がある。おまえのがんばりに期待するよ。おれもやる。今月は、150%までやってみせるぞ」

営業リーダーが同行宣言をすると、オフィスは変わります。私たちは「CP」受講者から、劇的に変わったという報告を受けています。

指導力が向上する:めんどうかい135

2018-08-07 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
指導力が向上する:めんどうかい135
――第10章:発展する同行
 計画的な同行を継続していると、営業リーダー自身の指導力が向上します。思いつきの同行では、絶対に起こらない現象です。それはSSTプロジェクトで、痛感させられました。メンバーは、目を見張るほど成長したのです。

 なぜそうなるのでしょうか。一生懸命に「育てる」と、部下から「学ぶ」ことも多くなります。「CP」受講者の多くが、こんな感想を述べています。
「部下から教えられることが多くて、驚いています」

 逆説するなら、同行をしない営業リーダーは、レベルアップすることはあり得ません。何度も同行を重ねて、営業リーダーは部下から学んでいます。そうしながら、部下育成に磨きをかけているのです。
 
 教えるというスタンスで同行していると、部下から学ぶ機会は少なくなります。育てるとは、試行錯誤の営み。双方の感受性が豊かになっているから、効果が生まれます。良質なやりとりで、これまで気づかなかった発見ができるわけです。

 同行は、部下と目線を揃えることです。いつも自転車で通っている道を、歩いてみると新しい発見ができます。目線が下がっているから、見えなかったものが見えてくるわけです。同行を終えて、「ありがとう。今日は勉強させてもらったよ」と必ずいう営業リーダーの存在を知っています。

 この言葉の崇高さを、学んでもらいたいと思います。同行は部下をレベルアップさせるとともに、営業リーダーが学ぶ「場」なのです。

本稿のような感想を述べる「CP」受講者は、非常にたくさんいます。この感想を耳にすると、私は営業リーダーの同行ステージが上がったと判断しています。

1人を伸ばすと:めんどうかい134

2018-08-06 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
1人を伸ばすと:めんどうかい134
――第10章:発展する同行
 SSTプロジェクトは、3人が1組になってひとつのチームに派遣されます。1人のSSTメンバーは、2人しか同行しません。したがって、6人の営業担当者しか同行しなかったわけです。当然ながら、同行できない営業担当者がいました。

 しかし彼らへの波及効果は、とてつもなく大きなものでした。レベルアップする仲間を見て、刺激されるわけです。
 
 現在企業へ導入中の「CP」では、半年間で1、2名との集中同行を指導してもらっています。1人が伸びると、まわりが引っ張られるからです。チームメンバー全員と均一な同行をしていると、際立った成長が現れにくいものです。

 育成同行する営業担当者には、「製品ファイル」を作ってもらったり、営業カバンの中身を整理させたりします。すると、周囲の営業担当者も同じことをはじめます。できるだけチームメンバーがオフィスにいるときをねらい、そうした基本的な作業をしてもらうわけです。
 
 こんな逸話がありました。SSTプロジェクトのときの話です。
 そのチームには、9人の営業担当者がいました。誰1人「製品ファイル」は作成していませんでした。こうしたツールは、強制的に作らせても活用されません。本人が納得しなければ、無用の長物になってしまいます。
 
 SSTメンバーと営業担当者は、せっせと「製品ファイル」作りをしました。誰も関心を示しませんでした。そのうちに、営業担当者の業績が上向いてきます。全員が「製品ファイル」作りを開始しました。

 営業リーダーが特定の誰かと、集中的に同行します。これだけでもメンバーの関心が高いのに、業績が上がってきたことを知ると、必ず良質のマネ現象が起きます。だから安心して、1人に集中してもらいたいと思います。

「CP」導入会社でも、こうした事例はたくさんありました。チーム会議で集中同行の趣旨を説明し、1人に特化しただけで、チーム内の様相は一変しました。信じて「選択と集中」を実現してもらいたいと思います。

1匹の猿が、イモを塩水で洗って食べます。それが群れに広がり、ある閾値(いきち)(たとえば100匹目)を超えると、他の群れにも伝播します。これが「100匹目の猿現象」といわれているものです。

次への課題を与える:めんどうかい133

2018-08-05 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
次への課題を与える:めんどうかい133
――第10章:発展する同行
 同行は、やりっぱなしではいけません。本日の活動を検証し、明日への課題を与える必要があります。これを怠っては、営業担当者のレベルアップにつながりません。

 同行を終えた時点で営業リーダーは、部下に次の同行までの課題を与えます。口頭で言うだけではなく、メモにして渡さなければなりません。口頭だけでは言った方も忘れてしまうし、言われた方も真剣に対応しません。1枚のメモが、上司との固い約束になるのです。
 
 課題は、1度にたくさん与えないことが大切です。たくさんの課題を与えると、受け取った方は困惑してしまいます。また達成欲も、散漫になりがちです。

 メモを書くときは、言葉を丸めてはなりません。たとえば「顧客ニーズを探る活動をレベルアップさせること」などと、書いてはいけません。こんなメモを受け取った営業担当者は、具体的なイメージを描けるはずがありません。

「顧客のオフィスにある書籍や会話から、最大の関心事を探り出すこと。探り出したら、それを顧客に問いかけてみること」

 このように書くと、営業担当者は具体的な活動を想起しやすくなります。「言葉を丸めない」ということは、営業リーダーが体得しなければならない大切なスキルなのです。

 次への課題を授けるのは、検証し評価することにつながります。つまり、同行と同行に連続性が生まれるわけです。先に「指導の連続性」に触れましたが、極めて大切なことです。

 当然のことながら1枚のメモは、営業担当者をほめる材料でもあります。営業リーダーは次回の同行時に、前回のメモを受け取り、達成度合いを確認しなければなりません。そして、ほめてあげるわけです。

 私は同行時に、メモ用紙をはさむアクリルの板を多用しました。同行する営業担当者の「本日の訪問予定」をはさみ込みます。メモ書きのときの台にもします。ときにはウチワ代わりにもなったし、日よけとしても使いました。

SSTプロジェクトでは、1人のメンバーが2人の営業担当者と同行しました。最初の1週間をAさんと同行したら、翌週はBさんと同行します。Aさんには、単独で活動する1週間の課題を与えています。これを繰り返すことで、同行効果が高まるのです。

同行時のツール(2):めんどうかい132

2018-08-04 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
同行時のツール(2):めんどうかい132

「○×メモ」

 顔つなぎの訪問には、「うまく行った」「失敗だった」という結果がありません。つまり○と×がなく、△の訪問なのです。こうした営業担当者には、「○×メモ」を使っていただきたいと思います。
 
 営業リーダーは同行時に、面談目的を必ず確認します。定期訪問とか顔つなぎを、許してはなりません。面談を終えます。営業リーダーは、○か×で成果を記入します。1日の育成同行を終えて、1勝でもしていれば成果ありです。
 
 この習慣は、他のメンバーにも実行させたいものです。訪問目的が希薄な営業担当者は、意外に多いものでぜひ活用してください。
 
「今日は何勝何敗だった」が、定着したチームがあります。訪問目的が明確になり、成果が上がってきたとの報告もありました。

「片想いスケール」

 どうしても攻略しなければならない、顧客がいたとしましょう。営業担当者には、次のように問いかけてもらいたいと思います。それが「片想いスケール」です。特に製薬会社のMRは、同じ医局のなかで競合会社としのぎを削ります。
 
 私たちは「初恋の教室」と称して、「片想いスケール」を次のように説明しています。
上司「教室のなかに、好きな異性がいたとしよう。きみなら、どうする?」
部下「相手のすべてを知りたくなります」
上司「そうだよね。そのあとはどうする?」
部下「ライバルとの差別化のために、自分を売り込みます」
上司「そうだよね。それから?」
部下「デートに誘います」

 あなたの部下は、どのステップにいるのでしょうか。同行時に「片想いスケール」を使って、顧客攻略状況を確認したいものです。
 
◎考えてみましょう

・「PPF話法」は、営業担当者を気持ちよくさせます。その理由を考えてみましょう。

・「身の丈コンピタンシー」は、営業担当者に考えさせ、ワンランク上の活動を可視化させます。通常のコンピタンシーモデルとの違いを、考えてみましょう。

同行時のツール:めんどうかい131

2018-08-03 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
同行時のツール:めんどうかい131
――第9章:同行時の話法・ツール
 同行時に部下のレベルに合わせ、次のようなツールを用いてもらいたいものです。

「情報タワー」
 情報収集が苦手な営業担当者には、「情報の山」を使ってみてください。

①未攻略の重点顧客を1人選ぶ。
②紙を渡し、知っている限りの情報を書かせる。(下から上に向かって記入させる)
③書き終えたら頂上に赤いラインを引く。(その上が新しい情報となる)
④次のことを、営業担当者に伝える。
「現在これだけの情報だから、顧客攻略が進んでいない。情報の数が増えれば、活動の幅も広がる。だから、既存情報の山に、新たな情報を積み上げよう」

 同行時には営業リーダーも「情報の山」を持ち、部下の情報収集力を鍛えることができます。情報は何でもありです。顧客の応接室の写真が、新しくなった。こんなことでも、立派な情報です。これを商談のオープニングに使ってみましょう。

営業担当者「この前まで樹氷の写真でしたが、満開の桜に変わっていますね」
顧客「よく気づいたね。季節感が大切だからね」
営業担当者「そうですよね。これからの季節は当社の○○の出番です。陳列スペースをもう少し増やしていただけませんか」

「情報タワー」をコンクール形式で、実行している受講者がいます。全員が1人の未攻略顧客の名前を書き、オフィスの壁に張って高さを競い合っています。

情報タワー」は、会議で用いるのも効果的です。情報を得た部下の活動は、明らかに変わってきます。営業リーダーは情報入手の大切さを、まずチーム内に浸透させなければなりません。
(続きは明日)

呼称の進化論:めんどうかい130

2018-08-02 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
呼称の進化論:めんどうかい130
――第9章:同行時の話法・ツール
 同行時に上司は敏感に、部下と顧客のコンタクトレベルを掌握できます。相手に対する部下の物腰とかしゃべり方で、顧客との距離は推察できます。

 私たちは次の方法で、客観的なコンタクトレベルを測ることを進めています。顧客が部下を何と呼んでいるか。これでコンタクトレベルはわかります。私たちはそれを「呼称の進化論」と呼んでいます。

 病院の医局の例で、考えてみてください。医局にはA、B、C社のMR(医薬情報担当者=営業職)がいます。ソファーに医師が座っていて、それを取り巻くようにMRが立っています。
医師「きみ(A社のMR)、その新聞を取ってくれないか」
医師「B社さん、その新聞を取ってくれないか」
医師「山本さん(C社のMR)、その新聞を取ってくれないかい」

◎考えてみましょう
 
 3社のMRのなかで、医師と最もコンタクトレベルが高いのはどこの会社でしょうか。もうおわかりですよね。顧客は親しくなるにつれ、営業担当者の呼び方を変えます。
 営業リーダーは部下が顧客から、何と呼ばれているかを観察していればいいわけです。この方が先入観なしに、判断することは可能です。

営業担当者の「PDCAサイクル」で示すなら、呼称の進化は部下にも理解させるべきです。呼称の進化は、「C:新しい何かを発見する」と大切な要件となります。
「課長、A先生がやっとぼくの名前を覚えてくれました」
 部下が目を輝かして報告してくれます。当然「やったな」と応じます。それから「いよいよ、踏み込んだアプローチのときだな」などと、話し込むわけです。

同行すると、顧客は「きみ」や「B社さん」を封印せざるを得ません。呼びかけた対象が2人いるのですから、必然的に部下の固有名詞を用いることになります。コンタクトレベルをあげるチャンスが、同行にはあるのです。

宣伝回数の倍増:めんどうかい129

2018-08-01 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
宣伝回数の倍増:めんどうかい129
――第9章:同行時の話法・ツール
◎考えてみましょう

 通常、営業担当者は、このような宣伝をしています。営業担当者はBの商談を決めて、Aの底上げを図りたかったのです。ところが、長い商談になると、後半で顧客がいらだつケースは多いものです。

 この流れでは、2品目宣伝は絶対にできません。2品目宣伝が、確実にできる話法を紹介しましょう。

営業「いつも当社のA(既存納入品)をお世話になっています。お客さんの評判はいかがですか?」
顧客「まあ、ボチボチというところかな」
営業「ありがとうございます。今後とも入力をよろしくお願いします。ところで本日は、かねてからお話させていただいている、B(新規納入攻略品)について……」

 おわかりでしょうか。このケースでは、既存品のお礼を最初に行っています。その後、本題に入っているのです。これなら、2品目宣伝は確実に実施できます。

物理的に1日10人としか面談できない、営業担当者がいたとしましょう。この人のコール数(宣伝品目数)を倍にするのが、2品目宣伝となります。同行時に営業リーダーは、この話法を指導しなければなりません。

イベントや製品説明会に参加してくれた顧客についても、しっかりと面談数に含めてください。営業担当者にとって、マスアプローチは大切な仕事ですから。

2品目宣伝を確実に:めんどうかい128

2018-07-31 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
2品目宣伝を確実に:めんどうかい128
――第9章:同行時の話法・ツール
 ルートセールスの場合、訪問軒数と宣伝品目数が多い方が売上は上がります。ただし、大前提に活動の「質」があることを忘れてはなりません。活動の「量」だけを、追っかけている会社は多いものです。それはそれで、間違ってはいないのですけれど。

 せっかく量の検証をするなら、そこに質を加味していただきたいと思います。それが本書の趣旨でもあります。質の検証ができるのは、営業リーダーしか存在しません。しかも検証するのは、現場で実証以外にはあり得ません。

 2品目宣伝を、容易にできる話法があります。次のショートストーリーで、考えていただきたいと思います。

◎ショートストーリー

 顧客は、製品Aを採用してくれています。営業担当者は、さらに製品Bを納入したいと活動しています。これから示す営業担当者には、2品目宣伝をする余裕がありません。

営業(パンフレットを指し示しながら)「おはようございます。本日は、何とかBをご採用いただけないかと、おじゃまさせていただきました」
顧客「同じような他社製品を採用しているので、これ以上製品は増やせない」
営業「市場では、私どものBが圧倒的に売れているのですが……」
顧客「きみのところは、利益率が少ないので採用できない。それとも、大幅に値引きができるようになったの?」
営業「それはできませんが、量がさばけるように、ポスターやキャラクターを大量に用意させていただきます」
顧客「ダメだね。通路が狭くなっちゃうし、そんなもので売れるとは思えない」
営業「そこを何とか」
顧客(いらだちをみせはじめる)
営業「何とか前向きにご検討いただきたく、お願いいたします」
(退席)

掲示板に:めんどうかい127

2018-07-30 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
掲示板に:めんどうかい127
――第9章:同行時の話法・ツール
◎ショートストーリー

(掲示板に張られたベスプラの前に、2人の営業担当者が立っている。2人とも、ペットボトルのお茶を持っている)
A「『お客さんに、○○(競合品名)を使っているのはなぜですか』と直接質問するって書いてあるけど……」
B「そんな質問をしたら、叱られるに決まっているだろう」
A「でもここには、何度も試みているけど、1度も怒鳴られたことはない、と書いてある」
B「漫然と使っているお客さんは多いよな」
A「ということは、当社の○○をなぜ使っていただけないのですか、という質問も考えられるよ」
B「ちょっと過激だけど、1度試してみる価値はありそうだ。よし、このベスプラに1票入れてあげよう」

私たちの「CP」終了後も、ベスプラは継続されています。たった1枚の紙片が、ベスプラを生き生きとさせるのです。

成功例の聞き取りは、全員に満遍なくやる必要はありません。営業リーダーなら、部下の成功例を掌握しているはずです。同行時に「いいいな」と思ったことを、さりげなく聞き取ります。それで十分です。