北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「資本主義の宿命(橘木俊詔著・講談社現代新書2024刊)」を読んだ。---------
橘木俊詔(たちばなきとしあき1943生れ)氏は、小樽商科大学卒/阪大大学院修士課程修了/ジョンズホプキンス大学大学院博士課程修了/PhD取得。京大教授/同志社大学教授/京都女子大学教授を務め/現在は京都大学名誉教授。専門は経済学/労働経済学。著書に“日本の経済格差/家計からみる日本経済”など多数あり。-----------
この本「資本主義の宿命」の目次は次の通り。“格差の現実”、“資本主義社会へ”、“資本主義の矛盾に向き合う経済学”、“福祉国家と格差社会”、“ピケティの登場”、“ピケティ以降の格差論”、“経済成長か公平性か”、“日本は格差を是正できるのか”-----------
この本「資本主義の宿命」の内容紹介文は次の通り。社長と社員の給料格差/どれ位ならOKですか。日本では/資産5億円以上の超富裕層は9万世帯。単身世帯の34.5%は資産ゼロ。富裕者をより富ませ・貧困者をより貧しくさせる今日の資本主義。アダムスミスやマルクス/ケインズ/そしてピケティは/富と貧困の問題を如何に論じてきたか。経済学の歴史を学びながら/経済成長か格差是正か。資本主義のジレンマに付いて考え/今後の進むべき道を提示する。----------
橘木俊詔氏は、この本「資本主義の宿命」に副題“経済学は格差とどう向き合ってきたか”を付しておられるが/解決策の提案は無いに等しい。経済学が金融工学に成り下がって富裕層の/資産運用に役立っている位で/貧困層の蓄財の知恵になるものは一切ない。東西冷戦時代は資本主義が共産圏の真似をして修正資本主義を模索した。処が/冷戦終結後は/野獣のような資本主義に戻ってしまっている。これでは/格差が助長されるのは仕方が無い。富の再配分を地味に重ねるしか方法は見当たらない。
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