奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その524)

2018-01-30 08:15:00 | 奈良・不比等
歴史ミステリー小説 北円堂の秘密

「中身化する社会(菅付雅信著・星海社新書2013刊)」を読んだ。菅付雅信(すがつけまさのぶ1964生れ)氏は法政大学卒で、角川書店の契約社員として働いた際に、見城徹氏(現・幻冬舎社長)に鍛えられたそうである。以後独立して数々の編集の仕事をこなし、津田大介(情報の呼吸法)や園子温(非道に生きる)などを世に送り出してきた。------
「中身化する社会」は4~5年前の出版物であるが、当時すでにSNSの普及によりネット検索から逃れられなくなると予想している。確かに有名人のネット炎上は日常茶飯となっており、ネットの存在を無視出来ないと云うか、ネット上の人格がその人そのものであるかの時代となって来ている。ブログのようにペンネームで書くことの出来るサービスもあるがフェイスブックに登録しなければ信用されないような時代的雰囲気も出て来ている。個人を特定できてしまうネットでは嘘や張ったりは効かないし、実物で外見を良く見せようとしてもその人物の発言内容が伴わなければ相手にされない信用されないと云う困った時代となって仕舞ったのだと云う。------
「中身化する社会」では、広告も力を失っていくと述べている。口コミで賛同される物でないとこれも疑われてしまうのだとか。ポストモダンの文化の最先端であるニューヨークでは、コンフォートフードのカフェレストランが話題を呼んでおり、心地よいオーガニックな家庭料理が好まれていると云う。ラグジュアリーに疲れた消費者がカジュアルに向かっているのであると。------
人間中身を充実させないとアウトプットが良いものにならないのだから、ネット社会で生きるには全てにおいて本物志向が求められて来るのだろうと思われた。そしてこの4~5年前の予想が現実化して来ているとも感じた。
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