.花が 少ない冬には、植物の果実を挙げることが多くなります。
今回は、「ネズミモチ」、「トウネズミモチ」、「プリペット」の黒い実です。
<「ネズミモチ / 鼠黐」>
実が着き始めた頃は、薄緑色をしていますが、徐々に熟して、漆黒に変化します。
名前の由来は、、此の実の形が、鼠の糞に似ていて楕円形で、棒状なので似ているからとか。
葉は、モチノキ科の「モチノキ」(黐の木)に似ているからとのこと。
6月頃に、円錐花序に白い小さな花を多数咲かせます。
花は、筒状の漏斗形で、花冠の先端が4裂して反り返ります、雌蘂雄蘂が突出ています。
次に載せる中国原産で同じモクセイ科の「トウネズミモチ」(唐鼠黐)の実とも似ていますが
実の形が、球形ですので、区別は、容易です。 ・ ・ ・ <下段の比較図を参照>
亦、「ネズミモチ」の葉を太陽の光に翳すと、葉脈が透けて見えるが
「トウネズミモチ」は、透けて見える違いでも区別が容易です。
モクセイ科、イボタノキ属、常緑小高木、日本原産、学名 Ligustrum japonicum
英名 Japanese privet、wax-leaf privet、別名「タマツバキ」<玉椿>
次は、上に載せた「ネズミモチ」に似た「トウネズミモチ」(唐鼠黐)です。
<「トウネズミモチ」>
両者の見分け方が難しいですが、 「トウネズミモチ」の実は、「ネズミモチ」の棒状で細長いのに比べて
略、球形で、葉の全葉脈が透けて視えますが、「ネズミモチ」の場合は、主脈のみ透けて視える違いが有ります。
亦、「トウネズミモチ」は、「ネズミモチ」より開花期が遅く、花も大きい違いが、有ります。
乾燥した実は、<女貞子>の名前の生薬になり、酒に浸した<女貞子酒>は
滋養強壮、白髪防止に効く由、試してみなければと思いますが ・ ・ ・ 。
モクセイ科、イボタノキ属、耐寒性常緑高木、中国原産、学名 Ligstrum lucidum
英名 Chinese privet、 Glossy privet
<「プリベット / セイヨイイボタノキ」も黒い小さな実を着けています。
<「プリベット」>
「プリベット」別名「セイヨウイボタノキ」(西洋水蠟の木)も同じ「ネズミモチ」の仲間です。
黒くて小さな実を鈴生りに着けます、日本原産の「イボタノキ」 Ligustrum obtusifolium より
多くの白い小さな花を咲かせます、小枝が、密生するので、生垣などに植栽して、芳香も愉しめます。
花冠の先端は、4裂して、2本の雄蕊が突き出ます。
ヨーロッパ、北アフリカ原産のもの Ligustrum vulgare や中国原産のもの L.sinense を総して
「プリペット(プリベット)」 privet と呼んでいるようです。
葉に白い斑が入る「シルバープリペット」、葉が、黄色い「プリペット 'レモン&ライム’」等の種類が
モクセイ科、イボタノキ属、ヨーロッパ、北アフリカ、中国原産、半常緑低木
学名 Ligustrum sinense 英名 European privet,、Common privet
別名に、「ヨウシュイボタノキ」(洋種水蠟の木)の名前も付いています。
初夏に、下図の様な白く小さな花を咲かせます。
「ネズミモチ」、「トウネズミモチ」の花は、似ていて、小さな白い花を咲かせます。