花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

稔りの季節(21)

2023-11-11 | 植物 花

.花が 少ない冬には、植物の果実を挙げることが多くなります。

今回は、「ネズミモチ」、「トウネズミモチ」、「プリペット」の黒い実です。

<「ネズミモチ /  鼠黐」>

実が着き始めた頃は、薄緑色をしていますが、徐々に熟して、漆黒に変化します。

名前の由来は、、此の実の形が、鼠の糞に似ていて楕円形で、棒状なので似ているからとか。

葉は、モチノキ科の「モチノキ」(黐の木)に似ているからとのこと。

6月頃に、円錐花序に白い小さな花を多数咲かせます。

花は、筒状の漏斗形で、花冠の先端が4裂して反り返ります、雌蘂雄蘂が突出ています。

次に載せる中国原産で同じモクセイ科の「トウネズミモチ」(唐鼠黐)の実とも似ていますが

実の形が、球形ですので、区別は、容易です。 ・ ・ ・ <下段の比較図を参照>

亦、「ネズミモチ」の葉を太陽の光に翳すと、葉脈が透けて見えるが

「トウネズミモチ」は、透けて見える違いでも区別が容易です。

モクセイ科、イボタノキ属、常緑小高木、日本原産、学名   Ligustrum japonicum

英名   Japanese privet、wax-leaf  privet、別名「タマツバキ」<玉椿>

 

次は、上に載せた「ネズミモチ」に似た「トウネズミモチ」(唐鼠黐)です。

<「トウネズミモチ」>

両者の見分け方が難しいですが、 「トウネズミモチ」の実は、「ネズミモチ」の棒状で細長いのに比べて

略、球形で、葉の全葉脈が透けて視えますが、「ネズミモチ」の場合は、主脈のみ透けて視える違いが有ります。

亦、「トウネズミモチ」は、「ネズミモチ」より開花期が遅く、花も大きい違いが、有ります。

乾燥した実は、<女貞子>の名前の生薬になり、酒に浸した<女貞子酒>は

滋養強壮、白髪防止に効く由、試してみなければと思いますが ・ ・ ・ 。

モクセイ科、イボタノキ属、耐寒性常緑高木、中国原産、学名   Ligstrum lucidum 

英名   Chinese privet、 Glossy privet



<「プリベット / セイヨイイボタノキ」も黒い小さな実を着けています。

<「プリベット」>

「プリベット」別名「セイヨウイボタノキ」(西洋水蠟の木)も同じ「ネズミモチ」の仲間です。

黒くて小さな実を鈴生りに着けます、日本原産の「イボタノキ」  Ligustrum obtusifolium  より

多くの白い小さな花を咲かせます、小枝が、密生するので、生垣などに植栽して、芳香も愉しめます。

花冠の先端は、4裂して、2本の雄蕊が突き出ます。

ヨーロッパ、北アフリカ原産のもの    Ligustrum vulgare  や中国原産のもの   L.sinense を総して

「プリペット(プリベット)」 privet と呼んでいるようです。

葉に白い斑が入る「シルバープリペット」、葉が、黄色い「プリペット 'レモン&ライム’」等の種類が

モクセイ科、イボタノキ属、ヨーロッパ、北アフリカ、中国原産、半常緑低木

学名    Ligustrum sinense  英名   European privet,、Common privet

別名に、「ヨウシュイボタノキ」(洋種水蠟の木)の名前も付いています。


初夏に、下図の様な白く小さな花を咲かせます。

「ネズミモチ」、「トウネズミモチ」の花は、似ていて、小さな白い花を咲かせます。


秋、稔りの季節(20)

2023-11-09 | 植物 花

「ガガイモ」の種子が 鞘から飛び出しました、長く白い羽根毛が輝きます。

東北地方に伝わる、妖怪<ケサランパサラン>は、此の羽根毛だとか、白い毛玉の様な物体で

フワフワ飛び廻る物体なので、「ガガイモ」の種子に着いた羽根が、此の妖怪だとしたのか

正確な答えは不明ですが、未確認動物として扱われているようです。</s style="line-height: 0.8;"pan>

上図は、「ガガイモ」の花です。

今回は、「プリペット」と「ビバーナム・ティヌス」の実にしました。

<「ビバーナム・ティヌス」>

コバルト色に熟した実が撓わに稔っています。

4月頃に、集散花序に、蕾が、ピンクの白い花を咲かせます。

日本の「ガマズミ」(莢蒾) Viburnum dilatatum  や「チョウジガマズミ」 V.carlesii var.bitchiuense

「オオデマリ」 V.plicatum  の仲間で、此等も同じく「ビバーナム」と称しますが

一般の、「ビバーナム・ティヌス」を「ビバーナム」と呼ぶようです。

「ガマズミ」等が、落葉低木に対して「ビバーナム・ティヌス」は、常緑低木の違いが有ります。

スイカズラ科、ガマズミ属、地中海地方原産、学名   Viburnum tinus 、別名 「トキワガマズミ」(常盤莢蒾)

「ジョウリョクガマズミ」(常緑莢蒾)、「セイヨウガマズミ」(西洋莢蒾) 等々


下図は、4月頃に咲く「ビバーナム・ティヌス」の花です、赤い蕾と開花した白い花のコントラストを愉しみます。

花弁の表面に点在するピンクの斑点が綺麗です。



秋、稔りの季節(19)

2023-11-06 | 植物 花

「タチバナ / 橘」が、実りました、小さな棗型の形が、ユニークです。

今日の果実は、「カクレミノ」、「ユズリハ」、「クスニキ」の黒く熟した果実です。

<「カクレミノ」の実>

今頃に熟す黒い実には、「カクレミノ」の実も有ります。

実の先端に、花柱が残るので、尖がり帽子の様な紡錘形になり、面白い形です。

花は、初夏から夏に懸けて、枝先に散形花序を出して、5弁の緑白色の花を咲かせます。

葉の形も変化するので、種々の形の葉を同時に視ることができて、愉しめます。

亦、葉は、成長すると、切込みが無くなるのも特徴です。

若木の頃の葉のは、三裂して昔の雨具の<蓑>に似ているで、此の名前が付いた由

<隠>は、此の蓑を被ると、天狗が、隠れることができると言う昔話からとか

葉が成長するに随って、切込みが無くなります、肉厚の艶やかな葉が、紅葉するのも楽しめます。

ウコギ科、カクレミノ属、常緑高木、日本、台湾、朝鮮半島に分布、学名    Dendropanax trifidus

別名 「カラミツデ」、「テングノウチワ」、「ミツデ」、「ミツナガシワ」



若葉は、全縁ですが、徐々に、三裂した葉に成ります、昔の雨具の蓑の形に似ているから<蓑>の名前が着いた由

亦、<隠>は、此のミノを着けると身を隠すことが出来るとの伝説からとか。

「ユズリハ」の実も黒く熟してきました。

 

       「ユズリハ」(譲葉)の実

黒褐色に熟す前のエメラルド色の実です。

「ユズリハ」は、5月頃に雌雄別株の小さな花を多数咲かせます。

若葉が出揃う迄、古い葉は落葉を待ちます。

若葉が出揃った後に一斉に落葉しますが、常緑樹なのです。

古い葉と新しい葉の世代交代が一斉に行われるわけです。

「譲葉」の名前は、この様に ”世代を譲る” 意味からとのことです。

ユズリハ科、ユズリハ属、常緑高木、学名 Daphniphyllum

macropodum、別名「オヤコグサ」、「アオバノキ」等々

 

 

 



 

最後は、樹木「クスノキ」の実です、小さな球形の実が、漆黒に輝きます。

 

枝や葉を蒸留 して、薬品の樟脳を採る樹木で、確かに近づ

くと樟脳の香りがします。

夏に、淡い黄緑色の小さな花を咲かせます。

秋には、8ミリ程の球形の果実が紫黒色になります。

葉が、皺々なのも特徴で、緑の葉の中の何枚かは、必ず紅

葉して落葉するのも面白い物です。

クスノキ科、ニッケイ属、常緑高木、日本中国台湾原産

学名    Cinnamomum 、Camphora

英名    Camphor Laurel

カンフル注射は、 Camphor  から執った名前とか

 

 




秋、稔りの季節(18)

2023-11-04 | 植物 花

「カリン」も黄色く熟してきました。

今日の<稔りの季節>は、「タンキリマメ」と「シロヤマブキ」の実にしました。

最初は、「タンキリ マメ」の豆果の赤い莢と漆黒の種子です。

<「タンキリマメ /痰切り豆」>

総状花序を出して、10数個の蝶型の花を咲かせます、花色は、淡い黄色でマメ科特有の形をしています。

葉は、3出複葉で、小葉は、厚みが有ります、葉脈が目立つ葉で、「クズ」(葛)の葉に似ています。

萼には、褐色の毛が生えています。

花が終わると、漆黒の種子が2個入った豆果ができます、鞘には、毛が密生します、赤紫色に熟して裂けますが

種子は、暫く鞘に着いて離れないのも面白いものです。

似たものに、「トキリマメ」(吐切り豆)が、有りますが、葉の形の違いで区別出来ます。

種子に痰を切る薬効が有るのでこの名前が付いたとか

マメ科、タンキリマメ属、蔓性多年草、日本、朝鮮半島、中国、台湾に分布、学名   Rhynchosia volubilis 

別名「キツネマメ」、「ウイロウマメ」

赤く色着いた鞘の中に2個の種が入っているのが分かります。


葉は、3出複葉で、小葉は、厚みが有ります、葉脈が目立つ葉で、「クズ」(葛)の葉に似ています。

萼には、褐色の毛が生えています。

 

 次は、「シロヤマブク」(白山吹)の種子です。

<「シロヤマブキ」>

似た花で黄色い五弁や八重の花を咲かせる「ヤマブキ」(山吹) Kerria japonica とは、属が、違う植物です。

花の色は、白で四弁花、「ヤマブキ」より実が着きやすいのか、「ヤマブキ」の実より視る機会が多い様に思います。

もっとも、八重の「ヤマブキ」の雄蕊、雌蕊が花弁に変化して、実を結ばない所為も有るようです。

花弁の枚数4枚と同 じ4個の真っ黒な実を着けます。

バラ科、シロヤマブキ属、耐寒性落葉低木、日本、朝鮮半島、中国に自生、学名  Rhodotypos scandens

 最初の “黒真珠” は、「シロヤマブク」(白山吹)の実です、此の実も、真珠とは、言え難いのですが ・ ・ ・ 

似た花で黄色い五弁や八重の花を咲かせる「ヤマブキ」(山吹) Kerria japonica とは、属が、違う植物です。

花の色は、白で四弁花、「ヤマブキ」より実が着きやすいのか、「ヤマブキ」の実より視る機会が多い様に思います。

もっとも、八重の「ヤマブキ」の雄蕊、雌蕊が花弁に変化して、実を結ばない所為も有るようです。

花弁の枚数4枚と同 じ4個の真っ黒な実を着けます。

バラ科、シロヤマブキ属、耐寒性落葉低木、日本、朝鮮半島、中国に自生、学名  Rhodotypos scandens


花は、白色で4弁花


秋、稔りの季節(17)

2023-11-02 | 植物 花

「フェイジョア」の実も熟してきました、”エメラルド” の輝きです。

今日は、「マートル / 銀梅花」、「シャリンバイ / 車輪梅」の実を挙げます。

<「マートル / 銀梅花」の実>

花は、花弁が5枚で、「梅」の花に似ているので、「銀梅花」の名前の由来になった由

亦、艶の有る肉厚の葉も、此の白い花を引き立てます、葉には、「ユーカリ」に似た芳香が有ります。

秋には、円錐形で黒青色の果実が、実を結び、食べられますが、少々苦い味がします。

別名「祝いの木」の名前は、結婚式の飾りに使うからとか、また、スウェーデンでは、女の子が生まれると

「マートル」の木を植える習慣が有って、やがて、花嫁になる時に、此の木の葉や枝で髪飾りを作って祝うとのこと

結婚式の式場で、花嫁が持つブーケとしても使用する由

日本では、「桐」の木を植えて、嫁入り道具のタンスを作るのに似ています。

ギリシャ神話や旧約聖書にも登場する植物で、古くから親しまれていた植物とか

エジプト、ローマ、古代ギリシャでも料理のスパイス、香水として利用されていたとのこと

ドイツでは、今でも結婚式に此の花で作った冠を被るそうです。

フトモモ科、ギンバイカ属、半耐寒性常緑低木、地中海沿岸原産、学名    Myrtus communis

英名    Common myrtle、別名  「ギンバイカ /  銀梅花」、「イワイノキ /  祝いの木」、「ギンコウボク /  銀香木」


初夏の頃に、「銀梅花」の名前の由来になった「梅」の花に似た5弁の白い花を咲かせます。

多数の雄蘂が、長く突出る様子は、美しいものです。

 

<「シャリンバイ」(車輪梅)>

「車輪梅」の名前もユニークですが、由来は、車輪状に着く葉が

車輪のスポークに似ていて、花が、「梅」の花に似てる故の命名とか

花は、初夏の頃、円錐花序に、五弁の白、亦は、淡いピンク色の花を咲かせます。

実は、緑色から紫色、青色、熟すと黒色と変化します。

バラ科、シャリンバイ属、常緑低木、日本、中国、朝鮮半島原産、学名   Rhaphioleps umbellata

別名 「タチシャリンバイ」、「ハマモッコク」


 花が「梅」の花に似ているので「車輪梅」の名前が、付いた由

 

”稔り” に相応しい姿で栗の実も熟していました、以前にも載せましたが、再度、此の動画を載せてみました。