花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

春の色(6)早春の樹木花

2021-03-11 | 植物 花

最初に、過去に載せたの記事の再掲載です、”春の樹木花” です。

 
冬、黄色い樹木花(3)

「カネノナルキ」の花が咲いています、冬に咲く数少ない花の一つです。花径1CM位の淡桃色の5弁花を咲かせます、若葉の先端から、硬貨の5円玉を通して、葉茎が大きく育つと枝に......
 
 

今日の ”春の色” は、「アオモジ」、「アブラチャン」、「ダンコウバイ」の花です、淡い黄色が、”春の色” です。

<「アオモジ」青文字>


 

「アオモジ (青文字)」も早春に咲く "春告げ花” です。

花は、黄白色で、散形花序に着きます、亦、葉が展開する前に咲く

ので、枯れ木に花が、咲いた様に見えます。

雌雄別株の花は、花弁状の白い総苞片が目立ち、黄白色の小さな

花の花冠が、6裂します。

同じ科属の「クロモジ」が、葉と同時に花が、咲くのとの違いが有り

日本では、近畿地方以南が、生育地で3月頃に一斉に開花します。

鮮やかな緑色の葉が、互生して、秋には、黄葉して綺麗です。

枝や葉には、芳香が有り、<爪楊枝>に加工されています。

「青文字の名前は、樹皮が、緑色の故で、「クロモジ」の黒色のとの違いです。

果実は、球形で、秋には、紫黒色に熟します、レモンの香りがして、薬用にすることが多いようです。

クスノキ科、ハマビワ属、落葉小高木、日本、台湾、中国、インドネシア原産、学名  Litsea cubeba 

別名は、辛味が有るので、「ショウガノキ(生姜の木)」、「コショウノキ(胡椒の木)」

 

早春の山野を彩り「アブラチャン」の淡黄色の花です、春の息吹を感じます

<「アブラチャン」>


 

早春の花の色は、黄色が多いのか、「アブラチャン」も照り輝く黄い花を咲かせます。

「マンサク」(万作)と同じ様に、葉が出る前に花が咲き揃います。

太陽の光の色を待ち焦がれて、先取りするからでしょうか ・ ・ ・

「アブラチャン」の名前も妙ですが、<アブラ>は、<油>で、<チャン>は、

<チャン>は、粘着性の有るものの総称の<瀝青>は、<アスファルト、ピッチ>のこととか

種子や樹木に油分が多いので昔は、灯油などを採取した様です。

散形化序に小さい淡黄色の花を咲かせます、似た花に「ダンコウバイ」(檀香梅)  が有りますが、皆、”春告げ藩” 達です。

“花茎が在る「アブラチャン」、花茎が無い「ダンコウバイ」” で区別できます。 

クスノキ科、クロモジ属、耐寒性落葉高木、雌雄異株、日本原産、学名 Lindera praecox (Parabenzoin praecox)

 別名 「ムラダチ」、「ズサ」

学名の Praecox とは、“早咲き”、“早熟” の意味とか、早春に咲くからですか

 

最後は、「ダンコウバイ」です。

<「ダンコウバイ(檀香梅)」>


 

花は、上記の「アブラチャン」に似ていますが、花数は、多少違いますが

互生する葉は、楕円形で、先端が3裂して、秋には、黄葉します。

果実は、球形で秋に赤から黒色と熟します。

葉や幹、種子には、香りが有り、「クロモジ」、「アオモジ」

同様<爪楊枝>の材料になります。

クスノキ科、クロモジ属、耐寒性落葉高木、日本、朝鮮半島、中国原産

学名 Lindera obitusiloba 、別名 「ウコンバナ」

「壇香花」の<檀香>は、「白檀」の意味で、葉、幹、種子に香りが在るので

この名前が付いた由

尚、英名の  Lindera は、スウェーデンの植物学者に由来するとか


春の色(4)

2021-03-07 | 植物 花

今回の ”春の色” には、「アネモネ」、「ラナンキュラス」、「ロベリア」を挙げてみました。

花の間を温かい春風が、通り抜ける様です。

最初は、「アネモネ」です、

<「アネモネ」>

一重、八重、花色は、ピンク、青紫、赤、白と豊富で、交雑種も多数です。

花弁の様に見えるのは、立派な萼片で、花弁が無いのも面白いものです。

一般に「アネモネ」と呼ばれているのは、「アネモネ・コロナリア」(Anemone coronaria)

「アネモネ・ホルテンシス」(A.hortensis)と「アネモネ・パポニア」A.pavonia)の交雑種とのこと。

キンポウゲ科、イチリンソウ属、耐寒性球根、地中海沿岸原産、英名  Anemone

 別名「ボタンイチゲ」(牡丹一華)、「ハナイチゲ」(花一華)、「ベニバナオキナグサ」(紅花翁草)


花弁の多彩な色彩と斑模様が、此の花の見所です、拡大すると一層見応えが



「アネモネ」の名前は、ギリシャ語で<風(Anemos)に由来する由

風通しが良い場所を好むから、風が多く吹く季節に花を咲かせるからとの説が有りましたが

真偽の程は、解りませんが、熟した種子が、長い綿毛を着けて

風に乗って遠くまで運ばれるのは、確かです。

 

次は、「ラナンキュラス」です、此の花色も温かい春の色です。



<「ラナンキュラス」>

色彩豊かで、明るい ”春色” の花弁が重なり合って、春を演出します。

品種改良も有って、色、形も増え続けています、多数の種類の中、「ラナンキュラス」と呼ばれているのは

「ラナンキュラス・アシアテクス」(Ranunculus asiaticus)と其の園芸種とのこと

改良種が、多く作出されて、花色や形が多くなっています。

キンポウゲ科、キンポウゲ(ラナンキュラス)属、半耐寒性多年草、地中海沿岸、ヨーロッパ南部原産

英名  Persian buttercup、別名「ハナキンポウゲ」(花金鳳花) 




尚、「ラナンキュラス」とは、ラテン語で蛙の手を意味で、葉の形が、蛙の手の形に似ているからとか(下図)

他に、名前の由来は、蛙が住んでいる湿地に多く生えるからとの説も

蛙の手に見えるかな ・ ・ ・ 

 

次の「ロベリア」の花の色も ”春の色”  です、透き通った感じの色合いが、春を感じさせます。

「ロベリア」Lobelia spp.

分枝した茎の先端に蝶の形をした花を多数着けます、恰も、蝶が群がって飛んでいる様です。

花弁の上唇が、2裂して、下唇が、3裂しているので、蝶の様な姿になります。

花の色は、赤、青、青紫、ピンク、白、復色と豊富です。

一般に「ロベリア」は、エリヌス種の「ロベリア・エリヌス」を指すとか、一番親しまれています。

所属するロベリア属は、300種以上有るとか、野草の「ミゾカクシ」(溝隠) Lobelia chinensis

日本原産の「サワギキョウ」L.sessififolia (沢桔梗)なども同属とのことです。

北米原産、多年草の「シュッコンロベリア」(宿根ロベリア)等も同属でした。

キキョウ(ミゾカクシ)科、ロベリア属、非耐寒性一年草、 南アフリカ原産、学名  Lobelia erinus

別名「ルリチョウソウ」(瑠璃蝶草)、「ロベリア・エリヌス」





春の色(5)、黄色い樹木花

2021-03-04 | 植物 花

黄色い樹木花は、「オウバイ」(黄梅)、「ウンナンオウバイ」(雲南黄梅)

「レンギョウ」(連翹)を挙げてみました、

黄色い花々も明るい “春の色” です。

 

<「オウバイ」(黄梅)>

別名が「迎春花」、将に、”春色” です。

早春、葉が展開する前に、「梅」に似た花を細い下垂する枝に咲かせます。

枝は、緑色の4角形、3出複葉が対生します。

花の形が「梅」の花に似ているので、黄色い色をした「梅」で「黄梅」の名前が付いた由

「梅」の名前が付いていますが、バラ科ではなく、モクセイ科なので「梅」では,ないのです。

「黄梅」も「雲南黄梅」も似た花を咲かせますが、「黄梅」は、落葉性で葉が出る前に花を咲かせますが

次に載せる「雲南黄梅」は、常緑なので、花と濃い緑色の葉を同時に視ることができますが

「オウバイ」は、落葉性ですので、枯れ枝に花が咲いた感じです。

亦、「黄梅」より「雲南黄梅」の花が少し大きく、疎らに咲きます、八重や一重が有ります。

モクセイ科、ソケイ(ジャスミン)属、半蔓性落葉低木(「雲南黄梅」は常緑低木)

中国原産、学名  asminum nudiflorum

「ウンナンオウバイ」別名「オウバイモドキ」(黄梅擬)の学名  J.mesny

別名「迎春花」、英名   Winter jasmine

 

 <「ウンナンオウバイ(雲南黄梅)」>

「オウバイ」より大きな花で 、八重咲きも有り、花着きも多少疎らでです。

学名   Jasminum mesnyi、英名   Primrose jasmine、Chinese jasmine

中国原産、別名「オウバイモドキ」(黄梅擬)

「レンギョウ」(連翹)も “春告げ花” です、黄色い花冠は、筒状で先端が4裂します。

葉が出る前に花を咲かせます、葉は、幅広の卵型、互生します。

「レンギョウ」(連翹)とは、モクセイ科、レンギョウ属の総称とか(Forsythia spp.)、

一般に、「レンギョウ」は、学名 Forsythia suspensa 、と其の改良品種を指すと有りました。

「レンギョウ」(連翹)は、中国名の音読みからで、中国名<レンギョウ>は、「オトギリソウ」を指すとのこと

中国名は、「黄寿丹」の漢名が付いています。 

モクセイ科、レンギョウ属、耐寒性落葉低木、中国原産、学名 Forsythia spp. 

英名 Golden bells flower、別名 「レンギョウウツギ」(連翹空木)

尚、学名の Forsythia (フォーサイシア)は、イギリスの園芸家 William A.Forsyth に由来する由

他の品種には、Forsythia suspensa 以外に、中国原産の「シナレンギョウ」(Forsythia virissima

朝鮮半島原産の「チョウセンレンギョウ」(F.ovata=F.coreana=F.virisissima var.koreana

日本原産の「ヤマトレンギョウ」(F.japonica)、「ショウドシマレンギョウ」(F.togachii

バルカン半島原産の「セイヨウレンギョウ」(F.europaea)等々が有るとのこと、各々、違った特徴を持っています。

過去に載せた々題名の ”黄色い樹木花” です。

 
冬、黄色い樹木花(2)

今、植物園の温室では、色鮮やかな花々が咲いています。トロピカルムードがいっぱい!!「メディニア・マグニフィカ」Medinia magnifica(上図左)、「パ......