秋の ”宝石” は、<サファイア> に見立てた果実を載せてみました。
「ノブドウ」、「ビバーナム・ティヌス」、「アオツヅラフジ」の果実です。
<「ノブドウ」(野葡萄)>
「ヤマブドウ」(山葡萄 、Vitis coignetiae ) と間違いやすいのですが、同 じブドウ科でも、「ノブドウ」は、ノブドウ属で
「ヤマブドウ」のブドウ属とは、別属の植物になります、葉は、「ヤマブドウ」の葉に似て、3~5裂します。
夏に、淡い緑色の小さな花を咲かせますが、目立たない花です。
果実の着き方も、「ヤマブドウ」が、房状に着きましが、「ノブドウ」は、葉と果実が交互に疎らに着きます。
秋に、球形の果実を着けますが、全てが、紺碧色ではなく、白や紫色の果実が混在します。
蜂の幼虫が、此の実に寄生するからとのこと、当然、食用には不向きで、食べても不味い味がします。
ブドウ科、ノブドウ属、蔓性落葉低木、日本、サハリン、千島、中国に自生
学名 Ampelopsis glandulosa var.heterophylla、別名「イヌブドウ」、「カラスブドウ」
次の “サファイヤ” は、「ビバーナム・ティヌス」の実です、メタリックな輝きです。
4月頃に、集散花序に、蕾が、ピンクの白い花を咲かせます。
日本の「ガマズミ」(莢蒾) Viburnum dilatatum の仲間ですが、「ガマズミ」が落葉低木に対して
「ビバーナム・ティヌス」は、常緑低木の違いが有ります。
スイカズラ科、ガマズミ属、地中海地方原産、学名 Viburnum tinus 、別名 「トキワガマズミ」
「ジョウリョクガマズミ」、「セイヨウガマズミ」等々
下図は、「ビバーナム・ティヌス」の花です。
最後の “サファイヤ” は、「アオツヅラフジ」の実です。
夏に、円錐花序に、淡い黄色の花を咲かせますが、目立ち難い小さな花です。
名前の由来は、若い蔓が、青(緑)色をしていて、葛篭(つづら)の材料にしたからとか、蔓の色が、徐々に
茶色になるので、葛篭の材料にしたのは、年を経た蔓だとは思うのですが ・ ・ ・
葉の形は、卵型、ハート型等々変異が有ります。
果実は、「ブドウ」の様に房状に付き、球状の核果が、緑色から、今頃に青色に変化します。
また、熟すと黒色になります、「ブドウ」の様ですが、有毒なので食べられません。
種子は、かたつむり、アンモナイトの様なユニークな形をしています。
ツヅラフジ科、アオツヅラフジュ属、蔓性落葉木本、雌雄異株、日本、沖縄、台湾、朝鮮半島原産
別名 「カミエビ」、学名 Cocculus orbiculatus、英名 Snailseed、Moonseed
下図は、「アオツヅラフジ」の種子です、英名で Snailseed、Moonseed の名前が付いているのも頷けます。
次の ”宝石" は、「クサギ」(臭木)の実です。
8月頃に集散花序をだして、花弁が、萼から突き出た花を咲かせます、花の色は、白、紅色などが有ります。
山路などを歩くと、何処からとも無く、芳しい香りが漂ってきます、「クサギ」の花の香りです。
此の香りが、名前の由来かと思えば、実は、茎や葉を揉んだ時の異臭からとか、<香木>ではなく
<臭木>の名前の由来に納得する一種異様な臭いです。
実は、初め黄緑色ですが、熟すと紺碧に変わります、花が、終わった後には、萼が残り、赤やピンク色に染まります。
花や実は、仲間の「ボタンクサギ」(牡丹臭木)、「ゲンペイカズラ」(源平葛)に似ています。
果実は、オクナ科の「ミッキーマウスの木」の果実にも似ているかな
目立つ色形は、鳥の目に留まり易く、種子分散に役立つようです。
シソ(クマツヅラ科、クサギ属、落葉小高木、日本、中国、台湾、朝鮮半島原産
学名 Clerodendrum trichotomum、 英名 Harlequin grory bower
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「スズメウリ」を育てる №13
未だ、花が、咲いていたり、なりたての実や、若い実や、赤く熟した実が混在しています。
<各画像は、クリックで拡大表示します>