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EF55! ~「カバ」&「ドタ靴」から「ムーミン機関車」と呼ばれるまで

2008-11-16 20:55:50 | 鉄道紀行&乗り物


流線形1936


 夕食後、『篤姫』を見ながら新聞を切り抜いている間に、強烈な睡魔(とは良くい言ったものですね)が襲ってきて、お風呂に入ればシャッキとするかと思ったのですが、もう駄目です。2時間ぐらい寝ようと、布団にもぐり込んだら、朝になっていました。
(朝食後にこの文章を書いていますが、日付は昨日のままにしておきます)

 新聞も一週間分たまると(週末、旅行に出かけていたのと、前半は切り抜きをさぼった)切り抜く記事も結構あって、ジャーナリストの堤未果さんのコラム(特にアメリカ社会に詳しい)、長崎沖の無人島「軍艦島」(1974年に閉山されるまで採炭で栄えた端島)が一般公開に向けて見学路や接岸設備の整備を進めている記事、世界糖尿病デーのキャンペーンで青色にライトアップされた松本城の写真、ジェットコースター型(最大速度32km程度)交通システム「エコライド」(上りはレールに設置したワイヤで巻き上げ、下りは位置エネルギーを使って走る)の実験用レールが公開された記事、印旛沼で絶滅危惧種水草十一種の再生に成功した記事、電気機関車EF55が来年一月で引退する記事、谷中銀座の店先や屋根にお目見えした「七人の侍」ならぬ「7匹の(木製の)ネコ」の記事、天皇・皇后両陛下が来日中のスペイン国王夫妻と共に昨年7月にJR東日本が新造した「お召し列車」に初めて乗られた記事、女性を中心に人気を呼んでいるピンホール写真の特集記事、練馬区の「首つぎ地蔵」の紹介記事、お馴染み「探鳥」(今週は深山烏)、「のんびり旅鉄道」(今回はJR日光線。モノクロからカラーに戻してほしい)に、「ケンタロウの快食レシピ」「東京どんぶらこ」(今週は本郷界隈)といったところ・・・。
 
 さて、その中でも一番目を引いたのが「EF55の引退記事」。0系新幹線や名鉄パノラマカーの引退については自分あたりの普通の人(とは言えないかもしれませんが)でも知っているけれど、「他にもお役御免になる車両がたくさんある」ということを今さらながら改めて気づかせてくれました。それにしても、何というユニークな顔つきなの! 「EF55」の写真が記事と共に掲載されていなければ、一般的な電気機関車を思い浮かべて、前述した感想にとどまったのですが、是非とも実物が見たくなりました~♪


       

 唯一無二のEF55(左)と、見本とされたペンシルバニア鉄道CG1(右)。EF55の流線形は「オート三輪」に引き継がれた? 正面顔の可愛さでは、銚子電鉄の「デキ3号」といい勝負だ。


 「EF55」は、鉄道ファンから「ムーミン」の愛称で親しまれていて、昭和11年(1936)に3台だけ製造され1号機のみが現存し、イベント列車として使用されています。車体には戦時中に受けた機銃掃射の弾痕も残っており、JRの「準鉄道記念物」にも指定されている貴重な車両です。昨年9月に故障が見つかり、部品の入手など整備に経費がかかることから(二度目の)引退が決まったとのことでした。
 何でこんな面白い形をしているんだろう? 奇抜すぎたから3両しか製造されなかったの? 興味を覚えたので、さらに詳しく調べてみると・・・。
 このような顔になったのは、この当時ドイツやアメリカで流行していた「流線形」のデザイン(最高速度を上げるには流線形が有効。最新鋭のN700もそうですね!)を取り入れたからで、それもそのはず、この新型機関車は、特急「つばめ」や「ふじ」(当時はもちろん蒸気機関車が牽引していた)に運用されることになっていました。
 けれども・・・最高速度が95kmでは流線形の効果が出ない、電気機関車なのに運転台が一か所なので、転車台(ターンテーブル)がないと転回出来ず(運転台が前後にあれは機回し線で対応できる)、しかもその際、転車台に電気機関車用の「架線」を張る余計な手間がかかる、スカートを履いたことにより保守整備に時間がかかるなどを理由に、わずか3両で製造打ち切りになってしましまいた。

 現存する1号機は、戦時中に機銃掃射を受け、戦後は実験車両に使われるなどして1960年代まで現役で働き、引退後は解体を免れて中央鉄道学園に屋外留置されていましたが、準鉄道記念物(1978)に選定された頃から秘かな人気車種となり、国鉄末期に起きた鉄道ブームの際に集客のため動態復元されるという、数奇な鉄道人生を歩みました。JR東日本に移管後もイベント列車としてかかせない存在となり、2006年の交通科学博物館閉館に伴い、3月25日から4月3日まで神田川沿いに特別展示されました。
 そうなんです、まだ「鉄道」に無関心だったニワトリさんも、通勤途中にこの「ヘンな」電気機関車を目撃していました!(感無量ですね~)

 今でこそ「ムーミン機関車」(アニメも原作も好きでした!)と、親しげに呼ばれていますが、それ以前の愛称は「カバ」「ドタ靴」。個人的には「カバ」でいきたい気分です(ムーミントロールはカバの仲間?だけど)。
 蛇足ながら最後に、JR東日本は「スイカ」と「エキナカ」で儲かっているのだから、この唯一無二の車両を「経費がかかる」ことを理由に引退させてほしくない、と考えるのは自分だけでしょうか?(引退後は静態保存される予定)


 再塗装されて公開されたEF55-1。さよなら列車は、上野~水上駅間など、上越&高崎&信越線で運行されます。チャンスがあれば、乗るか、(乗れなくても)見送りに行くつもりです。

 EF55-1の運行日は、12月= 6日(+EF64。上野~水上往復)13&14日(高崎~水上往復)、27&28日(+DD51。高崎~横川)。1月=10&11&12日(+DD51。高崎~横川)。17日(+EF64。上野~横川)。18日(+DD51。高崎~横川)。全席指定。


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